IPO株の銘柄分析&予想

「Hmcomm(エイチエムコム)」のIPO情報総まとめ! スケジュールから幹事証券、注目度、銘柄分析、他の音声認識プロダクト提供企業との比較や予想まで解説![2024年11月1日 情報更新]

2024年9月20日公開(2024年11月1日更新)
ザイ・オンライン編集部
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会社名 Hmcomm(エイチエムコム)
市場・コード/業種 グロース・265A/情報・通信業
上場日 10月28日
申込期間(BB期間) 10月10日~10月17日
おすすめ証券会社 SMBC日興証券DMM.com証券
フィスコ分析による
市場の注目度
★★★最高★5つ
初値(初値騰落率) 1128円(+32.71%)
最新チャート 【クリックで最新チャートへ】

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Hmcommが10月28日にIPO(新規上場)!

「Hmcomm」の公式サイトより

 Hmcommは、2024年9月20日、東京証券取引所に上場承認され、2024年10月28日にIPO(新規上場)することが決定した。

 Hmcommは2012年7月24日に設立された。「AI×音」サイエンス事業を行っており、当該事業内でAIプロダクト事業(2023年度売上高比率:69.5%)とAIソリューション事業(2023年度売上高比率:30.5%)を展開している。AIプロダクト事業は、コンタクトセンター向けAI音声認識プロダクト「Voice Contact」や、AI音声自動応答プロダクト「Terry」、AI議事録自動作成プロダクト「ZMEETING」、異音検知プロダクト「FAST-D」等の自社開発製品・サービスの提供をしている。AIソリューション事業は、AIプロダクト事業で培った技術や知見を基に、AI活用や、顧客のDX推進等の課題解決をトータルに支援するAI開発・コンサルティングを実施している。

【目次】(クリックで該当する情報へ移動します)
▼いつ申し込んで、いつ購入する?(ブックビルディング期間、上場日など)
▼どこの証券会社で申し込める?(幹事証券会社)
▼いくらで買える?(仮条件・公募価格・予想PER・初値・初値騰落率など)
▼発行株数・単元数・公開規模は?

▼どんな会社?
▼業績データ/業績コメント
▼企業の詳細情報/銘柄紹介
▼投資のポイント

 

HmcommのIPOは、いつ申し込んで、いつ購入する?
(ブックビルディング期間、上場日など)

■スケジュール
仮条件提示 10月9
ブックビルディング(抽選申込)期間 10月10日~10月17日
公開価格決定 10月18日
購入申込期間 10月21日~10月24日
払込日 10月25日
上場日 10月28日

HmcommのIPOは、どこの証券会社で申し込める?
(主幹事証券会社・幹事証券会社・委託販売証券会社など)

■取り扱い証券会社(2024年10月10日時点。割当は変更になる場合があります)
証券会社名
(※青文字はクリックで詳細ページへ)
引受シェア 口座開設
SMBC日興証券(主幹事証券)
[最短即日で取引可能]
100.0
公式サイトはこちら!
DMM.com証券
※委託販売の配分がなかったため取扱中止
 

HmcommのIPOは、いくらで買える? 割安/割高?
(仮条件・公募価格・予想PER・初値・初値騰落率など)

■価格情報
想定発行価格(※1) 850
仮条件
[予想PER(※2)
800~850円
31.0倍~33.0倍]
公募価格 850円
初値 1128円
初値騰落率 +32.71%
予想トレーディングレンジ(※3) 400~1800
最新チャート 【クリックで最新チャートへ】
※1 有価証券届出書提出時。※2 予想EPS=今期(IPO時)予想純利益÷上場時発行済株式数、から計算したもの。※3 期間は上場後1年を想定。
■類似会社3社の予想PER(2024年10月7日終値の株価と会社側予想から計算)
会社名 ※クリックで最新チャートへ 予想PER
【3社平均】 73.5倍
PKSHA<3993> 52.0倍(連)
AI inside<4488> 62.9倍
ラボロAI<5586> 105.6倍

 予想EPSから割り出した仮条件の予想PERと、類似会社3社の平均PERと比較すると、本銘柄の公開価格は類似会社より割安と判断できる。

Hmcommの発行株数・単元数・公開規模は?

