ネット証券会社比較
2018年8月10日 Sponsored Content

松井証券はどうして投資信託の取扱数が少ないのか?
あえて取扱数で勝負せず、松井証券が「顧客に無駄な
コストを使わせない」という理念にこだわる理由とは

松井証券は、他のネット証券にくらべて
投資信託の数が少ない!?

 今年から「つみたてNISA」がスタートしたこともあり、多くの証券会社が投資信託に力を入れている。大手ネット証券ともなると、ほとんどは1000本以上の投資信託を取り扱っており、具体的には、楽天証券が2617本、SBI証券が2606本、マネックス証券が1134本、カブドットコム証券が1056本もの投資信託を取り揃えている(2018年8月2日時点、以下同)。

 しかし、同じ大手ネット証券でも松井証券の取り扱っている投資信託はわずか499本。マネックス証券やカブドットコム証券と比較すると半分以下、楽天証券やSBI証券の5分の1以下の取扱数しかない。この数字だけを見ると、「松井証券は投資信託に力を入れてない」と考えてしまう人がいても仕方ないだろう。

 しかし、個人投資家にとって重要なのは「取扱投資信託の数が多い」ことだけではない。実際、「松井証券が投資信託に力を入れていない」というのは大きな誤りで、むしろ力を入れているからこそ強い「こだわり」を持って投資信託を“厳選”しているのだ。

 その「こだわり」とは、現在の松井証券の形を作り上げた4代目社長である松井道夫氏の考え方にもとづいており、ひと言で言うと、

「お客様が認めないコストは取らない」

というもの。松井氏は、『週刊ダイヤモンド』のインタビューで、以下のようにコメントしている。

 「(虚業と実業という)両者の線引きとは『お客さまが認めるコストで成り立っているか、成り立っていないか』です。お客さまが認めない虚業は、時間がたつと実業に淘汰され、駆逐されます。これは世の摂理です」(『週刊ダイヤモンド 2017年7月15日号』より)

 証券会社である以上、発生するコストや会社としての利益を、手数料という形で利用者に負担してもらう必要がある。ただ、その手数料は利用者が納得いく金額でなければならず、中身のないサービスに対する手数料で儲けているような会社は駄目、ということだ。

 では、この「こだわり」と投資信託の数が少ないことには、どのような関係があるのだろうか?

松井証券の投資信託は、一部を除きすべて販売手数料0円!
つみたてNISA対応の投資信託も多い

 松井証券の「お客様が認めないコストは取らない」という「こだわり」は、投資信託の選び方に反映されている。取り扱っている投資信託の中身をよく見ると、499本中、98.8%にあたる493本が販売手数料がかからないノーロード投信であることに気がつく。もう少し詳しく書くと、6本のブルベア型投資信託を除いて、すべての投資信託が販売手数料無料だ

 他の大手ネット証券4社のノーロード投信の割合が50~60%程度しかないのにくらべると、松井証券のノーロード投信率は非常に高い。

■大手ネット証券の取扱投資信託数の比較
  取扱投資信託の数
全体 ノーロード投信 つみたてNISA対応
松井証券 499本 493本
(98.8%)
131本
(26.3%)
楽天証券 2617本 1291本
(49.3%)
143本
(5.5%)
SBI証券 2606本 1290本
(49.5%)
143本
(5.5%)
マネックス証券 1134本 709本
(62.5%)
129本
(11.4%)
カブドットコム証券 1056本 632本
(59.8%)
128本
(12.1%)
※ 2018年8月2日時点

 同じように、つみたてNISA対応の投資信託の割合も高く、他の大手ネット証券とくらべても遜色ない本数を揃えている。金融庁が認めたつみたてNISA対応の投資信託の数は、2018年8月2日時点で152本なので、その約86%を扱っていることになる。

 「投資信託の販売については、他社と違うサービスとスタンスを持っています」

と言うのは、松井証券・営業推進部長の田中豪(たなか・たけし)さん。松井証券は、「投資信託に力を入れていない」のではなく、むしろ「投資信託に非常に力を入れている」からこそ、無闇やたらと取り扱い数を増やすのではなく、自信を持ってすすめられる投資信託のみに絞り込んでいるのだ。

松井証券は取扱投資信託に関して
「2つのルール」を設定!

