「お宝銘柄」発掘術!
2019年9月4日 村瀬 智一

「教育ICT」関連銘柄で、値上がり期待の5銘柄を
紹介! プログラミング教育の必修化やデジタル教材
の導入など、文科省肝いりの“国策テーマ”に要注目!

 今回は「教育ICT」関連銘柄に注目しました。

 「ICT」とは、「Information and Communication Technology」の頭文字を取った言葉で、「教育ICT」は、教育現場で活用される情報通信技術やその取り組みを意味します。具体的な内容としては、パソコン、プロジェクタ、電子黒板などのハードウェアから、無線LAN、eラーニング、デジタル教科書、学習用ソフトウェアまで、多岐にわたります。

政府は、学習用コンピューターのさらなる導入など、
「教育ICT」を積極的に取り入れる方針

 文部科学省は、2020年度から小学校でプログラミング教育を必修化するなど、情報教育に力を入れています。また、その他の教科に関しても授業にデジタル教材を導入するなど、「教育ICT」を積極的に取り入れる試みが進んでいます

 平成18年度に独立行政法人メディア教育開発センターが実施した「教育の情報化の推進に資する研究(ICTを活用した指導の効果の調査)」の結果を読むと、小学校、中学校、高等学校の授業でICTを活用した結果、算数(数学)、社会、理科の各教科で高い効果が得られたことがわかります。また、実際にICTを活用して授業を行った教員の98.0%が、「関心・意欲・態度」の観点において効果を認めています。

 しかし一方で、文部科学省の調査では、全国の公立小中高校などに配備されている学習用コンピューターが2019年3月時点で児童生徒5.4人につき1台にとどまっていることがわかっています。

 また、地域間の格差も大きく、都道府県別に見ると、学習用コンピューターが最も多いのは佐賀県で1台あたり生徒1.8人、最低は愛知県で同7.5人でした。市区町村別では、県庁所在地などの大都市やその周辺で全国平均を下回る傾向が見られたようです。

 こうした状況を踏まえ、文部科学省では、学習用コンピューターを1人1台配備するための取り組みを加速しようとしています。

「教育ICT」に対する政府の取り組みにより、
すでに一部企業では業績がアップ!

 「教育ICT」に対する政府の取り組みは、すでに一部企業の業績にも表れています。

 例えば、内田洋行(8057)は、8月末に発表した2019年7月期業績で、営業利益が前期比29.7%増の38.13億円で着地し、従来計画の30.50億円を大きく上回りました。また、2020年7月期については、同2.3%増の39.00億円を見込んでおり、コンセンサス(35億円程度)を上回る計画です。

 こうした内田洋行の好業績は、公共関連事業分野における「1人1台のタブレットPC導入」などのICT環境整備が拡大基調にあり、強みのある「小中高校向け教育ICT分野」の売上高が大きく伸びた結果です

 同様に、内田洋行以外の「教育ICT」に関連する企業に対しても、業績期待が高まりやすいと考えられます。

主な「教育ICT」関連銘柄の中から、
業績や株価の値動きが好調な5銘柄をピックアップ!

 前出の内田洋行を含め、主な「教育ICT」の関連としては、以下のような銘柄が挙げられます。

内田洋行(8057)
ジャストシステム(4686)
システムディ(3804)
ベネッセホールディングス(9783)
チエル(3933)
学研ホールディングス(9470)
フュートレック(2468)
パシフィックネット(3021)
日本サード・パーティ(2488)
ネオス(3627)
EduLab(4427)
レアジョブ(6096)
スターティアホールディングス(3393)
バーチャレクス・ホールディングス(6193)
すららネット(3998)

 今回は、それら中から、

1)今期増収増益を見込んでいる
2)足元の株価が上昇トレンド
3)足元でリバウンド基調を見せている

という条件を満たした5銘柄に絞りこみました。

【内田洋行(8057)】
教育コンテンツ配信サービス「EduMall(エデュモール)」を運営

 内田洋行(8057)は、オフィス家具や企業向け基幹業務システムのほか、学校向け備品・システムを手掛けています。「教育ICT」関連としては、教育コンテンツ配信サービス「EduMall(エデュモール)」を運営。デジタル教科書などのコンテンツ約1200タイトルの中から、学校の要望に応じて教材を選び、年間契約で利用できるサービスです。

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内田洋行(8057)チャート/日足・6カ月内田洋行(8057)チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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【ベネッセホールディングス(9783)】
教育プラットフォームを提供し、学校のICT化をサポート

 通信教育講座では国内トップ企業であるベネッセホールディングス(9783)は、「ICT」を使って教育現場をサポートするクラウドサービス「Classi(クラッシー)」を提供しています。「Classi」は、 全国2500以上の高校で利用されている、学校ICT化を多角的にサポートする教育プラットフォームです。

 また、「ICTサポータ(支援員)」を全国の学校へ派遣し、授業や教務を支援しています。

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ベネッセホールディングス(9783)チャート/日足・6カ月ベネッセホールディングス(9783)チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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【チエル(3933)】
小学校向け授業支援システム「InterCLASS」の受注が好調

 チエル(3933)は、学校教育ICT市場に特化し、教育用ソフトやシステムの企画・開発などを手掛けています。

 学習部門においては、高校・大学向けのCALLシステム(コンピューターを活用して語学学習を支援するシステム)「CaLaboEX」、およびPC教室授業支援システム「CaLaboLX」、小学校向け授業支援システム「InterCLASS」の受注が伸びています。

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チエル(3933)チャート/日足・6カ月チエル(3933)チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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【パシフィックネット(3021)】
高品質リユースパソコンで、ICT導入のコストを削減

 パシフィックネット(3021)は、IT機器の導入から運用管理、クラウド、セキュリティ、そして適正処分までを 「サブスクリプション」モデルで提供しています。

 企業や官公庁向けだけではなく、学校向けにも、さまざまなサービスを展開。完全データ消去や最大354項目のチェック、入念なクリーニングを実施した高品質リユースパソコンを活用することで、大幅なコスト削減も実現します。

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パシフィックネット(3021)チャート/日足・6カ月パシフィックネット(3021)チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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【レアジョブ(6096)】
オンライン英会話学習サービスを小学校へ導入

 レアジョブ(6096)は、オンライン英会話学習サービスなどを展開する企業です。

 小学校へ導入では、学生向けに育成した講師が、子ども1人ひとりに合わせたペースや難易度で会話を進めることで成功体験を重ね、早期に「英語が伝わる実感」を持つことができる結果が得られています。例えば上峰小学校(佐賀)のケースでは、「英語で外国人と1人で話せる」と答えた生徒が23%から73%に増えたようです。

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レアジョブ(6096)チャート/日足・6カ月レアジョブ(6096)チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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 2020年度からは、小学校でのプログラミング教育必修化のほか、英語教育も必修化となります。しかし、文部科学省が4月に発表した調査によると、全国の教員採用試験の受験者数を採用者数で割った受験倍率は、2017年度試験で3.2倍となり、過去最低を更新しています。プログラミングや英語など新たな教育内容に「負担がさらに増える」と不安を感じる学生が多いようです。

 こういった状況を改善するためにも、「教育ICT」関連の民間企業と教育現場との連携が増えてくることが期待したいところです。

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