IPO株の銘柄分析&予想

「ロココ」のIPO情報総まとめ!スケジュールから幹事証券、注目度、銘柄分析、他のITアウトソーシング・BPOサービス企業との比較や予想まで解説![2023年12月25日 情報更新]

2023年11月15日公開(2023年12月25日更新)
ザイ・オンライン編集部
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会社名 ロココ
市場・コード/業種 スタンダード・5868/サービス業
上場日 12月20日
申込期間(BB期間) 12月4日~12月8日
おすすめ証券会社 岩井コスモ証券SBI証券楽天証券松井証券岡三オンライン(旧:岡三オンライン証券)
フィスコ分析による
市場の注目度
★★★最高★5つ
初値(初値騰落率) 1100円(-2.48%)
最新チャート 【クリックで最新チャートへ】

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ロココが12月20日にIPO(新規上場)!

「ロココ」の公式サイトより

 ロココは、2023年11月15日、東京証券取引所に上場承認され、2023年12月20日にIPO(新規上場)することが決定した。

 ロココは1994年6月7日に設立された。当社グループの事業は、アウトソーシングサービスを行うITO&BPO事業(ITアウトソーシング&ビジネスプロセスアウトソーシング事業の略)、システム開発・保守・導入支援を行うクラウドソリューション事業、海外法人としてオフショア拠点にて開発・保守業務を行う海外事業の3つに区分される。

【目次】(クリックで該当する情報へ移動します)
▼いつ申し込んで、いつ購入する?(ブックビルディング期間、上場日など)
▼どこの証券会社で申し込める?(幹事証券会社)
▼いくらで買える?(仮条件・公募価格・予想PER・初値・初値騰落率など)
▼発行株数・単元数・公開規模は?

▼どんな会社?
▼業績データ/業績コメント
▼企業の詳細情報/銘柄紹介
▼投資のポイント

 

ロココのIPOは、いつ申し込んで、いつ購入する?
(ブックビルディング期間、上場日など)

■スケジュール
仮条件提示 11/30
ブックビルディング(抽選申込)期間 12/4~12/8
公開価格決定 12/11
購入申込期間 12/12~12/15
払込日 12/19
上場日 12/20

ロココのIPOは、どこの証券会社で申し込める?
(主幹事証券会社・幹事証券会社・委託販売証券会社など)

■取り扱い証券会社(2023年12月5日時点。割当は変更になる場合があります)
証券会社名
(※青文字はクリックで詳細ページへ)
引受シェア 口座開設
岩井コスモ証券
[最短翌日に取引可能]
1.4
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SBI証券
[最短翌日に取引可能]
0.6
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楽天証券
[最短翌日に取引可能]
0.6%
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松井証券
[最短翌日に取引可能]
0.6%
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岡三オンライン(旧:岡三オンライン証券)
[最短2日後に取引可能]
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野村證券(主幹事証券) 92.0  
みずほ証券 3.3  
岡三証券 1.4  

ロココのIPOは、いくらで買える? 割安/割高?
(仮条件・公募価格・予想PER・初値・初値騰落率など)

■価格情報
想定発行価格(※1) 710
仮条件
[予想PER(※2)
900~940円
10.1倍~10.6倍]
公募価格 1128円
初値 1100円
初値騰落率 -2.48%
予想トレーディングレンジ(※3) 450~1500
最新チャート 【クリックで最新チャートへ】
※1 有価証券届出書提出時。※2 予想EPS=今期(IPO時)予想純利益÷上場時発行済株式数、から計算したもの。※3 期間は上場後1年を想定。
■類似会社3社の予想PER(2023年11月29日終値の株価と会社側予想から計算)
会社名 ※クリックで最新チャートへ 予想PER
【3社平均】 12.0倍
ベル24HD<6183> 13.8倍(連)
バーチャレク<6193> 6.5倍(連)
ビーウィズ<9216> 15.7倍(連)

 予想EPSから割り出した仮条件の予想PERと、類似会社3社の平均PERと比較すると、本銘柄の公開価格は類似会社より若干割安と判断できる。

ロココの発行株数・単元数・公開規模は?