 松井証券は、自社の取り扱う投資信託に関して、次のような明確なルールを設けている。

【松井証券の投資信託に関する基本ルール】
 1)販売手数料なし
 2)仕組みが複雑な投資信託は扱わない

 ひとつめのルールは、松井証券の扱っている投資信託のほとんどがノーロード投信であることに、そのままつながっている。

 「販売手数料に関しては、弊社の『お客様が認めないコストは取らない』というスタンスが、そのまま反映されています。ただし、ブルベア型投資信託は、短期間での売買に適した商品で、信託報酬だけでは諸経費をまかなえないため、販売手数料をいただいております」(田中さん)

 ふたつめのルールは、「顧客が十分に理解することが難しい商品は扱わない」ということ。

 例えば、とある人気投資信託の目論見書には「直接ブラジル株式(米ドル建てETF)への投資やオプション取引を行わず、担保付スワップ取引を活用して、各カバードコール戦略の損益に連動する投資成果を目指します」といった内容が書かれている。この内容を読んで、きちんと理解できる個人投資家はほとんどいないだろう。

 「仕組みが複雑な投資信託ともなると、私でも完全に理解できません(笑)。そんな商品をお客さまに販売したくない、と考えています。また、複雑な商品ほど無駄に信託報酬が高くなってしまうので、その点でもおすすめしにくいですね。一例としては、通貨選択型やカバードコールを使った投資信託は、弊社では絶対に扱いません」(田中さん)

 もちろん、「通貨選択型やカバードコールを使った複雑な投資信託は金融商品として駄目」と言っているわけではない。ただ、「個人投資家から中身が見えて、納得した上で買ってもらえる投資信託」とは考えにくいため、松井証券で取り扱うことはない。

松井証券の公式サイトには「投資信託の販売に関わる基本方針」画像松井証券のサイトには「投資信託の販売に関わる基本方針」として、上記の2つのルールが明記されている(出典:松井証券公式サイト)
拡大画像表示

 松井証券が取り扱う投資信託に、つみたてNISA対象の投資信託が多い理由も同じだ。

 つみたてNISAは、そもそも「投資初心者をはじめ幅広い年代の方にとって利用しやすい仕組み」を目指しており、対象投資信託は「販売手数料はゼロ(ノーロード)」「信託報酬は一定水準以下」「ヘッジ目的の場合等を除き、デリバティブ取引による運用を行っていないこと」といった条件がついている。これらは、松井証券の投資信託選びのルールと、基本的には同じ方向を向いている。

 「つみたてNISA対応の投資信託は、長期・積立・分散投資に適した商品になるよう国が一定の基準を設けているので、どれもお客さまにおすすめできると考えています。なので、つみたてNISA対応銘柄の選択肢は、できるだけ増やしたいと考えています」(田中さん)

 松井証券では、投資信託を“厳選”しながらも、ここ1年ほどは投資信託の選択肢を増やすことにも力を入れており、毎月約20〜30本のペースで取扱本数を増やしている。

 「当初は低コストのインデックスファンドばかりでしたが、それだけだとお客さまのニーズを満たせないので、徐々にアクティブ型も扱うようになりました。『中国に投資をしたい』といったようなニーズをもとに、その中でも低コストで複雑ではなく、かつ特徴のある投資信託を選んでいます」(田中さん)

 中には、毎月分配型の投資信託もあるが、当然そこにもこだわりがある。

 「毎月分配型は、お客さまのニーズがありますので。たしかに、これから資産を築いていこうという方には不向きですが、すでに持っている資産を少しずつ現金化する『出口戦略』のための投資信託としてはよい商品だと思っています。ただし毎月分配型の中には、最初にカバードコールで資金をつくって分配金を増やす、なんて投資信託もあるようですが、そういった商品はたとえ人気があっても弊社では販売しません」(田中さん)