■株数などに関する情報
発行済株式数(上場時) 395万6800株(予定)
公開株式数 公募19万8800株  売出71万2000株
(オーバーアロットメントによる売出13万6600株)
想定公開規模(※1) 8.9億円(OA含む)
※1 有価証券届出書提出時における想定発行価格で計算。

Hmcommは「音」に着目したAIの研究・開発

 音声認識処理、異音検知・自然言語解析処理を用いたプロダクトの提供等を行う。同社は、産総研技術移転ベンチャーの獲得を契機に、「音」に着目したAIの研究・開発を行い、その成果を社会実装することを目指してきた。AIプロダクト事業における同社プロダクトは、AI音声認識プロダクト「Voice Contact」、AI音声自動応答プロダクト「Terry」など。

 時流に乗ったAI関連で公開規模に軽量感があることから、一定の初値上昇は見込めるか。ただ、公開価格の1.5倍以上でロックアップ解除されるベンチャーキャピタル保有株式もあり、注意は必要か。全株式を放出する既存株主も居る事から出口案件とのイメージももたれやすく、投資家への印象は気がかり。同じくAI関連である10月11日上場オルツ<260A>の初値状況も参考にしたい。

 公開規模は8~9億円台と軽量感のある大きさ。

⇒オルツ<260A>のIPO情報はこちら!

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Hmcommの業績データ

■業績推移(単位:百万円・% )
決算期 売上高
(伸び率)
経常損益
(伸び率)
純損益
(伸び率)
2020/12 482
(-12.1%)
▲ 209
(―)
▲ 212
(―)
2021/12 560
(16.1%)
74
72
2022/12 727
(29.7%)
145
96.4%
170
136.0%
2023/12 801
(10.2%)
87
-40.3%
69
-59.1%
2024/12予 1,040
(29.8%)
95
9.1%
102
46.3%
2024/6 2Q 446
(―)
20
(―)
38
(―)
予想EPS(※)
/配当
単独:25.78円/0.00円
※予想EPSは「今期(IPO時)予想純利益÷上場時発行済株式数」で計算したもの。

Hmcommの業績コメント

 2024年12月期の業績は、売上高が前期比29.8%増の10.4億円、経常利益が同9.1%増の0.9億円と増収増益の見通しとなっている。

 前期はAIプロダクトとAIソリューションともに売上が順調に推移したことにより前々期比で10.2%増収となった。一方、主にAWSに対するサーバ費用の増加、開発人員の外注費の増加により売上原価が前々期比で10.0%増となったほか、人員採用に伴う人件費の増加、監査報酬の増加により販売費及び一般管理費が前々期比で14.7%増となった。また、前々期に発生していた研究補助金が前期は発生しなかったことなどから営業外収益が前々期比で91.3%減となった影響で、経常利益は前々期比40.3%減と大幅に減少。本社ビルの一部フロア退去決定に伴う中途解約に係る違約金の発生により特別損失も計上されたことから最終利益は前々期比で59.1%減と落ち込んだ。

 今期において、AIプロダクト事業では比較的規模の大きいコールセンター向けにVoice ContactやTerryの導入が進んでおり、Voice Contactに生成AIを組み合わせて業務自動化や業務改善につながる機能開発も実施した。一方で、前期に大口取引先との契約が終了したため、売上高は5.0億円(前期比8.9%減)となる見込み。通期計画に対する第2四半期末時点における進捗率は59.8%となっている。

 AIソリューション事業では生成AIを用いたDXに関する引き合いが増加しており、売上高は5.3億円(前期比2.2倍)を見込む。通期計画に対する第2四半期末時点における進捗率は26.9%となっている。

Hmcommの詳細情報

■基本情報
所在地 東京都港区芝大門二丁目11番1号
代表者名(生年月日) 代表取締役CEO 三本 幸司(昭和40年10月19日生)
設立 平成24年7月24日
資本金 9000万円(令和6年9月20日現在)
従業員数 37人(令和6年8月31日現在)
事業内容 音声認識処理、異音検知・自然言語解析処理を用いたプロダクトの提供等
■売上高構成比率(2023/12期 実績)
品目 金額 比率
AIプロダクト 557 百万円 69.5%
AIソリューション 244 百万円 30.5%
合計 801 百万円 100.0%
■大株主上位10位
順位 株主名 保有株数 保有シェア
1 三本 幸司 124万株 33.00%
2 伊藤 かおる 60万株 15.97%
3 三菱UFJキャピタル5号投資事業有限責任組合 40万6000株 10.80%
4 DBJキャピタル投資事業有限責任組合 22万6000株 6.01%
5 ソニーネットワークコミュニケーションズ(株) 20万4000株 5.43
6 三本 智美 16万株 4.26%
7 ウィルグループHRTech投資事業有限責任組合 12万8000株 3.41%
8 (株)FRACORA 10万6000株 2.82%
9 (株)JR西日本イノベーションズ 10万2000株 2.71%
10 橋本 弥央 10万株 2.66%
10 山田 匡和 10万株 2.66%
10 芙蓉総合リース(株) 10万株 2.66%
合計   347万2000株 92.39%
■その他情報
手取金の使途 (1)人材関連費用、(2)同社プロダクトの研究開発費、(3)広告宣伝費及び販売促進費に充当する予定
関係会社
VC売却可能分(推定) -社 -株(売出し・保有期間などの制限があるもの以外)
直近有償第三者割当 年月日 2021年7月30日
割当先 (株)FRACORA(旧(株)協和)
発行価格 2000円 ※株式分割を考慮済み
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Hmcommの銘柄紹介

