・日経平均は小幅続伸、一時3万9000円台を回復するも失速
・今日は9月の人気株主優待を点検、ダイヤモンド・ザイの「最強の優待株」も登場
・今週の予定はISM・雇用統計など
【1】今日の株式相場早わかり!
小幅続伸、米株高で一時3万9000円台回復も失速
日経平均株価は小幅続伸! 8月30日の米国市場では主要株価指数がそろって上昇し、NYダウは連日で最高値を更新した。7月の個人消費支出(PCE)は前月比+0.5%と伸びが加速する一方、食品・エネルギーを除くPCEコア価格指数は+0.2%と予想並みで、景気は底堅いとの見方や9月からの利下げ開始への期待を後押しした。ただ大幅利下げ観測は後退し、米金利上昇に伴って円相場が一時1ドル=146円台半ばまで下落。週明けの日経平均株価は米株高や円安を好感し、取引時間中としてはおよそ1カ月ぶりに3万9000円台を回復してスタートした。しかし、戻り待ちの売りや円安一服で伸び悩み、後場になるとマイナスへ転じる場面もあった。
売買代金上位ではアドバンテストなどが堅調だった一方、レーザーテックやディスコなどが軟調だった。今晩の米国市場はレーバーデーの祝日で休場となるが、今週も8月の雇用統計など重要な経済指標の発表が控えている。この後のコラムコーナーで予定を確認しておこう。
【日経平均】38700.87円→(+53.12円)
【グロース250】667.65↓(-1.36)
【NYダウ】41563.08ドル↑(+228.03ドル、8月30日)
【ナスダック】17713.624↑↑(+197.193、8月30日)
■日経平均株価チャート/日足・6カ月
【2】今日の注目株!
9月優待は食品や外食、レジャーと多彩! 有望株は…
今日は9月に実施される人気の株主優待を確認しよう。中間期末となる9月に優待実施する企業は多く、内容も食品や外食、レジャーなど多彩だ。ただ、保有株数・期間などの条件を設けている企業があり、3月と9月で内容が異なるケースも散見されるので、各社の制度をしっかりチェックしておこう。今回は実施企業が多いため、人気ランキング常連であり、さらに市場関係者からの投資評価が比較的高い銘柄を表にまとめた。
森永製菓は6カ月以上の継続保有が条件だが、100株以上かつ3年未満の保有で1500円相当の製品詰め合わせが受け取れる(または寄附)。同社の「チョコボール」「おっとっと」「ハイチュウ」などはお菓子の定番だ。直近の決算は売上好調で、内需株への投資シフトも想定して注目しておきたい。8月発売のダイヤモンド・ザイ10月号では「最強の優待株」の1つに選定している(58ページ)。
回転ずし「スシロー」のFOOD & LIFE COMPANIESも「最強の優待株」の一角。優待券の電子化を機に贈呈枚数(割引額)を変更し、100株以上かつ3年未満の保有で2枚(1100円分)→3枚(1650円分)となった。牛丼「すき家」や回転ずし「はま寿司」などを展開するゼンショーホールディングスも外食では使い勝手がよさそう。また、ANAホールディングスなどの航空大手は人気どころだが、日本航空の9月優待は200株以上の保有が必要。オリエンタルランドも通常の優待は取得ハードルがやや高いが、3年以上の長期保有株主向けなら100株から対象となる。家電好きならヤマダホールディングスに注目だ。
なお、権利確定日が9月末の株主優待の権利付き最終売買日は26日となる。優待が欲しい投資家は、この日の取引終了までに必要な株数を確認の上で購入しよう。
(ザイ優待アナリスト 小林大純)
■森永製菓株価チャート/日足・6カ月
【3】月曜連載「ザイアナリスト仲村幸浩『今週の焦点』」
ソフトランディング期待維持か、雇用統計に注目
先週の日経平均株価は+283.48円(+0.74%)。米半導体大手エヌビディアの決算は実績・見通しともに予想を上回ったが、高値圏にある同社株価は下落で反応。一方、半導体関連株の下げは常識的な範囲にとどまったほか、それ以外の銘柄には買いが入り、株価指数は堅調に推移した。なお、NYダウは週末にかけて2日連続で最高値を更新した。
今週は米国で8月のサプライマネジメント協会(ISM)景況感指数や雇用統計など重要指標が相次いで発表される。直近の経済指標は、インフレの着実な鈍化と底堅い景気を示唆しており、投資家は経済のソフトランディング(軟着陸)期待を強めている。指標結果の予想からの乖離が余程大きくなければ、弱めの結果は利下げ期待を高める一方、強めの結果は景気の堅調さを裏付ける結果として都合よく解釈される可能性がある。週末の雇用統計まで商いは引き続き低調となりそうだが、株式市場は底堅く推移することが予想される。
国内では7月の毎月勤労統計調査などが発表される。前回の6月分は実質賃金が27カ月ぶりにプラス転換した。夏季賞与などの一時的な要因による嵩上げが考えられ、今回は再びマイナスに戻るとの予想もある。ただ、名目賃金の上昇傾向は続いているとみられ、2カ月連続で実質賃金がプラスとなった場合には、小売やサービス、食品などの内需系の銘柄を中心に株価上昇に弾みがつきそうだ。また、自民党総裁選の告示が12日(木)に控えており、候補者の優勢・劣勢に関する報道内容次第では、日本の“変化”への期待から株価の意外高が起きる可能性も想定しておきたい。
米国では生成AI(人工知能)関連として名高いブロードコムの決算が発表される。エヌビディアに続き内容が良ければ、半導体関連株の見直し機運が高まる可能性がありそうだ。
仲村幸浩
ダイヤモンド・ザイ アナリスト
立教大学経済学部卒業。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)。証券会社や金融情報サービス会社を経て2023年10月より現職。マーケットアナリストとして各種メディアで活動中。
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