成長する米国&世界に投資する最強のFIRE計画(プロジェクト)

米国株に投資する意義はどこにある?なぜ、イノベーションは米国で起こりやすいのか?その根本的な2つの理由とは?

2023年6月1日公開(2023年6月1日更新)
ポール・サイ
facebook-share
twitter-icon
このエントリーをはてなブックマークに追加
RSS最新記事

 私はさまざまな地域の株式へ投資する経験をしてきました。

 大学時代に初めて株を買った頃はインターネットバブルだったので、テック株を中心に投資していました。その時は外国株にまったく目を向けていませんでした。

[参考記事]
私の歩んできた道(1) ネットバブルに乗り、バブル崩壊前に株を売り切った!バブルを若いうちに実感できた方がいい理由とは?

 社会人になってからは日本株や中国株を中心に運用経験を積み、米国株は個人の口座で運用していました。そして、独立してからは米国株を中心に運用しています。

[参考記事]
私の歩んできた道(3) アメリカの名門投信会社フィデリティで経験したシクリカル銘柄の見極め方。銀行株はもう追いかけない方がいい。その理由とは?
私の歩んできた道(4) 中国株には素人とプロの間に情報格差がかなりある。中国株はガバナンスに注意! 怪しい会社も多い!

 今回はいくつかの国への投資を経験してきたことで、私が考えたことのポイントをまとめてみたいと思います。

最先端の企業へ投資するなら、米国株は不可欠な存在

 まず、米国株はポートフォリオに不可欠な存在です。なぜかというと、最先端の会社は米国株にしかないケースが多いからです。

 先日、エヌビディア(ティッカー:NVDA)がすばらしい決算を発表しました。AIのお陰で、GPUの需要はかなり強く、供給が追いつかないほどです。これから1兆ドルのサーバ更新が必要ですが、これは成長前の数字です。AIで成長すると考えると、需要はさらに増えるということです。

エヌビディア日足好決算を発表したエヌビディアの株価は跳ね上がった。 エヌビディア(ティッカー:NVDA)チャート/日足・6ヵ月(出典:SBI証券公式サイト) ※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます

 エヌビディアはほぼ競合がなく、独占に近い状態です。エヌビディアみたいな会社は米国株ぐらいにしかありません。

 最先端の企業へ投資したい場合、技術・成長に投資するならば、米国株は不可欠な存在です。

日本株、中国株だと、直接、最先端のAIに関わっている会社は稀

 数年前、あるいは半年前にAIが重要だと考えても、日本株、中国株の中で、投資対象になる銘柄はほとんどありません。今でも少ないです。これらの国では直接、最先端のAIに関わっている会社、開発している会社は稀です。

 中国のインターネット企業(アリババなど)は強いですが、科学の面でリードしているというよりも、ビジネスモデルなどが強いのです。

 日本は素材(特殊化学品)は強いですが、完全に新しい分野で最先端の会社は少ないです。ソフトバンクグループ(9984)は日本の会社で、先端技術・テクノロジーに関わっていますが、同社は投資会社なので、ソフトバンクグループ株を買うということは、ソフトバンクグループを経由して外国株に投資しているようなものと考えられます。

 AI関連企業の中でも、一番恩恵を受け、一番動きが早いのはアメリカのテック企業です。マイクロソフト、グーグル、アマゾンなど、AIへの投資が増えているため、エヌビディアの業績は絶好調です。アメリカ企業は大企業であっても動きが早いです。

 一方、中国の会社は、エヌビディアの最先端のチップが手に入らないため、AI関連の進展が遅れるでしょう。

なぜ、イノベーションは米国で起こりやすいのか?

 なぜ、イノベーションは米国で起こりやすいのでしょうか?