■株数などに関する情報
発行済株式数(上場時) 350万株(予定)
公開株式数 公募90万株  売出45万株
(オーバーアロットメントによる売出20万2500株)
想定公開規模(※1) 11.0億円(OA含む)
※1 有価証券届出書提出時における想定発行価格で計算。

ロココは前期売上の約1割がSMILE-UP.子会社向け

 ITアウトソーシング・BPOサービス及びシステム開発・保守・導入支援等を行う。2022年12月期は売上高の約7割を大企業(資本金1億円以上もしくは上場会社の子会社)が占めており、(株)SMILE-UP.(旧ジャニーズ事務所)傘下の(株)ヤング・コミュニケーションに対する売上高が7.2億円(全体の10.4%)となっている。

 IT人材不足を背景にアウトソーシングサービスは今後も需要拡大が見込まれるものの、前期のイベント数拡大の反動で今期が減益予想となっている点がマイナス印象か。また、(株)SMILE-UP.の新体制が同社の業績へ与える影響が気がかり。

 公開規模は10億円台前半となる見込み。既存株主にベンチャーキャピタルは見当たらず、発行済株式のほとんどに上場日後90日間のロックアップがかかっている。

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ロココの業績データ

■業績推移(単位:百万円・% )
決算期 売上高
(伸び率)
経常利益
(伸び率)
純利益
(伸び率)
2019/12 5,703
(62.2%)
223
(328.4%)
3
(-93.0%)
2020/12 5,687
(-0.3%)
158
(-29.2%)
42
(1289.5%)
2021/12 6,229
(9.5%)
323
(104.7%)
240
(467.8%)
2022/12 6,826
(9.6%)
651
(101.5%)
411
(71.6%)
2023/12予
(―)

(―)

(―)
■連結業績推移(単位:百万円・% )
決算期 売上高
(伸び率)
経常利益
(伸び率)
純利益
(伸び率)
2021/12 6,304
(―)
408
(―)
322
(―)
2022/12 6,929
(9.9%)
698
(71.1%)
453
(40.4%)
2023/12予 7,203
(4.0%)
467
(-33.2%)
311
(-31.4%)
2023/9 3Q 5,325
(―)
376
(―)
250
(―)
予想EPS(※)
/配当
単独:-円 連結:88.86円/-円
予想EPSは「今期(IPO時)予想純利益÷上場時発行済株式数」で計算したもの

ロココの業績コメント

 2023年12月期の業績は、売上高が前期比4.0%増の72.0億円、経常利益が同33.2%減の4.6億円と増収減益の見通しとなっている。

 第3四半期連結累計期間(2023年1月~9月)について、ITO&BPO事業では、ITサービスマネジメント事業が堅調に推移した一方、カスタマーコミュニケーション事業ではコールセンター業務の新規契約を獲得したものの、前期のコロナ特需や、2022年11月に契約終了となった大口案件の影響により、売上・利益とも前年同期を大きく下回る結果となっている。

 イベントサービス事業においては、前年はコロナ禍明けの行動制限緩和により、通常よりコンサート等の規模・回数ともに大幅に拡大したが、今年は通常の規模・回数に戻った。利益率の高いイベントサービス事業の売上減少により、売上高に比べて営業利益の減少率が大きくなっている。

 クラウドソリューション事業では、企業におけるDX推進の流れにより、ServiceNow事業において新規契約を獲得し好調に推移している。ソリューション事業では非接触需要の増加に伴う施設向けのソリューション導入案件の新規契約を獲得したほか、イベント関連での顔認証ソリューション売上が好調だった。

 システムソリューション事業では受託開発案件や、Microsoft社との協業による開発案件の受注が前年同期を上回った。なお、通期計画に対する第3四半期末時点における進捗率は、売上高53.2億円で73.9%、経常利益3.7億円で80.6%となっている。

