クレジットカードの達人!ゴールド&プラチナカード比較
【第3回】 2014年10月31日 岩田昭男 [消費生活評論家]

「プライオリティ・パス」で海外の空港ラウンジが
使い放題になるクレジットカードを比較!
アメックス・ゴールドのサービス内容改善に注目!

“年会費が高いわりにサービスが良くないカード”では意味がない!
同じゴールドカードでもサービスの拡充で格差が生まれている!

 前回のこの連載では、ゴールドカードやプラチナカード、あるいは「ゴールド」「プラチナ」といった名称はついていなくても、同等のサービスを提供してくれる「スターウッド プリファード ゲスト アメリカン・エキスプレス・カード」のような、いわゆる上級カードの特質について、少しだけご説明しました。

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 復習しておくと、近年はゴールドカードやプラチナカードのサービスの質が、徐々に底上げされつつあります。さらに、情報開示も進み、それまで秘密のベールに包まれていた、一部上級カードの詳細も、比較的容易にキャッチできるようになりました。

 元々、ゴールドカードやプラチナカードは、一般カードとはレベルの違う「上質なサービスの提供」を、付加価値として謳っています。したがって、ポイント還元率に重きを置いたクレジットカードとは、最初から一線を画しています。

 とはいえ、これだけクレジットカード業界においてポイント合戦が激化し、共通ポイントの導入などで利便性も増してきている今、ユーザーから確実に選ばれる存在になるためには、ポイント以外の側面から訴えかけるサービスの拡充が必要不可欠です。それも、生半可なサービスでは「物足りない」と判断されかねません。

 また、最近では単に「ゴールド」という名称がつけられて、券面がキラキラしているだけの名ばかりのゴールドカード、プラチナカードも、雨後の筍のように登場しています。それらの「有名無実」なゴールドカード、プラチナカードと差別化を図るためにも、一部のクレジットカード会社は、すでにドラスティックなサービス内容の改善に着手しているのです。

 このタイミングで各社がサービスを見直しつつある背景には、消費税の増税も関係しています。増税に伴い、クレジットカード各社はゴールドカードやプラチナカードの年会費を見直しています。流通系の一般カードは、年会費無料も当たり前ですが、サービスが充実しているゴールドカードやプラチナカードで年会費無料のものはまずありません。

 逆に、あったとしたならば、それはほとんどが前述の「有名無実」なカードだと考えるべきです。ゴールドカードやプラチナカードの付加価値である「上質なサービス」を実現するために、クレジットカード会社は莫大なコストを割いています。ユーザーから年会費を回収しない限り、最初から成り立たないビジネスモデルなのです。

 真っ当なゴールドカードやプラチナカードは、安くても1万円台、高いものでは3万円以上の年会費がかかります。よりランクの上のブラックカードなどはそれ以上です。年会費無料に慣れている方には、1万円台であっても「かなり高い」と感じられることでしょう。

 増税に伴う見直しによって、ゴールドカードやプラチナカードの年会費は、さらに高くなりつつあります。一般カードとの格差は広がっていく一方です。それでいてサービスのレベルが高くない状態では、相対的にゴールドカードやプラチナカードの魅力が薄れてしまうため、サービスを拡充する流れが生じたことは、必然の成り行きともいえます。

ステータスカードの老舗であるアメリカン・エキスプレスが
2014年9月にゴールドカードの大幅なサービス拡充を発表!

 ところで、先日、私は「アメリカン・エキスプレス」の取材に行ってきました。既存の「アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード」のサービス内容が、2014年9月から大幅に変更されたからです。

 アメリカン・エキスプレスの「アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード」といえば、ゴールドカードの代表格として、充実したサービス内容で昔からよく知られる存在です。

 その「アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード」にどのような変更があったかといえば、まず年会費が値上げされました。以前は2万8600円(税込)だったのが、3万1900円(税込)になりました。一気に年会費を3300円も値上げしたというのは、かなり大きな変化といってもいいでしょう。

 それと同時に、新しいコンセプトに沿って、サービスの見直しも行われました。そのサービス内容を見ると、このところのゴールドカード、プラチナカード業界の動向を集約したような、「年会費が高くても、質の高いサービスを追求する」という姿勢が明確に表れています。

 そこで、ここからは「アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード」の改定ポイントを説明していきたいと思います。

 まず、改定にあたって貫かれているコンセプトは、「大切な方とかけがえのない体験をお楽しみいただけるカード」というものです。主な見直しポイントは下記のとおり。矢印の左側が改定前、矢印の右側が改定後のサービス内容です。

①【改定前】「家族カード」1枚あたり年会費1万3200円
⇒【改定後】「家族カード」は1枚までなら年会費無料

 コンセプトにある「大切な方=家族」ということで、「アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード」の所有者がいれば、家族カードを1枚、無料で作れるようになりました。家族カードは「アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード」、または一般の「アメリカン・エキスプレス・カード」のいずれかを選択できます。2枚目以降の家族カードについては、年会費1万3200円(税込)が必要です。

 現状、すでに「アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード」を所有し、家族カードも利用している人にとっては、本人と家族カードのトータルの年会費で見ると、今回の年会費の改定で年会費は大幅な値下げということになります。もちろん、これから夫婦で「アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード」の利用を考えているような人たちにとっても、朗報でしょう。

②【改定前】「プライオリティ・パス」の年会費99米ドル
→【改定後】「プライオリティ・パス」を無料で発行可能に

「プライオリティ・パス」とは、全世界120ヵ国以上の400都市にある700ヵ所以上の空港で、VIPラウンジを無料(もしくは割引)で利用できるカードです。「プライオリティ・パス」については後ほど詳しくお話しするので、ここでは「アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード」の改定ポイントだけ説明します。