 同社は、産総研技術移転ベンチャーの獲得を契機に、「音」に着目したAIの研究・開発を行い、その成果を社会実装することを目指してきた。また、同社は社名の由来ともなっているHuman Machine Communicationの実現により、新しい社会を自ら創造することを目指している。

 同社の特徴は、「音」に着目したAIに関する研究開発から製品提供まで、自社内で完結することを目的に、研究開発人材を採用し、またこの独自の研究開発型ビジネスプロセスを実践しているところにあると考えている。研究開発型ビジネスプロセスの実践とは、「R&D初期フェーズ」から始まり「サービス提供運用保守フェーズ」までを順番に実行することを意味している。同社は創業から現在まで着実にこのプロセスを実践し、「Voice Contact」を始めとする複数のプロダクトを市場に提供している。

 なお、同社では産総研技術移転ベンチャーの称号により、産総研より許諾を受けた特許・プログラムの実施権の活用および、産総研主体の技術展示会への出展等の幅広い経営支援を受けていたが、2024年8月14日に称号の使用期限の満了と合わせて本支援活動も終了している。なお、本支援活動に代わり、同社内にて技術開発人材を採用し「Voice Contact」等の技術開発を継続的に続けていること、展示会出展等も同社独自で実施してきており、本支援活動の終了による同社事業活動への影響はないものと考えている。

 同社では「AI×音」サイエンス事業の単一セグメントとしており、当該事業内でAIプロダクト事業(2023年度売上高比率:69.5%)とAIソリューション事業(2023年度売上高比率:30.5%)を展開している。

 AIプロダクト事業は、コンタクトセンター向けAI音声認識プロダクト「Voice Contact」や、AI音声自動応答プロダクト「Terry」、AI議事録自動作成プロダクト「ZMEETING」、異音検知プロダクト「FAST-D」等の自社開発製品・サービスの提供をしている。同社の各AIプロダクトの市場提供に関しては、同社からの直接販売(2023年度売上高比率:81%)が中心ではあるが、販路拡大を目的に販売代理店(2023年度売上高比率:19%)と協力しての販売も実施している。

 なお、販売代理店先としては大企業の子会社が多く同社ではカバーできない販売先の獲得が行えており、コールセンターの顧客では数百席規模の大型案件の獲得も実現している。そのため、今後も同社でアプローチできない先に関しては販売代理店の活用を継続して行うこととしている。2023年度AIプロダクトの取引先数(社数)は50社、顧客取引平均単価は1060万円(ZMEETINGを除く)となっている。

 AIソリューション事業は、2021年6月より開始。AIプロダクト事業で培った技術や知見を基に、AI活用や、顧客のDX推進等の課題解決をトータルに支援するAI開発・コンサルティングを実施している。当事業の具体例としては、コールセンターを持つ教育分野の事業者との取組みとして、同社がもつ、AI開発の経験から得られた知見を活用し、コールセンターの全体の顧客体験と生産性の大幅な向上に向けた、「Voice Contact」に生成AIを組み合わせたシステム要件のコンサルティングから実際のシステム開発までを事業者とともに推進している。なお、2023年度AIソリューションのプロジェクト数は49件、顧客取引平均単価は500万円となっている。 

Hmcommの投資のポイント

 時流に乗ったAI関連で公開規模に軽量感があることから、一定の初値上昇は見込めるか。ただ、公開価格の1.5倍以上でロックアップ解除されるベンチャーキャピタル保有株式もあり、注意は必要か。全株式を放出する既存株主も居る事から出口案件とのイメージももたれやすく、投資家への印象は気がかり。同じくAI関連である10月11日上場オルツ<260A>の初値状況も参考にしたい。