ロココの詳細情報

■基本情報
所在地 大阪府大阪市中央区西心斎橋二丁目1-5 日本生命御堂筋八幡町ビル3階
代表者名(生年月日) 代表取締役社長 長谷川 一彦(昭和26年12月23日生)
設立 平成6年6月7日
資本金 6650万円(令和5年11月15日現在)
従業員数 新規上場会社554人 連結会社637人(令和5年10月31日現在)
事業内容 ITアウトソーシング・BPOサービス及びシステム開発・保守・導入支援等
■売上高構成比率(2022/12期 実績)
品目 金額 比率
ITO&BPO事業 4,733 百万円 68.3%
クラウドソリューション事業 2,093 百万円 30.2%
その他 102 百万円 1.5%
合計 6,929 百万円 100.0%
■大株主上位10位
順位 株主名 保有株数 保有シェア
1 (株)イッシン 130万株 50.00%
2 長谷川 一彦 64万株 24.62%
3 長谷川 裕美 10万株 3.85%
4 吉原 美智代 7万6000株 2.92%
5 加藤 芳男 5万株 1.92%
6 長谷川 昭次 3万株 1.15%
7 西本 憲二 2万6000株 1.00%
7 河村 博文 2万6000株 1.00%
7 ロココ社員持株会 2万6000株 1.00%
10 長谷川 正人 2万株 0.77%
10 諏訪 匡代 2万株 0.77%
10 西村 泉 2万株 0.77%
合計   233万4000株 89.77%
■その他情報
手取金の使途 運転資金として(1)人材雇用・研修教育費及び(2)海外進出のための現地市場調査費、借入金返済資金として(3)銀行からの借入金返済に充当する予定
関係会社 寧波楽科科信息技術有限公司 (連結子会社) その他
Rococo Global Technologies Corporation (連結子会社) その他
Rococo Global Solutions Corporation (連結子会社) その他
VC売却可能分(推定) 株(売出し・保有期間などの制限があるもの以外)
直近有償第三者割当 年月日 -年-月-日
割当先
発行価格
◆「ロココ」IPOに申し込めるおすすめ証券会社
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ロココの銘柄紹介

 同社グループの事業は下記のとおり。

[ITO&BPO事業]

・ITサービスマネジメント事業

 関東圏、関西圏を中心に製造業、卸売業、小売業、金融機関等、様々な業種において、PC-LCM(PCの調達から廃棄までのライフサイクルの管理)、ヘルプデスク等、幅広いサービスを提供している。アウトソースする人材の正社員比率は80%を超える高い水準を維持しており、最近2事業年度の年間顧客解約率は5%未満。

・カスタマーコミュニケーション事業

 コールセンターサービス及びBPOサービス業務を行っている。大阪・東京合わせて200超の席数を有するテクニカルセンターが設置され、顧客ニーズに応じた柔軟なサービスを提供している。差別化を図る上での同社の特徴としては、24時間365日対応が可能であること、必要な時間、必要な日数だけ対応するシェアード・サービスが可能であること、小売り、飲食、介護、コスメ、通信等様々な業種での実績・ノウハウがあり、多様なテクニカルサポートが可能であることが挙げられる。

・イベントサービス事業

 コンサート、舞台などイベントに関するチケッティングサービスをトータルに提供している。なお、チケット販売サイトの構築及び保守や現地券売機とのデータ連携処理、顔認証入場ソリューションのカスタマイズなどはソリューション事業において行っており、当該事業と連携してサービス提供を行っている。

[クラウドソリューション事業]

・ServiceNow事業

 ServiceNowはワークフロー構築やサポートデスクの運用管理等、社内業務に関するシステムを一元化して運用・管理できる米ServiceNow社製のクラウドサービス。同社は、このServiceNowを用いて、クライアント企業のワークフロー構築やタスク管理による業務プロセスの自動化や統合データベースによる情報管理の一元化等を提供するためのシステムの開発、運用サポート、保守を行っている。

 ServiceNowの「Sales」、「Service」、「ServiceProvider」、「Technology」4領域すべてでパートナー認定をもっているのは、同社含め日本では8社程度(2023年6月末時点)。また、ServiceNowに対応ができるエンジニアの一人当たり売上高は、ITサービスマネジメント事業比で1.9倍、システムソリューション事業比で1.5倍と高単価(2021年1月~2023年7月の31ヶ月平均)。

・HRソリューション事業

 自社製品の勤怠管理システム「RocoTime(ロコタイム)」の開発・販売を行う。

・システムソリューション事業

 顧客のニーズに沿ったシステムの設計、製造及びテスト等を行う受託開発業務、同社の開発エンジニアを常駐させお客様と共にシステム開発を行うエンジニア常駐を行っている。

・ソリューション事業

 顔認証の技術を利用したソリューションを提供している。(手ぶら・顔認証でスムーズな入退場を可能とする「AUTH thru(オースルー)」、など)

[その他]

・海外事業

 同社は中国・寧波及びフィリピン・セブをオフショア開発の拠点として、システム開発を一部委託することにより、コスト面、スピード面での優位性を高めている。

ロココの投資のポイント

 IT人材不足を背景にアウトソーシングサービスは今後も需要拡大が見込まれるものの、前期のイベント数拡大の反動で今期が減益予想となっている点がマイナス印象か。また、2022年12月期は(株)SMILE-UP.(旧ジャニーズ事務所)傘下の(株)ヤング・コミュニケーションに対する売上高が7.2億円(全体の10.4%)を占めており、今後の業績への影響が懸念される。目論見書によると、SMILE-UP.の所属タレントとエージェント契約を結ぶ新会社は経営体制が変更となるため、ヤングコミュニケーションへのイベント運営業務委託自体が行われなくなる可能性もあるとしている。

