国内旅行の代金が最大40%割引になる「全国旅行支援(全国旅行割)」が始まりました。宿泊を伴う旅行はもちろん、日帰り旅行も対象です。正式名称は「全国を対象とした観光需要喚起策」。その名のとおり、コロナ禍で激減した観光需要を高め、地域の観光産業を支援することが狙いです。
これまでは、各都道府県の在住者や近隣県の在住者を対象とする「県民割(都民割・道民割・府民割)」が実施されてきましたが、新たに全国旅行支援に置き換えられた形です。2022年10月11日(東京のみ10月20日)から始まり、期限は今のところ12月21日まで(※チェックアウト日・群馬県は“10月31日まで”としています)。期間が短いため、年末年始の帰省時に利用することはできません。
全国旅行支援を利用するには、対象の旅行予約サイト(じゃらんや楽天トラベルなど)や旅行会社(JTB、HISなど)で予約するか、対象の宿泊施設で直接予約をする必要があります。各都道府県は、こうした旅行予約サイトなどに、あらかじめ予算を割り当てています。全国旅行支援の予算は約5600億円で、これが47都道府県に分配されています。
【※大手旅行サイトの「全国旅行支援」ページはこちら!】
・楽天トラベル
・Yahoo!トラベル
・じゃらん
・一休.com
一部の旅行予約サイトなどでは、人気の旅行先についてはすでに予算の上限に達し、予約できなくなっているケースが見られます。つまり、早い者勝ちの状態だということ。逆に、予算が消化されていない自治体については、12月21日の期限以降も割引が受けられるケースが出てくるかもしれません。
そんな全国旅行支援の詳細は、以下のとおりです。
●対象の旅行予約サイトや旅行会社、宿泊施設で旅行の予約をすると、ツアーや宿泊代金が40%割引。
●割引上限額は、交通付き宿泊旅行だと、1人1泊あたり8000円。その他(宿泊のみ予約など)だと、1人1泊あたり5000円。
●割引対象の下限は、平日が1人1泊あたり5000円、休日が1人1泊あたり2000円。
●旅先で利用できる地域クーポンももらえる。1人1日あたり平日で3000円分、休日で1000円分。
●申し込みするには、ワクチン接種歴が3回あることを証明する書類か、PCR検査や抗原検査の陰性証明を提出する必要がある(家族旅行の場合、同居している12歳未満は証明書が不要)。
以下で、それぞれの内容をもう少し詳しく見ていきましょう。
Go Toトラベルとは異なり、割引上限額は控えめな設定
割引対象の下限があるので“錬金術”は使えない
全国旅行支援は、2年前の「Go Toトラベル」と違い、割引上限額が低めに設定されていることや、割引対象の下限が設定されているところがポイントです。
Go Toトラベルは割引上限額が高かったために、高級な宿泊施設に泊まるほどお得という仕組みになっていました。一方、全国旅行支援の割引上限額は、交通付き宿泊旅行で8000円、宿泊施設のみだと5000円。そのため、1泊あたり2万円の旅行プランを選ぶと、40%オフで上限の8000円割引を受けることができ、もっとも効率的です。宿泊施設のみを予約する場合だと、1泊1万2500円の宿泊料金であれば、ぴったり5000円の割引を受けられます。
また、2年前には飲食店を支援するための「Go Toイート」も実施されましたが、このときに居酒屋チェーンの「鳥貴族」で、1品だけ注文して1000円分のポイントを受け取る行為(いわゆる「トリキの錬金術」)が横行したことは、記憶に新しいでしょう。全国旅行支援では、こうした行為を予防するためなのでしょう、割引対象の下限も設定されています。
地域クーポンについては、10月11日現在、使える場所の詳細をまだ発表していない自治体もあります。とはいえ、おおむね県民割が使えていた飲食店や土産物店などで使える、と考えておけば間違いないでしょう。Go Toトラベルのときは、当初“純金”などの換金性の高いものまでクーポンで購入でき、混乱の元になっていましたが、今回はそうした抜け道はあまりないにように思います。
地域クーポンや割引対象の下限は、平日と休日とで異なっています。クーポンについては、平日が3000円分、休日が1000円分と、平日のほうがたくさんもらえるため、平日の旅行のほうがお得です。
ちなみに、平日・休日の定義を説明しておくと、宿泊日とその翌日が両方とも土日・祝日にあてはまっている場合は「休日」、それ以外は「平日」として扱われます。そのため、金曜日に泊まる場合と日曜日に泊まる場合は、どちらも「平日」扱いであることを覚えておきましょう。
ワクチン接種や陰性の証明書については、PCR検査なら宿泊日の3日前、抗原検査は1日前までに検体採取など、決まり事がいろいろとあります。今回の全国旅行支援は主催するのが国ではなく都道府県なので、規定が旅行先によって少しずつ異なる可能性があります。事前に、旅行する都道府県の情報を確認しておくべきでしょう。
証明書は、本人確認書類とともに宿泊時に提示を求められます。提示できない場合は、割引が適用されないことに。前払いしている場合も、割引されていた分を追加で支払うことを求められる可能性があるため、絶対に忘れないように注意してください。
全国旅行支援のスタート前に予約した旅行も割引対象に!