 過酷な資本主義、移民国家、多様性、社会が流動的など、よく言われている理由がいくつかありますが、私は2つの根本的な理由を挙げたいと思います。

(1)米ドルが準備通貨ということで投資資金が潤沢、投資がしやすい

 米国の通貨は米ドルですが、米ドルは世界の準備通貨でもあります。米国がいろいろな戦争に関わるのはこの米ドルのシステムを維持するためとも言えます。米ドルが準備通貨であることで、米国の金利は通常よりも低くなっています。

 米国政府の負債がどんどん増えていることからもわかるように、米国政府はもっとお金を使えます。インターネットはもともと軍・政府の案件でした。米ドルを使って、他の政府を制裁することも簡単です。世界が米ドルを必要としているので、FRB(米連邦準備制度理事会)がたくさん米ドルを刷っても、需要はあります。

 この優遇された米ドル圏にある米国企業は、相対的に低金利で低インフレのことが多く、手厚い政府の援助がある状況下で運営できますので、イノべーションが起こりやすいのです。

 ちなみに、イーロン・マスクが創業したスペースX、その最初のビジネスはNASAから依頼されたプロジェクトでした。政府機関のNASAがなければ、今のイーロン・マスクもなかったかもしれません。

(2)米ドルが世界の準備通貨ならば、英語は世界の“準備言語”

 かつてイギリスは覇権国家であり、その主要な植民地がアメリカでした。イギリスでもアメリカでも使われている英語は、世界の多くの国で公用語や準公用語となりました。今現在、英ポンドは準備通貨のステイタスは持っていないですが、イギリスは金融センターにはなれました。植民地の遺産です。

 そして本題の英語についてですが、英語は世界的な公用語になっていますので、世界の知識の鍵は英語になります。紙の本の時代、情報のスピードはそれほど早くなかったので、英語が公用語であることは利点だったものの、圧倒的な利点というほどではなかったかもしれません。

 しかし、インターネットが出てきて、英語の強さは相当拡大しました。統計によると、インターネットのコンテンツの55%は英語です。次に多いのはスペイン語ですが、これは5%しかありません。そして、インターネットのユーザー数の26%ほどが英語圏の人です。

 インターネットは人類の知識の貯金箱なので、英語ができると、簡単にその知識にアクセスすることができ、新しいものを生み出しやすいです。まして、アメリカ本土は比較的安全で、法制が安定している国なので、イノベーションが生まれやすくなっています。

 結論としては、世界の中央銀行が米ドルを準備通貨として持っているような状況が続くのであれば、日本にいても、個人が米ドルを持つことはいいと思います。そして、世界の最先端にいて、一番成長する会社にアクセスするのならば、米国株は不可欠です。

 

●ポール・サイ  ストラテジスト。外資系資産運用会社・フィデリティ投信にて株式アナリストとして活躍。上海オフィスの立ち上げ、中国株調査部長、日本株調査部長として株式調査を12年以上携わった後、2017年に独立。40代でFIREし、現在は、不動産投資と米国株式を中心に運用。UCLA機械工学部卒、カーネギーメロン大学MBA修了。台湾系アメリカ人、中国語、英語、日本語堪能。米国株などでの資産運用を助言するメルマガを配信中。

※メルマガ「ポール・サイの米国株&世界の株に投資しよう!」募集中! 米国株&世界の株分析毎週届き、珠玉のポートフォリオの提示も! 登録から10日以内の解約無料。


auじぶん銀行の公式サイトはこちら!
最短翌日!口座開設が早い証券会社は? おすすめ!ネット証券を徹底比較!おすすめネット証券のポイント付き
ZAiオンライン アクセスランキング
1カ月
1週間
24時間
楽天カードは年会費永年無料で、どこで使っても1%還元で超人気! 【マイルの貯まりやすさで選ぶ!高還元でマイルが貯まるおすすめクレジットカード! 新しいFXの自動売買!「世界通貨セレクト」の3つの魅力とは?ザイ編集部が動画で解説!
マネックス証券の公式サイトはこちら 楽天カードは年会費永年無料で、どこで使っても1%還元で超人気! 【マイルの貯まりやすさで選ぶ!高還元でマイルが貯まるおすすめクレジットカード! 新しいFXの自動売買!「世界通貨セレクト」の3つの魅力とは?ザイ編集部が動画で解説!
ダイヤモンド・ザイ最新号のご案内
ダイヤモンド・ザイ最新号好評発売中!

