FP花輪陽子のシンガポール移住日記
2017年8月30日 花輪陽子

シンガポールのインターナショナルスクールで、
親に必要な英語力やPTA活動のリアルな実態とは?
日本の学校との違いやメリット・デメリットも紹介!

子どもがインターナショナルスクール(幼稚園)に進学!
シンガポールのリアルなインター校事情とは?

 ファイナンシャル・プランナー(FP)の花輪陽子です。

 2017年8月の中旬から、わが家の3歳の娘がシンガポールのインターナショナルスクール(以下、インター校)の幼稚園に通い始めました。それまで日系の幼稚園に通っていたので、最初はカルチャーショックを受けることが多々ありました。そこで今回は、シンガポールのインター校のリアルな事情についてお伝えしたいと思います。

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 まず、入学前の準備に関してですが、娘のインター校の場合、すべてウェブサイトに「やることリスト」が明記されていました。それに沿って、自分で期日までに書類などを準備しなければなりません。

 もちろん表記はすべて英語ですし、それほど丁寧には説明されていないので、見落としがないかと学校が始まるまで心配でした。また、細かい疑問点も複数あったものの、なかなか誰かに質問するチャンスもありませんでした。

 学校が始まる直前には、PTA(シンガポールのインター校にもPTAはあります)から「メンター家族」を紹介されました。メンター家族とは、学校生活においてわからないことを質問できたり、何かとアドバイスしてもらえたりする存在ですが、日本の学校でこのようなシステムを導入しているところはあまりなさそうですね。

 わが家のメンター家族はアジア系の米国人一家で、とても親切な方々なのですが、やりとりは当然英語です。

 また、オープンキャンパス(学校説明会)に関しては、幼稚園から高校まで一括の連絡で、キャンパス内も丁寧な案内などがないので、危うく説明会を見逃すところでした。日本の学校のように手取り足取り教えてくれるわけではなく、疑問があれば自分から聞きに行かなければならないスタイルです。

ちょっとした手違い、連絡ミスは日本より多発する傾向あり?
登園初日からスクールバスが停車しないトラブルが!

 不安は登園初日から的中し、幼稚園に登園するスクールバスでも早速、一波乱ありました。事前にバス会社から乗車ポイントの詳細が連絡されるはずだったのですが、当日になっても連絡が来なかったのです。たぶんここだろう、というアテがあったので、仕方なくそこで待っていたのですが、実際にバスは通ったものの、停車してくれせず、なんと目の前を通り過ぎてしまったのです。

 結局、必死で追いかけて引き留めることができましたが、置いて行かれたら初日からタクシーで登園するところでした。通学バスは点呼などもないので、時間になっても乗車ポイントにいなければ、すぐに置いて行かれてしまいます。

 スクールバス騒動はまだ終わりではありません。帰りにバスを降りるポイントは、事前にしっかり確認しておいたのですが、何の手違いか、誤った降車ポイントを教えられてしまったのです。

 指示された場所で待っていたのにバスは来ず、しばらくしてバスの引率の先生から電話がかかってきたことで、手違いが判明。日本ではありえないようなことが次々と起こり、ハラハラドキドキの初日でした。

積極的に学校行事にかかわる機会も多く、父兄の負担は重い!
幼稚園生は「お弁当+おやつ」を用意する必要あり

 そのほかに驚いたのは、子どもの学校イベントに対する両親の参加率の高さです。学校見学会・説明会や先生との面談は、平日にセッティングされていることもよくありましたが、毎回ほとんどの家庭が両親ともに参加していました。

 また、学校は父兄に対し、さまざまなボランティア活動への参加を求めてきます。あるときは、先生からメールでボランティア活動のおしらせが送られてきました。私は、そのメールが届いてから3時間後に目を通したのですが、そのときにはすでに参加者枠のすべてが埋まっていました。

 何かお得なことがあるわけでもないのに、シンガポールのインター校ではボランティア活動に参加するのが早い者勝ちなのです。PTAの係や担当を押しつけ合いがちな日本とは、父兄の意識もかなり違うと感じました。

 PTA活動も非常に活発なようです。私もメンターから誘われて、すでに何かと関わりを持っており、このままどんどん学校での活動に巻き込まれていきそうな予感がします。今後の予定を見ると、向こう2カ月以内に、親が関わる学校イベントが6回もセッティングされています。今のところ、親の負担に関しては、日本の学校よりも格段に重いのかもしれない、という印象を受けています。