 2000本以上も並ぶ投資信託の中身を理解して、自分に合った投資信託をきちんと見つけ出せる人であれば、楽天証券やSBI証券のような投資信託の取扱数が多い証券会社を利用するのもいいだろう。しかし、そこまで金融の世界に詳しくない投資初級者や中級者にとっては、松井証券のように「自信を持っておすすめできる投資信託のみを提供しています」と明言する証券会社は、非常にありがたい存在と言えるだろう。

投資信託の販売再開には欠かせない
無料ロボアドバイザー「投信工房」を開発

 松井証券が投資信託に関しても、もうひとつこだわっているものがある。それは、ロボアドバイザーによる無料アドバイスだ

 実は松井証券は、1998年から20年近く投資信託の取り扱いを止めていた。当時、業界で横並びだった投資信託の販売手数料を大幅に引き下げる「ワンパー投信」という新しいサービスを発表したところ、業界からの大反発を招き、結局「高い販売手数料を取るくらいなら、もう投資信託は売らない!」と、投資信託の販売から手を引いたのだった。

 そんな松井証券も、2016年になってようやく投資信託の販売再開に踏み切ったのだが、その際、浮上してきたのは「営業マンによるアドバイス」の問題だった。

 「投資信託は、株よりも金融商品として複雑でわかりにくく、また、お客さまの質も投資信託と株では違うと感じていました。そのため、株では『無駄なアドバイスは必要ない』と営業マンを廃止しましたが、投資信託では何らかの『アドバイス』が必要だろうと考えたのです」(田中さん)

 つまり、投資信託の選択は難しいので、株のように「うちからはアドバイスはしないから、すべて自己判断で売買してくれ」というスタンスは、お客さまのためにならないと考えたのだ。

 「しかし、営業マンに投資信託のアドバイスをさせると人件費が発生し、その分のコストがお客さまにかかってしまいます。ラップ口座や他社と提携といった案も出ましたが、どちらもそれなりのコストが発生します。議論を重ねた結果、出た答えが無料ロボアドバイザーの『投信工房』です。ネット上で完結して人を介さないロボアドバイザーであれば、人件費がかからず、お客さまに無料でアドバイスを提供できると考えました」(田中さん)

 つまり、「投信工房」も「お客様が認めないコストは取らない」という松井証券の「こだわり」から生み出されたサービスだったのだ。

 「ロボットがプロの営業マンの代わりなんて本当にできるの?」と心配になる人もいるだろう。そんな疑問に対して、松井証券の社長の松井氏は次のように語っている。

 「販売営業員によるアドバイスも、その多くが、ロボットの分析結果を口頭で説明しているに過ぎません。現に投信先進国の米国では、ロボアドバイザーが急速に浸透し始めており、ロボットの解析力が高まるにつれ、その傾向は更に強まるでしょう。ロボットによる情報の方が人間によるアドバイスより遥かに有効だと、消費者が気付き始めたからです」(松井証券公式サイト・『20年前の借りを返してやる!・・えっ何それ? 投信工房』より)

 松井証券は、ロボアドバイザーでも十分なレベルのアドバイスができる、と自信を持っているのだ。

「投信工房」は簡単な診断だけで
目標ポートフォリオと具体的な投資信託を提案

 最近では、どこの証券会社でも無料のロボアドバイザーを提供しているが、その大半は限定された機能しかも持っておらず、投資信託販売の“おまけ”のような位置づけだ。しかし、営業マンの代わりとして生み出された「投信工房」は、無料のロボアドバイザーとしては非常に高い機能を持っている

 「投信工房」を開くと、まず「運用方針チェック」が始まる。「年齢」や「資産運用の目的」、「収入」、「投資経験」など、8つの質問に答えることで、診断結果が出てくる。診断結果には、質問への回答によって判明した自分のリスク許容度や目標ポートフォリオの提案のほか、過去と将来のシミュレーションまで表示されるのでわかりやすい。

「投信工房」の目標ポートフォリオの提案画面「投信工房」が提案する目標ポートフォリオは、10種類の資産クラスとそれぞれのおすすめ投資信託を提案。銘柄名をクリックすると、投資信託の詳細情報を見ることができる。この他に「過去シミュレーション」「将来シミュレーション」「リスク&リターン分析」「積立シミュレーション」も表示(出典:松井証券公式サイト)
拡大画像表示