最強日本株
第1四半期絶好調株
ふるさと納税

10月号8月21日発売
定価950円(税込)
◆購入はコチラ!

楽天で「ダイヤモンド・ザイ」最新号をご購入の場合はコチラ!Amazonで購入される方はこちら!

[2025年夏の最強日本株]
◎巻頭特集
人気20銘柄の最新判断も!
初速がスゴイ!第1四半期絶好調株
●2025年後半の主役はコレ!快進撃の人気株
●配当&値上がりの両狙い!即買い高配当株
●業績好転で上昇に弾み!急騰狙いの逆襲株

◎第1特集
高利回りも大化けも!
買いの105銘柄を一挙紹介
2025年夏の最強日本株
●買い時は9~10月!日経平均は4万8000円
●強気派VS弱気派の戦い方
●安心して持てる人気株!大型優良株

1位:ソニーグループ 2位:NEC
●配当利回り4%以上がズラリ!高配当株
1位:伊藤ハム米久HD 2位:INPEX
●優待+αが狙える!株主優待株
1位:サイバーエージェント 2位:ラウンドワン
●お手ごろ価格で買え分散も!10万円未満株
1位:ソフトバンク 2位:野村不動産HD
●まだ上がっていない割安株!出遅れ株
1位:SRE HD 2位:ウエストHD
●大化け期待の中小型株!新興市場株
1位:Aiロボティクス 2位:タイミー
●リスクをとって資産増を狙え!1年で2倍株
1位:インティメート・マージャー

◎第2特集
サボったら家族がこんなに困る!
投資家のための終活大全

●「口座情報の共有」が第一歩!財産の一覧表を作ろう
●信用取引やFXは特に注意!株の相続の基本を知ろう

●子どものいない夫婦は要注意!30代でも遺言書は必要!?

◎第3特集
☆☆☆の数を見るだけでOK!
NISAで売れてる投資信託をズバ斬り!
投信格付240

●見直し!NISAで買う投資信託の選び方
●NISAで最安投信!インデックス型
●大きな利益を狙う!アクティブ型
●リスクを抑えられる!バランス型

【別冊付録】
ポイント還元終了の駆け込み直前!
ふるさと納税45品

●ポイント還元が終わる前におトクなサイトで寄附を!
●10月以降はどのサイトで寄附する?
●肉/魚介類/果物野菜/お菓子/日用品

◎連載も充実
​●NEWS:「ホームラン級の爆騰も⁉ 大谷翔平スポンサー株本命3選」 
●次の1カ月何が起きる?プロが今の株式相場のポイントを解説!
「米国の値下げ狙いで再び4万円台が定着か」
●ZAi編集部の新人・ザイゼンがチャレンジ!目指せ!お金名人
「車は買う? 借りる?」
●10倍株を探せ!IPO株研究所2025年7月編
「初値4倍超の銘柄も! ただし過熱感に注意」
●17億円トレーダー・ジュンのFX成り上がり戦略
「セル・ザ・ファクトには要注意!」
●連載・おカネの本音 レンタルなんもしない人さん
「令和の新しい生存戦略。“なんもしない”で家族と生活していく!」
●マンガ恋する株式相場「100g175万円! 恋のゴールドラッシュ」
●マンガ「デメリットの回避策も! 事実婚のお金事情」


>>「最新号蔵出し記事」はこちら!


「ダイヤモンド・ザイ」の定期購読をされる方はコチラ!


>>【お詫びと訂正】ダイヤモンド・ザイはコチラ

「キャッシュレス決済」おすすめ比較 太田忠の日本株「中・小型株」アナリスト&ファンドマネジャーとして活躍。「勝つ」ための日本株ポートフォリオの作り方を提案する株式メルマガ&サロン

ダイヤモンド不動産研究所のお役立ち情報

ザイFX!のお役立ち情報

ダイヤモンドZAiオンラインαのお役立ち情報