クレジットカードのポイントで予約した宿泊は対象外
ここからは、私自身の体験談を紹介します。2022年10月11~13日に大阪・徳島を旅行する計画を立て、全国旅行支援がどうなるかまだ固まっていなかった9月頭の段階で、予約を入れました(交通と宿泊施設がセットの旅行プランではなく、交通機関と宿泊施設を別個で予約)。その後、政府によって全国旅行支援の実施が発表され、図らずも全国旅行支援の開始早々に旅に出る形になりました。
予約済の旅行についても、割引の対象になるという話はあるものの、予約サイトを見てもなかなか詳細の情報が出てこず「あまりに開始直後だし難しいかな?」と諦めかけていました。10月11日に宿泊する大阪のホテルは、10月9日にウェブ上でチェックインができるようになったため、念のため確認してみたところ、クレジットカードのポイントを利用しての宿泊だったため、全国旅行支援の対象外ということでした。
続いて10月12日宿泊の徳島県のホテルは、ホテルやレストラン予約サイトの一休.com経由で予約済でしたが、10月9日の夕方にホテルのほうから電話をもらいました。聞けば、直近の予約客すべてに連絡をしているとのこと。そもそも、観光庁から「すでに予約済みの旅行も割引対象になる」と発表されたのは、9月26日。そこから短期間での対応を迫られた観光業界は、さぞ大変だったことと思います。
ホテルからの電話によると、その場で了承すれば一休.comでの予約をキャンセルし、全国旅行支援を適用のうえで、ホテルに直接予約したものとして扱う、とのことだったので、変更をお願いし、旅行支援の適用を受けることができました。当日は本人確認書類と、ワクチンの接種証明書(アプリも可)をくれぐれも忘れないようにと、丁寧な説明を受けました。
政府公認の新型コロナワクチン接種証明書アプリを利用すると、紙の証明書を持ち歩く必要がなくなるため便利です。ただし、アプリで証明書を発行するには、マイナンバーカードが必要になります。
さて、ここまで全国旅行支援について紹介してきました。コロナ禍の行動制限がさらに緩和され、今後ますます旅行への機運は盛り上がってきそうです。訪日観光客への制限も緩和され、歴史的な円安が後押しし、外国人観光客の姿を見かける機会も増えるでしょう。その結果、宿泊施設の価格が上昇することが考えられますが、今回の全国旅行支援などをうまく活用し、お得にレジャーを楽しみたいですね。
【※大手旅行サイトの「全国旅行支援」ページはこちら!】
・楽天トラベル
・Yahoo!トラベル
・じゃらん
・一休.com
(取材/元山夏香)
一級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士。会社員だった26歳のとき、貯蓄80万円でありながら自宅用としてマンションを衝動買い。物件価格以外にも費用がかかることを知り、あわててお金の勉強と貯蓄を開始。年間貯蓄額を一年で6倍まで増やす。その後、自身の体験を活かしてマンション販売会社に転職。年間売上一位の実績を上げる。2013年、ファイナンシャル・プランナーとして独立。著書は『超ど素人がはじめる資産運用』(翔泳社)、『デキる女は「抜け目」ない』(あさ出版)、『ケチケチせずにお金が貯まる法見つけました!』(王様文庫)など多数。日常の記録にお金の情報を織り交ぜる「FUROUCHI vlog」を更新中⇒https://www.youtube.com/c/FUROUCHIvlog/
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【2024年11月1日時点・最新情報】
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還元率 | 年会費 (税込) |
ブランド | 電子マネー対応 (ポイント付与対象) |
カード フェイス |
◆三井住友カード(NL) |
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0.5~7.0% | 永年無料 | VISA Master |
iD | |