 つまり、「あなたのリスク許容度の範囲内で、もっとも期待リターンの高い投資信託の組み合わせはこれですよ」と、営業マンの代わりに「投信工房」が提案してくれるわけだ。

 あくまでもアドバイスなので、提案された診断結果をそのまま受け入れなければならないわけではない。目標ポートフォリオやシミュレーション結果を見て、「もう少しリスクを取りたい」「国内資産に集中投資したい」と考える人は、提案された目標ポートフォリオを自分で調整することもできる。

 また、目標ポートフォリオの内容を、自分で細かく調節することも可能だ。提案された目標ポートフォリオをもとに、銘柄の追加や削除、比率の調整まで、好きなようにポートフォリオを組むことができる。

「投信工房・目標ポートフォリオ変更」画面「目標ポートフォリオ変更」の画面では、投資信託の追加や削除、比率の変更など、ポートフォリオを自分好みに細かく調節できる(出典:松井証券公式サイト)
拡大画像表示

 このように、自分でポートフォリオを組むことが難しい初級者から、完全に自分好みのポートフォリオを組みたい中上級者まで、あらゆる個人投資家が利用できる自由度の高さを「投信工房」は備えている

 目標ポートフォリオが決まったら購入設定だが、こちらも簡単。一括で購入する金額、あるいは1回の積立金額を入力すれば、目標ポートフォリオの比率にそって投資信託ごとの購入金額を計算してくれる

 もし「投信工房」を使わずに同じ作業をしようと思うと、1回の投資金額と目標ポートフォリオの比率から投資信託ごとの購入金額を計算し、ひとつひとつの投資信託のページから購入画面に入って、それぞれ違った購入金額を入力し、購入を申し込む……と、けっこう手間がかかる。「投信工房」を使えば、それらの手間を大幅に省くことができる。

「自動リバランス機能」まで備えており
購入後はポートフォリオのメンテナンスまでしてくれる

 「投信工房」で投資信託を購入するまでの流れを簡単に紹介したが、これまで出てきたような機能を持つ無料ロボアドバイザーは他にも存在する。だが、「投信工房」の機能はこれだけではない。なんと、無料のロボアドバイザーでありながら、「自動リバランス機能」まで備わっているのだ。

 最初に目標ポートフォリオ通りに投資信託を購入しても、時間が経過するにしたがって最適な比率からズレてしまう。例えば、購入後、国内株式は+10%上昇したが、先進国株式は+15%の上昇、海外リートは−5%の下落、といったように、投資信託ごとに違った値動きをするからだ。この時間経過によるズレを調整し、目標ポートフォリオと同じ比率に戻す作業が「リバランス」。いわば「ポートフォリオのメンテナンス」だ。

 リバランスを行うには、「どの投資信託をいくら購入し、どの投資信託をいくら売却するか」を計算し、売買手続きをしなければならず、とても面倒な作業が必要になる。しかし「投信工房」は、リバランスの頻度とリバランスの実施日さえ設定しておけば、そうした面倒な作業をすべて自動的にに行ってくれる

「投信工房・自動リバランス条件設定」画面「自動リバランス条件設定」の画面では、リバランスの頻度のリバランス日を設定。右の円グラフでは、目標ポートフォリオと現時点での保有ポートフォリオのズレを、ビジュアル的に確認できる(画像では現時点の保有銘柄は未設定なのでグレーになっている)(出典:松井証券公式サイト)
拡大画像表示

 投資信託を注文したあとに「自動リバランス」さえ設定しておけば、あとは放ったらかしにしてもOK。投資信託の一括注文であろうと積立注文であろうと、自分に合った最適なポートフォリオを維持しながら、資産運用ができるのだ。

無料の「投信工房」と有料のラップ口座では
10年20年後の運用成績に大きな差が!

