【1】今日の株式相場早わかり!
史上最高値更新後の利益確定売りが優勢、今晩は米雇用統計
日経平均株価は6日ぶり小幅反落! 4日の米国市場は独立記念日で休場。一方、欧州市場では主要株価指数がそろって上昇した。欧州株高を受け、前日に史上最高値を更新した日経平均株価は続伸して始まると、序盤に4万1100.13円まで上昇し、3月22日に付けた取引時間中としての最高値(4万1087.75円)を上回る場面があった。一方、6月17日の安値(3万7950.20円)から3000円超も上昇していただけに短期的な過熱感が強く、その後は利益確定売りが優勢となった。ただ、終盤にかけては下げ渋り、前日終値と同水準で取引を終えた。
業績および配当予想を上方修正したキユーピーのほか、証券会社による目標株価の引き上げがあった三越伊勢丹ホールディングスが大幅に上昇。韓国サムスン電子の決算が評価につながったとの指摘があったKOKUSAI ELECTRICは急伸。取引終了後に安川電機が発表した2025年2月期第1四半期(3~5月)決算は、営業利益が前年同期比32.4%減の111億1800万円で、市場予想を大きく下回った。なお、今晩は米国で6月の雇用統計が発表される。
【日経平均】40912.37円→(-1.28円)
【グロース250】657.45↑(+3.53)
【NYダウ】休場
【ナスダック】休場
■日経平均株価チャート/日足・6カ月
【2】今日の注目株!
7月高配当株ランキング、アルチザやアルトナーなど
今日は7月末に権利が確定する高配当株を配当利回りランキング形式で確認しておこう。足元では海外投資家が好む大型株の勢いが強いが、今月下旬から始まる主力企業の4~6月期決算が近づくにつれ徐々に騰勢は一服しよう。次第に今月末の高配当株に個人投資家の目線が向かう可能性もあり、注目しておきたい。
配当利回りが4%を超えるシーアールイーとアイモバイルの業績や株主還元方針などの詳細は6月25日号で確認してほしいが、両社ともに直近、配当予想を大幅に増額修正している。アイモバイルは先月、ふるさと納税制度のルール見直しに関する報道を受けて株価が急落する場面があったが、その後早々に持ち直し年初来高値を更新。これまでの実績に裏付けられた集客力の高さや配当性向の大幅な引き上げなどに対する評価が勝っているようだ。高配当株&人気優待株として常連の積水ハウスも直近、配当予想を増額修正している。
7月期決算ではアイモバイルのほか、アルチザネットワークスやLeTechなどが期末一括配当だ。アルチザは既に普及済みの通信規格「5G」と次世代の「6G」までの間の投資需要の端境期から業績が落ち込んでいるが、足元の配当利回りは過去5年平均を大きく上回るほか、PBR(株価純資産倍率)は1倍割れと割安感が強い。キャッシュと自己資本が厚いため、中長期的には業績の底入れに伴い増配が期待できそうだ。
アルトナーは各製造業メーカーによる旺盛な開発投資意欲を背景に前期まで10期連続で増収&増益&増配を達成。設計開発の上流工程に注力しているため、認証不正問題による自動車生産の停止などの影響も受けにくい。キャッシュと自己資本が厚く、今後も好業績と増配が期待できる。なお、権利確定日が7月末の配当の権利付き最終売買日は29日である。
■アルチザネットワークス株価チャート/日足・6カ月
【3】金曜連載「ザイアナリスト小林大純『IPO株ココだけの話』」
「スキマバイト」のタイミー、26日にも上場
今日は7月のIPO(新規株式公開)を確認しておこう。
7月は7社の新規上場が予定されている。今週2日にはバイオベンチャーのPRISM BioLabが上場。初値は公開価格を1割弱ほど上回るものだったが、その後は初日、2日目と続けてストップ高を付ける活況ぶりだった。6月のIPOでもChordia Therapeuticsがにぎわう場面があったが、再生細胞薬を開発するサンバイオの株価が6月半ばから大きく動いており、バイオ関連のIPO株に物色の矛先が向いたようだ。個人投資家のリスク許容度が高まったとも言えるが、やや思惑が先行している感があるので注意しておきたい。
7月のIPOで最も注目されるのは、やはり「スキマバイト」仲介のタイミーだ。最短で7月26日に東証グロースへ上場する予定で、当初想定ベースの上場時時価総額は最大1360億円。公募・売出規模も最大530億円(オーバーアロットメントによる売出しを含む)に上り、3月上場のトライアルホールディングス(447億円)を上回って今年最大のIPOとなりそうだ。有力ベンチャーとして高い知名度を誇る上、上場承認を受けて関連報道が相次いでいる。また、スポットワーク市場の急拡大から成長イメージも持ちやすいだろう。公募・売出規模の大きさに見合った需要を集めることに期待したい。ひとまず9日に決まる仮条件などで機関投資家らの評価や需要を探ろう。
その他、「アミューズメント型」という特徴的なフィットネスクラブを運営するフィットイージー、屋内での点検・計測用の小型ドローンを開発するLiberaware、iPS細胞を用いた心不全治療を研究・開発するHeartseedなども話題性があり、メディアに度々登場しているようだ。
小林大純
ダイヤモンド・ザイ アナリスト
早稲田大学法学部卒、早稲田大学大学院ファイナンス研究科(現経営管理研究科)修了(MBA)。金融情報サービス会社などを経て現職。日本株アナリストとして各種メディアで活動中。
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