【三井住友カード(NL)のおすすめポイント】 券面にカード番号が記載されていない「ナンバーレス(NL)」なのが特徴(カード番号はアプリで確認可能)。通常還元率は0.5%と一般的なクレジットカードと同等だが、Apple PayやGoogle Payに「三井住友カード(NL)」を登録して「Visaのタッチ決済」または「Mastercardタッチ決済」を利用すれば、セブン-イレブン、ローソン、マクドナルド、サイゼリヤ、バーミヤンなど、対象のコンビニや飲食店では還元率7%に大幅アップ(※)する! さらに、獲得できる「Vポイント」は、dポイント、Pontaポイント、楽天ポイント、ANAマイルなどに交換できるほか、「1ポイント=1円」としてカード利用額に充当できるなど、ポイントの汎用性が高いのも魅力! ※ 一部店舗および一定金額を超える支払いでは指定の決済方法を利用できない場合、または指定のポイント還元にならない場合あり。iD、カードの差し込み、磁気取引による決済は7.0%還元の対象外。Google PayではMastercardタッチ決済は利用不可。 |
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◆楽天カード |
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1.0~3.0% | 永年無料 | VISA JCB Master AMEX |
楽天Edy (楽天Edyへの チャージ分は 還元率0.5%) |
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【楽天カードのおすすめポイント】 楽天市場や楽天ブックス、楽天トラベルを利用している人はもちろん、楽天ユーザー以外にもおすすめの「年会費無料&高還元」クレジットカードの代表格。通常還元率は1.0%だが、楽天市場や楽天ブックスでは最低でも還元率が3.0%以上に! また、「楽天ポイントカード」や電子マネーの「楽天Edy」との併用で、楽天グループ以外でも還元率は1.5~2.0%以上になる! ゴールドカードの「楽天プレミアムカード」も格安の年会費で「プライオリティ・パス」がゲットできてコスパ最強! |
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◆イオンカードセレクト |
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0.5~1.0% |
永年無料 | VISA JCB Master |
WAON モバイルSuica SMART ICOCA (モバイルSuicaと SMART ICOCAへの チャージ分は還元率0.25%) |
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【イオンカードセレクトのおすすめポイント】 一般的な「イオンカード」ではポイントがつかない「WAON」チャージでポイントが貯まり、「ポイント2重取り」ができるのが最大のメリット。また、「イオンカードセレクト」の保有+月1回のカード(または搭載のWAON)決済+ネットバンキングに登録という3つの条件を満たすだけで「イオン銀行Myステージ」の「シルバーステージ」に到達し、「イオン銀行」の普通預金金利がアップするので、「イオンカードセレクト」以外の「イオンカード」保有者はすぐ切り替えよう! しかも「イオンカードセレクト」で年間50万円以上を利用すれば、年会費無料のゴールドカード「イオンゴールドカードセレクト」が手に入り、無条件で「イオン銀行Myステージ」が「ゴールドステージ」に! なお、2024年10月1日~12月8日に入会すると、カード発行後1カ月間は対象のイオンモール専門店での買い物が5%OFF(請求時)になるキャンペーンを開催中! |
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還元率 | 年会費 (税込) |
ブランド | 電子マネー対応 (ポイント付与対象) |
カード フェイス |
◆三井住友カード ゴールド(NL) |
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0.5~7.0% |
5500円 (ただし、年100万円以上の 利用で次年度から永年無料) |
VISA Master |
iD | |
