株式レポート

(朝)米国市場は小幅に高安まちまち ダウは11日ぶりに反発 日本市場は6日ぶり反発なるか - 市況概況

12月20日 8時6分
マネックス証券
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【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 42,342.24  △15.37 (12/19)
NASDAQ: 19,372.77  ▼19.93 (12/19)

1.概況

米国市場は小幅な高安まちまちとなりました。FOMC(米連邦公開市場委員会)でFRB(米連邦準備制度理事会)が来年の利下げペースの減速を示唆したことで、ダウ平均は前日に1,123ドル下落しましたが、この日は一部の主力株を中心に自律反発を期待した買いが入り、137ドル高で取引を開始しました。同日に発表された米経済指標が米景気の堅調ぶりを示したことなどを受け、上げ幅は一時460ドル高まで拡大しました。

しかし、経済の堅調さが意識される中で同時に米長期金利が上昇し株価の重しとなった結果、相場は一進一退の展開となりました。引けにかけては売りの勢いが強まって伸び悩み、結局ダウ平均は15ドル高の42,342ドルと小幅高で取引を終え、11日ぶりの反発となりました。

一方、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は19ポイント安の19,372ポイントで小幅に3日続落となりました。また、S&P500指数も5ポイント安の5,867ポイントとなり、こちらも小幅に3日続落となっています。

2.経済指標等

米商務省が発表した米国の第3四半期の国内総生産(GDP)の確報値は年率換算で前期比3.1%増と、改定値の2.8%から上方修正されました。12月のフィラデルフィア連銀景気指数は-16.4となり、2.2に改善を見込んだ市場予想に反して前月の-5.5から悪化となりました。先週一週間の米新規失業保険申請件数は、前週比2万2000件減の22万件となり、市場予想以上に改善を示しました。11月の米中古住宅販売件数は、415万戸となり、市場予想を上回りました。

3.業種別動向

S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち公益事業や金融、情報技術、一般消費財・サービスの4業種が1%未満の上昇となりました。一方で、7業種が下げ、特に不動産と素材が1%以上の下落となりました。

4.個別銘柄動向

米国市場では、ダウ平均構成銘柄は30銘柄中18銘柄が上昇となりました。特にボーイング[BA]が2%超上昇したほか、アメリカン・エキスプレス[AXP]やアイビーエム[IBM]、ビザ[V]などが1%超上昇しました。一方で、12銘柄は下落となり、なかでもホームデポ[HD]やユナイテッドヘルス・グループ[UNH]、シェブロン[CVX]は2%超下落し、シャーウィンウィリアムズ[SHW]は1%超下落しました。

ダウ平均構成銘柄以外では、ビッグデータ解析のパランティア・テクノロジーズ[PLTR]が米陸軍との提携の延長を発表したことを受けて、3.8%上昇しました。また、アクセンチュア[ACN]は、四半期決算にて、市場予想を上回る売上高とEPS(1株当たり利益)を達成したほか、通期の売上高見通しを上方修正したことを受けて、7.1%上昇となりました。一方で、半導体のマイクロン・テクノロジー[MU]は、前日引け後に公表した第1四半期決算にて、予想を上回るEPSを公表するも、第2四半期のガイダンスが市場予想を下回り、16.2%下落となりました。その他の半導体関連株も弱く、ラム・リサーチ[LRCX]は5.3%安、アーム・ホールディングス[ARM]は3.3%安、アプライド・マテリアルズ[AMAT]やブロードコム[AVGO]、アドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]は2%超下落しました。

5.為替・金利等

長期金利は0.04%高い4.56%となりました。ドル円は、円安方向に進展し、157円台半ばで推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は、米国市場が小幅に高安まちまちとなった影響を受けつつも、前日の日銀金融政策決定会合で金利据え置きが決定され後場にかけて持ち直した流れを引き継ぎ、上昇してのスタートが予想されます。一方で、米国のSOX指数(フィラデルフィア半導体株指数)の下落を背景に、日本市場でも半導体関連株が重荷となる可能性があります。このようななか、日経平均は6日ぶりに反発し、大台の3万9000円台を回復して取引を終えるかに注目が集まります。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)

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