テスラは下がったところからだいぶ戻り、一番おいしいところは過ぎたかもしれない
また、2カ月前の放送で、ポールさんはテスラ株を買い推奨していたのだが、スタジオMCの渡部さんはそのとき買えないまま、テスラ株が上がってきてしまい、どうすればよいのか悩んでいる様子。
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ポールさんは苦笑いしながら、2カ月前は、イーロン・マスクのツイッターなどで、世論がテスラを悲観視して結構下がったため注目した銘柄だったが、今はだいぶ戻っており、一番おいしいところは過ぎたかもしれないと話してくれた。
そんなテスラは、中長期ではまだよさそうだけれど、EV分野でほかの自動車会社も力を入れるようになったことで、競争が激化しているうえ、バリュエーションも高いと指摘。ポールさんは現時点で、積極的にテスラを買いたいと思っているわけではないようだ。
中国株のなかでも、大型のテクノロジー株をおすすめするワケは?
最後は、ポールさんが詳しい中国株の話題に。ポールさんがオススメしたのは、中国株の中でもアリババやテンセントといった大型のテクノロジー株だった。
なぜ大型のテクノロジー株をおすすめするのかというと、中国株投資には2つの懸念材料があるからだという。
その1つは、コーポレートガバナンス(企業統治)があまりよくないこと。そのリスクを避けるために、中小型株より大型株を選んだほうがいいようだ。また、大型株が安くなっていることも、わざわざ中小型株を選ぶ必要がない理由として挙げていた。
そして、中国の銀行や国営企業も、そこまで投資家を意識する運営をしないので、避けた方がいいとのこと。その点、中国のテクノロジー会社は強い技術を持っていて、投資家を重視する資本主義の会社であることから、たまたま中国にいるだけのいい会社という認識で買っていいという。
以上のことが、ポールさんのなかで、中国の大型テクノロジー株をおすすめできる根拠となっているようだ。
それでは、MSCI中国などの中国株ETFはどうなのかというと、必然的に国営企業の割合が大きくなるため、絶対ダメといことではないが、欠陥があると認識しなければならないとのこと。国営企業があまり入っていない、アメリカ上場のETFもあるそうだが、そういった特殊なETFは手数料が高めであり、どちらがいいのか考えないといけないと教えてくれた。
米中関係の悪さも懸念だが、戦争にはならなさそう
中国株投資の2つの懸念材料のうち、もう1つは米中関係の悪さだとポールさん。
米中が戦争を起こしたら、中国株にとって最悪な事態となるわけだが、ポールさんは戦争にはならないと考えているようだ。
まず、米国側から見てみると、共和党が議会を半分コントロールするようになったことで、米国政府の反中の姿勢が強まるけれど、ウクライナ問題もあって、米国に戦争をする余裕はないとの見方だった。
一方の中国は、コロナから回復し始めたところで、そこまで景気が強くないため、こちらも戦争をする余裕がないとのこと。
また、孫氏の兵法でいうと、戦争にはサプライズが重要だそう。米政府で反中の機運が高まるなかで、戦争をしかけても効果的ではなく、タイミングを逃していることを中国自身もよくわかっているとの認識だった。
次回、3月14日(火)の放送も、ポールさんはカリブ海のヨットの中…ではなく、シアトルの自宅から出演する予定だ。
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(ザイ投資戦略メルマガ)
●ポール・サイ ストラテジスト。外資系資産運用会社・フィデリティ投信にて株式アナリストとして活躍。上海オフィスの立ち上げ、中国株調査部長、日本株調査部長として株式調査を12年以上携わった後、2017年に独立。40代でFIREし、現在は、不動産投資と米国株式を中心に運用。UCLA機械工学部卒、カーネギーメロン大学MBA修了。台湾系アメリカ人、中国語、英語、日本語堪能。米国株などでの資産運用を助言するメルマガを配信中。
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