【三井住友カード ゴールド(NL)のおすすめポイント】 券面にカード番号が記載されていない“ナンバーレス(NL)”のゴールドカード。年会費5500円(税込)だが、年間100万円を利用すると(※1)、次年度から年会費が“永年無料”になるうえに、1万ポイントが「継続特典」としてもらえるのが大きな魅力! さらに、通常還元率は0.5%と一般的なクレジットカードと同等だが、Apple PayやGoogle Payに「三井住友カード ゴールド(NL)」を登録して「Visaのタッチ決済」または「Mastercardタッチ決済」を利用すれば、セブン-イレブン、ローソン、マクドナルド、サイゼリヤ、バーミヤンなど、対象のコンビニや飲食店では還元率7%に大幅アップ(※2)するなど、ポイントも貯まりやすくてお得! ※1 対象取引などの詳細は、三井住友カードの公式サイトでご確認ください。※2 一部店舗および一定金額を超える支払いでは指定の決済方法を利用できない場合、または指定のポイント還元にならない場合あり。iD、カードの差し込み、磁気取引による決済は7.0%還元の対象外。Google PayではMastercardタッチ決済は利用不可。 |
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◆JCB CARD W(ダブル) |
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1.0~10.5% (※) |
永年無料 | JCB | QUICPay | |
【JCB CARD W(ダブル)のおすすめポイント】 39歳以下の人だけが申し込める、年会費無料のうえに通常還元率1%のお得な高還元クレジットカード!(40歳以降も継続して保有可能)さらに「ORIGINAL SERIESパートナー加盟店」の「ポイントアップ登録(無料)」をすれば、Amazonやセブン-イレブンなどでは還元率2%、スターバックスでは「スターバックスカード」へのチャージで還元率5.5%、「Starbucks eGift」の購入で還元率10.5%に! ※貯まったOki Dokiポイントを「JCB PREMO」に交換した場合の還元率。 |
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【関連記事】 ◆「JCB CARD W」は「楽天カード」などとほぼ同じ、年会費無料+還元率1~10.5%のJCBの入門カード!Amazonやスタバをよく利用する20~30代は注目! ◆「JCB CARD W」は、年会費無料で還元率1%以上のお得な高還元クレジットカード!「JCB CARD W」のメリット・デメリットを他のカードと比較して検証! ◆JCB CARD W(ダブル)のメリットを解説!「年会費無料」「常に還元率1.0%以上」「ポイントの使い勝手が良い」と三拍子そろった高還元クレジットカード! |
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◆アメリカン・エキスプレス・ゴールド・プリファード・カード |
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0.3~1.5% (※1) |
3万9600円 | AMEX | - | |
【アメリカン・エキスプレス・ゴールド・プリファード・カードのおすすめポイント】 日本で最初に発行されたゴールドカード「アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード」の後継カードだけに、ステータス&付帯サービスは最高レベルで、カードが金属製という特別感もあって、一般的なゴールドカードとはケタ違い。たとえば、年間200万円(税込)以上を利用してカードを継続保有すると、国内40カ所以上の高級ホテルに無料宿泊できる「フリー・ステイ・ギフト」は、もはや一般的なプラチナカードすら凌駕するレベルの特典だ。さらに、高級レストランを2人以上で利用すると1人分が無料になる「ゴールドダイニング by 招待日和」や、世界1400カ所以上の空港ラウンジを年2回まで無料で利用できる「プライオリティ・パス」、最高補償額1億円の「海外旅行傷害保険」が付帯するなど、もはや「ゴールドカード」の枠組みを大きく飛び越えている。また、家族カードは2人目まで年会費無料でお得(3人目以降は年1万9800円・税込)。 ※貯まるポイントをマイルに交換した場合。1マイル=1.5円換算。 |
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