 なお、幼稚園の子どもの親は、おやつやお弁当を用意する手間もかかります。娘の学校の場合は、幼稚園生だとおやつと昼食を持参しなければならず、もう少し学年が進まなければ、学校で食事をオーダーすることができないようでした。

 ただ、お弁当というと面倒くさそうですが、どの家庭も家にあるものを適当に詰めているだけ、という感じです。たとえば、おやつはぶどうやベリーなどのフルーツや、クラッカーといった何の調理も必要としないもの。お弁当も、おにぎりと昨晩の残り物のおかずなど、簡単なものを少量詰めるだけで十分なので、手間はそれほどかかりません。

 見たところ、お弁当に手間ひまかけたい、と考えている人はほぼいないようです。このあたりも、日本とは多少異なる部分かもしれませんね。

インター校の魅力は講師や施設の質の高さ。
休みが多いのは欠点だが、授業も幼稚園から多様な内容

学校のプレイルーム学校のプレイルーム。おもちゃは非常に充実していて、娘も毎日楽しく遊んでいるようです。
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 休みが非常に多い点も、インター校の特徴の一つと言えるでしょう。娘の学校は、夏休みが2カ月程度、冬休みは1カ月程度。その他、春や秋にも1週間程度の休みがあるほか、施設メンテナンスなどで、ちょこちょこ休日があります。

 親の負担が重くて休日も多いというと、何だか欠点だらけのようですが、それでもインター校が人気なのは、講師と施設の質が非常に高いからだと感じます。学校には、木のおもちゃや絵本が豊富にあって、絵本は借りて帰ることもできます。そのため、おもちゃと絵本は自分で買わずに借りて、節約しようと思いました。

 インター校に通い始めて1日目で、子どもが使う英単語やフレーズが急に増えたことには驚きました。簡単な音楽の授業や、第二言語(中国語)のクラスもあるので、習い事もたくさん行く必要はなさそうです。

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 娘の学校の場合、生徒や保護者は多国籍で、中国やインドなど、アジア系が多かったです。もっとも、人種などの割合は学校によってだいぶ違って、インター校でも日本人が多い学校もあります。

「学校イベント=紺のスーツ」など、服装に関する暗黙のルールはない
学校への関わりを最低限にすれば、英語へのハードルは下がる

インター校の絵本コーナーインター校の絵本コーナー。
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 先日は、保護者同士の交流イベントがありました。娘の学校には、アジア人の富裕層の子息も多く在学しているようでした。

 欧米人の富裕層と比較すると、アジア人の富裕層はわかりやすいブランドの洋服やバッグなどを身に着けている人が多い印象です。エルメスの靴やバッグ、グッチの洋服などを日常的に身につけているため、富裕層であることがすぐに見て取れます。

 そのイベントの際、私は日本の学校のイメージ(※一部の私立幼稚園などでは、保護者は紺色のワンピースやスーツなどの服装がベターとされている)から、なんとなく紺色のワンピースを着ていきました。しかし、インター校の保護者はカラフルで華やかな服装の人が多く、「父兄は紺色などの地味な服装がベター」などの暗黙のルールはないようでした。

 交流イベントで知り合った人たちの中には、中国やインドから母子留学で来ている方も複数いました。そのような人たちと話をする中で、シンガポールのインター校はアジア中から生徒が集まるのだと感じました。

 このように、親も学校に関わっていくとなると、相応の英語力が求められます。そこで、私の場合は子どもを預けたらほぼ毎日、スカイプで英会話レッスン(日本のサービス)を受けています。

 子どもに対しても、日本語だけではなく、あえて英語の絵本も積極的に読むようにして、英語と触れる機会をとにかく増やすようにしています。私は米国系の会社で8年働いていたので、活字を読んだりメールを書いたりするのには慣れているのですが、もっとスムーズに日常会話をできるようにするのが現時点の目標です。

 とはいえ、PTA活動やボランティア参加を最低限にし、日常的には学校と必要事項のやりとりをするだけであれば、ネイティブのように話せなくても何とかなります。最近、娘のクラスメートの保護者の方(中国人の方)と友人になりましたが、ほとんど英語が話せないのに、積極的にコミュニケーションを図って友人を増やしており、そのガッツに感銘を受けました。また、日本人が多く、学校側も日本人に慣れているインター校であれば、比較的言葉のハードルは低くなるでしょう。

 よって、「親(自分)が英語ができないから、子どもをインター校に入れるのは無理」と、初めから諦めるのは早すぎると感じています。

 私の子どもはまだインター校の幼稚園には通い始めたばかりですが、今後も学校生活を通して気づいたこと、驚かされたことなどを定期的にご報告していきたいと思います。