 こうした「投信工房」の機能は、他の証券会社が有料で提供している「ラップ口座」とほとんど同じものだ。

 ラップ口座とは、証券会社にお金を預けて運用を完全にお任せするサービスのこと。その点では「投信工房」と同じだが、利用手数料の点が大きく違う。証券会社によって異なるが、一般的にラップ口座を利用するには年率0.5〜1.0%の手数料を払わなければならない。しかし「投信工房」なら、ほとんど同じサービスを無料で利用できる

 長期間の資産運用において、0.5~1.0%の手数料というのは大きな差だ。例えば、100万円を「年5%で運用した場合」と「毎年1%の手数料が取られて年4%で運用した場合」の資産推移を試算すると、下の表のようになる。10年後には14.9万円、20年後には46.2万円、30年後には107.9万円もの差がついているのがわかるだろう。

 「お客様が認めないコストは取らない」という松井証券の「こだわり」の結果が、この数字に表れていると言える。

松井証券の“常識はずれの改革”は、
1995年の「営業マンの全面廃止」から始まった!

 ここまで、「取り扱い投資信託を“厳選”するルール」と「『投信工房』による無料アドバイス」という、松井証券の投資信託に関する2つの「こだわり」を解説してきた。

 こうした松井証券の「こだわり」は、最初に書いた通り、すべて松井証券の社長である松井氏の「お客様が認めないコストは取らない」という考え方にもとづいているのだが、それは投資信託に関してだけではない。実はこの考え方により、松井証券はこれまで“常識はずれの改革”をいくつも実施してきたのだ。

 ここからは少しさかのぼって、松井証券が行ってきた“常識はずれの改革”を振り返ってみよう。

 松井氏がまず行ったのは、営業マンの全面廃止だった。当時の証券会社では、営業マンが自分の抱えている顧客から売買の注文を取ってくるのが当たり前で、営業マンの取ってくる注文に対する手数料が、証券会社の売上げの多くを占めていた。

 ところが1995年、当時まだ営業本部長だった松井氏は、「今日をもってセールスマンによる営業を原則的に廃止する」と宣言。数年かけて全国の支店を閉鎖し、すべて電話による売買注文に切り替えてしまった。

 「その当時、証券会社が手数料を対価として顧客に提供していたのは、大きくわけて(1)情報提供、(2)アドバイス、(3)売買執行、の3つ。その中から『アドバイス』を削ってしまったのです。営業マンによるアドバイスが本当に当たるのであれば、お客様はいくらでも高い手数料を払いますが、実際は営業マンのアドバイスなんて当たりません(笑)。つまり、営業マンの廃止は、『アドバイスに対する手数料は”顧客が認めないコスト“なので、今後、松井証券はそこを一切取らない』という意味なのです」(田中さん)

 インターネット取引が普及した今となっては、営業マンを介さない取引は当たり前だが、当時としては常識はずれの考え方だった。そのとき、まだ松井証券に入社して数年の若手社員だった田中さんは、「社内は大騒ぎになった」と当時を思い出しながら語る。

 「言葉として聞くと簡単ですが、大変な苦労があったようです。その時代の証券マンはなかなか強面の人も多かったですから(笑)。実際、多くの営業マンが、自分の顧客を抱えて他の証券会社に移ってしまいました。しかし、それ以上に電話での注文がバンバン入ってくるようになりました。やはりお客様のニーズはそこにあったのだと思います」(田中さん)

 松井氏の改革は、まだまだ続く。1996年には、当時は有料が当たり前だった「保護預かり手数料」、いわゆる「口座管理料」を無料にした。会社の内外から反対の声が上がったが、これも「顧客が納得できるコストではない」と断行した。

 そして1999年に「株式売買委託手数料」が完全自由化されたときは、日本初の「1日定額制プラン」となる「ボックスレート」という新料金体系を発表。現在、多くの証券会社で当たり前に採用されている「1日定額制プラン」は、実は松井証券が発明したものなのだ。これにより松井証券は、株式の売買手数料を従来にくらべ最大で10分の1近くまで値下げした

 業界に先駆けて本格的なネット取引を採用したのも、松井証券だった。松井証券が、業界初の本格的インターネット取引システム「ネットストック」の提供を始めたのは、株の売買手数料が完全自由化される前の1998年のこと。SBI証券(当時はイートレード証券)やマネックス証券など、他の大手ネット証券より松井証券のほうが早かった。その後、松井証券はインターネット専業の証券会社へと完全に切り換えた。