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 IT技術のコンサルティング業務を目的として、2012年7月に横浜市神奈川区において創業。2014年に現社名へ商号変更し、人工知能(AI)の活用により音を可視化し顧客の課題解決のためのサービスを提供も開始した。同社は、産総研技術移転ベンチャーの獲得を契機に、「音」に着目したAIの研究・開発を行い、その成果を社会実装することを目指してきた。AIプロダクト事業における同社プロダクトは、AI音声認識プロダクト「Voice Contact」、AI音声自動応答プロダクト「Terry」、AI議事録プロダクト「ZMEETING」、AI異音検知プロダクト「FAST-D」など。

 2023年度において、AIプロダクトの取引先数(社数)は50社、顧客取引平均単価は1060万円(ZMEETINGを除く)、AIソリューションのプロジェクト数は49件、顧客取引平均単価は500万円(ZMEETINGを除く)となっている。2023年12月期の相手先別売上高比率は、(株)FRAACORA向け41.4%、(株)ベネッセコーポレーション向け10.0%。従業員は37名。

 業績面について、2024年12月期の業績は、売上高が前期比29.8%増の10.4億円、経常利益が同9.1%増の0.9億円と増収増益の見通しとなっている。売上増加見込み分に対応して、売上原価については主に労務費および外注加工費が、販売費及び一般管理費では労務費および採用教育費などを中心に増加する見込み。今期は特別損益は見込んでいない。

 想定仮条件水準の2024年12月期予想PERは31~34倍台とそれなりに高いが、AI関連銘柄としては控えめな水準か。

 公開規模は8~9億円台と軽量感のある大きさ。ただ、公開価格の1.5倍以上でロックアップ解除されるベンチャーキャピタルらの保有株式が62万3000株(上場時発行済株式総数の15.7%)あるため、ロックアップ解除ラインが意識されてきそうだ。また、10月上場ラッシュ終盤での上場となり、買い疲れ感なども気になってくる頃か。

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◆SMBC日興証券
主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) ネット配分・抽選方法 口座数
2023 2022 2021
19社
52社
24社
47社
26社
80社
10%:1人1票の平等抽選
最大5%:「ステージ別抽選」
※1
345万
【ポイント】
大手証券の中でもIPOに力を入れており、例年、主幹事数・取り扱い銘柄数ともに全証券会社中でトップクラス! また、国内五大証券会社のひとつだけあり「日本郵政グループ3社」や「JR九州」「ソフトバンク」などの超大型IPOでは、主幹事証券の1社として名を連ねることも多い。10%分の同率抽選では、1人1単元しか申し込めないので資金量に関係なく誰でも同じ当選確率となっているのがメリット。さらに、2019年2月からは、預かり資産などによって当選確率が変わる「ステージ別抽選」がスタート。平等抽選に外れた人を対象にした追加抽選で、最高ランクの「プラチナ」だと1人25票が割り当てられて当選確率が大幅にアップする。
※1 預かり資産残高などによって決まる「ステージ」ごとに、別途抽選票数が割り当てられる。
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◆SBI証券
主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) ネット配分・抽選方法 口座数
2023 2022 2021
21社
91社
13社
89社
21社
122社
60%:1単元1票の平等抽選
30%:「IPOチャレンジポイント」順に配分
10%:知識・経験・資力と取引状況を踏まえて配分
1245万
【ポイント】
ネット証券にもかかわらず、主幹事数、取扱銘柄数ともに大手証券会社に引けをとらない実績を誇る。特に取扱銘柄数がダントツで、2023年は全96社中91社と約95%のIPO銘柄を取り扱った。つまり、SBI証券の口座さえ持っていれば、ほとんどのIPO銘柄に申し込めると考えていいだろう。個人投資家への配分の100%がネット投資家へ配分されるのも魅力。1単元1票の抽選なので、多くの単元を申し込むほど当選確率は高くなる当選確率がアップする「IPOチャレンジポイント」が、資金量・取引量と関係なく、IPOに申し込み続ければ誰にでも貯められるのもメリットだ。また、スマートフォン専用サイトでIPOの申し込みや情報確認ができるのも便利。
※SBIネオトレード証券、FOLIOの口座数を含んだSBIグループ全体の口座数。
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※ 主幹事数、取扱銘柄数はREITを除く。口座数は2023年12月末時点。
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IPOの主幹事数が業界トップクラスで
2022年には24社のIPOの主幹事を務める
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