 1994年大阪府に設立。同社グループは、3つのアウトソーシングサービスを提供するITO&BPO事業(2022年12月期売上高の68.3%)、4つのクラウドサービスを提供するクラウドソリューション事業(同30.2%)、海外法人としてオフショア拠点にて開発・保守業務を行う海外事業を展開している。

 ITO&BPO事業及びクラウドソリューション事業の両事業共通して新卒・中途の採用を積極的に行っている。教育・研修を通した経営理念・経営姿勢の浸透、ITスキルの習得は重要な経営課題であると認識し注力しており、2022年12月期の離職率は業界平均よりも低い水準となっている。また、顧客企業の課題解決やニーズ抽出を重要視していることから、契約形態は一次請けにこだわっており、それによって顧客1社1社と良好かつ密な関係構築が可能になるとともに、売上高の約7割を大企業(資本金1億円以上もしくは上場会社の子会社)が占めている(2022年12月期実績)。従業員は連結で637名。

 業績面について、2023年12月期の業績は、売上高が前期比4.0%増の72.0億円、経常利益が同33.2%減の4.6億円と増収減益の見通しとなっている。ITO&BPO事業についてはカスタマーコミュニケーション事業とイベントサービス事業の減収見込みの影響で、事業全体では前期比4.5%減の45.1億円を見込んでいる。クラウドソリューション事業は特にシステムソリューション事業が好調で全体では同21.3%増の25.3億円となる見込み。

 なお、前述のSMILE-UP.関連への対応としては、新規取引先の獲得を図るほか、コロナ禍の経験を活かし、イベントサービス事業以外の事業を強化することで影響を最小限に留める考え。

 想定仮条件水準の今期予想PERは7~8倍程度で、類似企業と比較して低位な方となっている。

 公開規模は10億円台前半となる見込み。既存株主にベンチャーキャピタルは見当たらず、発行済株式のほとんどに上場日後90日間のロックアップがかかっている。年末ラッシュ中の上場となるため、日程によっては同時上場銘柄があり、スケジュール面は注意したい。

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[データ提供・銘柄分析]フィスコ 

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2023 2022 2021
19社
52社
24社
47社
26社
80社
10%:1人1票の平等抽選
最大5%:「ステージ別抽選」
※1
345万
【ポイント】
大手証券の中でもIPOに力を入れており、例年、主幹事数・取り扱い銘柄数ともに全証券会社中でトップクラス! また、国内五大証券会社のひとつだけあり「日本郵政グループ3社」や「JR九州」「ソフトバンク」などの超大型IPOでは、主幹事証券の1社として名を連ねることも多い。10%分の同率抽選では、1人1単元しか申し込めないので資金量に関係なく誰でも同じ当選確率となっているのがメリット。さらに、2019年2月からは、預かり資産などによって当選確率が変わる「ステージ別抽選」がスタート。平等抽選に外れた人を対象にした追加抽選で、最高ランクの「プラチナ」だと1人25票が割り当てられて当選確率が大幅にアップする。
※1 預かり資産残高などによって決まる「ステージ」ごとに、別途抽選票数が割り当てられる。
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◆SBI証券
主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) ネット配分・抽選方法 口座数
2023 2022 2021
21社
91社
13社
89社
21社
122社
60%:1単元1票の平等抽選
30%:「IPOチャレンジポイント」順に配分
10%:知識・経験・資力と取引状況を踏まえて配分
1245万
【ポイント】
ネット証券にもかかわらず、主幹事数、取扱銘柄数ともに大手証券会社に引けをとらない実績を誇る。特に取扱銘柄数がダントツで、2023年は全96社中91社と約95%のIPO銘柄を取り扱った。つまり、SBI証券の口座さえ持っていれば、ほとんどのIPO銘柄に申し込めると考えていいだろう。個人投資家への配分の100%がネット投資家へ配分されるのも魅力。1単元1票の抽選なので、多くの単元を申し込むほど当選確率は高くなる当選確率がアップする「IPOチャレンジポイント」が、資金量・取引量と関係なく、IPOに申し込み続ければ誰にでも貯められるのもメリットだ。また、スマートフォン専用サイトでIPOの申し込みや情報確認ができるのも便利。
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