父が残した家訓に従ったことで、ペット通販サイト、チューイーの創業者は成功者となった
最近、アメリカのペット通販サイト、チューイー(Chewy)の創業者、ライアン・コーエンのお父さんに関するニュースを見ました。
彼のお父さんは2019年に亡くなりました。
ライアンは自分の成功はお父さんのアドバイスのおかげと考えており、自分の子どもたちの世代にその知恵を残すため、子ども向けに本のシリーズを書きました。この本はTeddy.comで販売されています。わかりやすい本なので、子どもでも大人でも、参考になると思います。
この話を聞いて、家訓のことを考えました。
子どもたちに自分のお金を残すのもいいですが、お金をうまく管理できない子どもや孫にお金を渡すと、無駄使いしたり、悪い趣味に使ったりして、結局、子どもや孫のためにならないことがあります。
子孫にお金を残すなら、知恵(家訓)とセットでないといけないと思います。もし、お金がないのだとしても、知恵を残すのは貴重なことだと思います。
チューイーの創業者、ライアン・コーエンの父が残した家訓とは?
そこで、今回は家訓をいくつか紹介したいと思います。
まず、ライアン・コーエンのお父さんが家訓として残した知恵は…
(1)欲を満たすのを遅らせることは重要です。英語で言うと「Delayed Gratification」(満足遅延耐性)です。わかりやすい日本語で言えば、お金を使うのを我慢するということです。貯金することです。
しかし、彼のアドバイスと一般的なアドバイスの違いは、貯金は株式投資とセットでしなければいけないと言っていることです。そして、子どもたちに「株式とは会社を分割して所有しているもの」と説明しています。
(2)会社のオーナーであることは会社の誰よりもがんばるということです。一番早く行って、一番遅く帰ることです。お客さんを喜ばせることです。
(3)子どもたちに社会・経済の働きを教えることは重要です。働く喜びを伝えるべきです。
(4)言葉は単に言葉です。言葉が自分を傷つけるかどうかは自分次第なのです。
(5)異文化をリスペクト(尊敬)すべきです。中国にはたくさん工場があって、高層ビルもたくさんあります。貿易することによって、アメリカ人も、中国人も豊かになっています。中国人はなんでも食べます。アメリカ人と違います。世界の人々の生き方はいろいろで、いい悪いはなく、すべてリスペクトするべきです。
未上場で家族経営のドイツ大企業、フロイデンベルグに伝わる家訓とは?
以前、三菱鉛筆について調べた時、未上場のドイツ大企業、フロイデンベルグにたどり着きました。同社は1849年の創業から、ずっと家族経営の会社で(現在、相続人約350人が株を所有)、社員数は5万人ほどです。
[参考記事]
●バリュートラップに気をつけろ! 日本の上場企業はなぜずっと割安なままなのか? 三菱鉛筆(7976)を例に考える
彼らの家訓は…
(1)株は親族だけが所有し、離婚した血縁関係のない者は株を放棄しなければいけません。
(2)取締役会は親族を多数派とします。
(3)経営陣は必ずしも親族でなくてもよいです。
(4)投資は市場や銘柄を広く分散すべきです。
(5)長期投資の考え方は必須です。
(6)大きな買収は絶対やりません。買収するなら少しずつ。大きな買収を行うと、会社の精神を損なうことも考えられるからです。
(7)市場の中で一番か二番になれるところだけで商売します。
(8)自己資本比率は40%を保つべきです。
フロイデンベルグはこれらの家訓を守り、小さな革屋さんから大きなファミリー企業に成長できました。
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