米債務上限問題は今回もクリアできそう。イエレン米財務長官やFRBがポジショントークを行う理由は?
最後は、政治と中央銀行の話に。
何年かに1度、相場の懸念材料となる米国の債務上限問題。イエレン米財務長官がこの問題をたびたび危惧していることについて、ポールさんは米国の政局の状況から、今回もクリアできるだろうと見ている。
なぜクリアできそうなのか。それには、昨年11月の米中間選挙で、共和党が222議席、民主党が213議席を獲得したものの、議席数的に共和党にパワーがないことが関係しているとのこと。共和党のせいで、債務上限問題がクリアできないとなれば、次の選挙で負けてしまうリスクが高まるため、ある程度合理的な方向に行くのではないかということだった。
また、イエレン米財務長官が債務上限問題を危ないと警告しているのは、ポジショントークであり、ポジショントークをしているのは、FRBも同じだと指摘。
FRBがまだまだ金利を引き上げると言ったり、インフレに気を緩めないメッセージを出すのは、中央銀行と現在の政治の関係が影響しているという。
ポールさんは、積極的な利上げでインフレを抑え込んだボルカー元FRB議長の時代を振り返り、当時の大統領は支持率が高かったレーガン元大統領で、共和党は強かったと解説。そのため、政治的にも、中央銀行に独立の余裕を与えることができたのだが、現在の政治はそこまで余裕がなく、金利を引き上げすぎると、政治的な圧力がかなり強くなるとのこと。
そのことをマーケットは理解しており、利上げリスクが下がりそうと楽観視するため、それをさせないために、FRBはポジショントークを行うのだと話してくれた。
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ここまで、1月17日(火)放送の“WORLD MARKETZ”に電話出演した、ポールさんのマーケット解説を中心に紹介した。現地(シアトル)時間、早朝5時台の出演に、スタジオの渡部さんも気を使われていたが、ポールさんは毎回元気に、現地からの貴重な情報を届けてくれている。
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(ザイ投資戦略メルマガ)
●ポール・サイ ストラテジスト。外資系資産運用会社・フィデリティ投信にて株式アナリストとして活躍。上海オフィスの立ち上げ、中国株調査部長、日本株調査部長として株式調査を12年以上携わった後、2017年に独立。40代でFIREし、現在は、不動産投資と米国株式を中心に運用。UCLA機械工学部卒、カーネギーメロン大学MBA修了。台湾系アメリカ人、中国語、英語、日本語堪能。米国株などでの資産運用を助言するメルマガを配信中。
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