 現在、大手ネット証券と呼ばれているのは、SBI証券、楽天証券、マネックス証券、カブドットコム証券、そして松井証券の5つ。この中で、松井証券以外の4社は、すべて1999年の「金融ビッグバン」以降に創業された新興の証券会社だ。SBI証券は、もともと大沢証券が母体となっているが、実質的にはイー・トレード証券に商号が変更された1999年がネット証券としての創業年と言ってもよいだろう。

 それに対して松井証券は、1918年創業の老舗証券会社。時代の波に乗りそこねてもおかしくないような中小の地場証券が、他社に先駆けてネット取引を採用し、インターネット専業の証券会社として生まれ変わり、今では5大ネット証券として名を連ねているのだ。松井氏の英断と言えるだろう。

松井証券の「こだわり」を貫くために
投資信託の販売から全面撤退!?

 最初のほうで「松井証券では20年近く投資信託の販売をしていなかった」と書いたが、その理由も「無駄なコスト」に対する松井証券の反発だった

 1998年に、松井証券は「ワンパー投信」と銘打って、「投資信託の販売手数料を一律1%に値下げする」と発表した。その頃、投資信託の販売手数料は高いもので3%程度だったので、これを大幅に値下げしようと考えたのだ。

 当時、投資信託の販売手数料はすべて横並びで、同じ投資信託ならどこで購入しても同じ販売手数料を払わなければならなかった。しかし、投資信託の販売手数料は、株の売買手数料と違って法的な規制があるわけではなく、横並びだったのも「業界の暗黙のルール」でしかなかった。

 「そうした競争が一切ない状態は、お客さまにとっても良くない」という考えから、松井証券は投資信託の販売手数料の値下げに踏み切った。

 ところが、横並びだった投資信託の販売手数料を松井証券だけ下げることに対し、業界は大反発。その結果、投資信託の運用会社が「販売手数料を値下げするなら、松井証券では販売を止める」と次々に投資信託を引き上げてしまった。

 「株の売買手数料は、完全自由化により競争が生まれてどんどん引き下げられましたが、投資信託の販売手数料には一切競争がありませんでした。競争がないところで決まったコストを、お客さまに負担させることはできません。その結果、『ワンパー投信』ができないのであれば投資信託の販売を止めよう、ということになりました」(田中さん)

 松井証券が再び投資信託の販売に踏み切ったのは、それから約20年後のこと。投資信託を取り巻く状況が変わってきたことで、「今なら、納得の行く形で投資信託の販売ができるのではないか」と考えたのが理由だという。

 「2010年を過ぎた頃から、金融庁の姿勢が、従来の証券会社を守るための護送船団的な考え方から『顧客本位の業務運営を』とあきらかに変わってきました。また、インデックスファンドをはじめとした信託報酬の低い投資信託や、販売手数料がかからないノーロード投信が増えてきました。投資信託に関しても正当な競争環境が生まれてきたと判断したため、松井証券でも投資信託へ再度参入することを決めました」(田中さん)

 そして、20年ぶりに満を持して投資信託の販売を再開するにあたってこだわったのが、前半で解説した「取り扱い投資信託を“厳選”するルール」と「『投信工房』による無料アドバイス」の2つなのだ。

大切な自分の資産は
信頼できる証券会社で運用しよう!

 以上、「なぜ松井証券は投資信託の数が少ないのか?」という疑問の答えと、その根底になる松井証券の徹底した「こだわり」について解説した。今回は、松井証券の田中さんに話を聞いたが、聞けば聞くほど、松井証券が昔から少しもぶれることなく、一貫して「お客様が認めないコストは取らない」というスタンスを貫いてきたことが伝わってきた。

 証券会社を選ぶ基準は人それぞれだ。しかし「投資信託の取り扱い数が少ない」という表面的な部分だけでなく、その裏側にある証券会社の理念や思想、こだわりにまで目を向けると、これまでとは違った魅力が見えてくるはずだ。

 今回の記事を読んで、松井証券の投資信託の選び方や「投信工房」などに関心を持ったのであれば、ぜひ口座開設を検討してみよう。