・テスラや半導体株の上昇を受け日経平均は反発もエヌビディア決算を控え売買は低調...
・今日は3月期決算の増益率ランキングを点検!
・コラムでは投資信託の為替ヘッジの必要性を解説
【1】今日の株式
米ハイテク株高で反発も、売買は手控えムード
日経平均株価は反発! 18日の米国市場で主要株価指数は高安まちまち。トランプ次期大統領の政権移行チームが自動運転車に関する規制緩和を検討しているとの報道を受けテスラが大幅高となり、ナスダック総合指数は5日ぶりに反発。また、長期金利の上昇一服も背景にフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が7日ぶりに反発した。一方、「トランプ・トレード」の一巡感などからNYダウは3日続落。前日に大きく下落していた日経平均株価は、今日は米ハイテク株高を追い風に上昇スタート。円相場の下げ渋りに伴い伸び悩む場面もあったが、好決算銘柄などに買いが入り、概ね堅調に推移した。一方、米半導体エヌビディアの決算を控えて積極的な売買は手控えられた。
フジクラなどの生成AI関連株のほか、銀行株・保険株が買われ、みずほフィナンシャルグループは年初来高値を更新。牛丼の値上げを発表したゼンショーホールディングスや、自社株買いを発表した森永製菓は大きく上昇した。今晩の米国市場では小売大手のウォルマートなどが決算を発表する予定だ。
【日経平均】38414.43円↑(+193.58円)
【グロース250】631.21↑↑(+11.95)
【NYダウ】43389.60ドル→(-55.39ドル、18日)
【ナスダック】18791.806↑(+111.685、18日)
■日経平均株価チャート/日足・6カ月
【2】今日の注目株!
低調決算が多い中、大幅増益率企業への注目度高まる
前日に続き7~9月期決算の結果を振り返っていこう。今日は「TOPIX500」指数(主力~中堅程度の銘柄で構成)に採用される3月期決算企業で、上期時点での営業増益率が大きい銘柄を下表にまとめた。例年に比べて今年の上期は低調な決算内容が多かったため、増益率の高い業績好調の銘柄への注目度は高いだろう。
決算発表後に年初来高値を付けたのが科研製薬。アトピー性皮膚炎を対象とした共同開発製品について、販売提携オプション契約に伴う一時金を計上したことで大幅増益となった。来年2月に控える主力品クレナフィンの特許切れへの警戒もあり、株価は下落傾向にあったが、好決算を契機に上昇に転じている。また、足元では難病対象で競合が少ない有望領域において2つの新薬が国内臨床試験の最終段階にある。来年、良好な試験結果が得られれば株価の上昇に一段と弾みがつきそうだ。武田薬品工業も大型新薬の臨床試験が最終段階に入っており、詳しくは11月6日号のコラムを参照いただきたい。
大成建設も決算後に年初来高値を更新。不採算案件の縮小による完成工事総利益率の改善が続いたほか、政策保有株の売却前倒しに伴い1500億円を上限とした自社株買いを発表。日本株の下値の堅さの要因として過去最大規模の自社株買いが挙げられており、今後も自社株買いに積極的な銘柄は高評価が続きそうだ。
NOKはデータセンター用HDD向け電子部品の好調などから業績予想を上方修正。一方、三井金属鉱業も業績予想を上方修正したが、期待の極薄銅箔「マイクロシン」の販売数量が下方修正され、株価はさえない。また、博報堂DYホールディングスや日野自動車、太陽誘電は前期の大幅な業績悪化後の反動によるところが大きく、こちらも株価が軟調。増益率の背景はしっかり把握しておこう。
■科研製薬株価チャート/日足・6カ月
【3】火曜連載「ザイ編集部発! 週イチ『投資信託ニュース』」
NISAで買うべき投資信託は為替ヘッジ“あり”と“なし”どっち?
大好評発売中のザイ2024年12月号では、特集「NISAのお悩み相談室」を掲載。読者から寄せられたさまざまな悩みにプロがズバリ回答している。今回はその中から、“為替ヘッジ”に関するものを紹介。投資信託で“為替ヘッジあり”と“為替ヘッジなし”の異なるタイプが設定されているものは多いが、どちらを選ぶのが正解なのか。
質問者(40歳・男性)は「“為替ヘッジあり”の新興国株型投資信託で損をしている」という。 対して、同じシリーズの投資信託で“為替ヘッジなし”のタイプはしっかりプラスの成績だ(下の表)。しかし、歴史的な水準の円安が続く今、この先の円高反転リスクが気になる人も多いだろう。
FPの深野康彦さん(ファイナンシャルリサーチ代表)の回答は、「“為替ヘッジなし”のタイプを買う」だ。「海外へ分散投資するのは正しい戦略ですが、“為替ヘッジあり”を選ぶと、通貨を分散させる意味が消えてしまいます。加えて為替ヘッジのコストも無視できません。上の投資信託のように米ドル建てでヘッジを行う場合、そのコストは日米の金利差で決まります。金利差は依然開いたままでヘッジコストは高止まりしており、“為替ヘッジあり”の運用成績の足を引っ張っています」
為替リスクは「積立など買いタイミングを分散することで低減させればOK」というのが深野さんのアドバイス。特に株式型の投資信託の場合、過去の実績から見て、為替の変動よりも株価の変動のほうが、振れ幅は大きい。今後円高に向かうとしても、長期的には株価の上昇がそれを上回る可能性が高いという。
特集では、「オルカンで積立を続けても大丈夫?」「積立で損が出たら売るべき?」「60代後半のNISA活用法は?」など、多くの悩みに答えている。新NISAが2年目を迎えようとする今、ぜひチェックしてほしい。
河野拓郎
ダイヤモンド・ザイ編集部 副編集長
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