東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は、昨日19日の日銀金融政策決定会合を経て、利上げへの慎重姿勢が示されたことで、ドル円相場が前日大引けから2円ほど円安に推移したことから輸出関連株を中心に買いが入るも全体としては弱含み、6日続落となりました。136円高の38,950円で寄り付いた日経平均は、値動きの荒い展開となりました。早々に節目の39,000円まで上昇するもその後は上げ幅を縮小し、10時頃には前日終値を割り込み、一転して下落となりました。
下値では買いが入り再び上げに転じると10時51分には226円高の39,039円まで上昇し、本日の高値を更新しましたが、前場は76円高の38,889円で取引を終えました。後場の前半は前日終値を挟んで、一進一退で推移しました。利上げ観測の後退から銀行株が下落する一方で、下値では買いも入り下値を支えるも、後半に入って下げ幅を拡大する展開となりました。最終的には111円安の38,701円で取引を終えました。
新興市場では、東証グロース250指数が続落、0.9%安となりました。
2.個別銘柄等
利上げ観測の後退から不動産株の上昇が目立ちました。三菱地所(8802)が4.1%高で3日ぶりに反発し取引を終えています。緩和的な金融環境が続くとの見方が広まり、借り入れコストの低下期待が買い材料となりました。三井不動産(8801)は2.7%高、住友不動産(8830)が5.5%高でともに反発となりました。
円安の進行により輸出関連株が上昇しました。トヨタ自動車(7203)は1.7%高で反発、日産自動車(7201)との経営統合の報道以降、弱含んでいた本田技研工業(7267)も0.8%高で8日ぶりに反発となりました。取引時間中は1ドル157円前後で推移しており、また日銀の利上げ慎重姿勢から当面は円安傾向が続くといった見方が買いを支えました。
ENEOSホールディングス(5020)が2.9%高と反発し取引を終えました。国内証券が高水準の株主還元期待から投資判断と目標株価を引き上げたことが好感されました。一方で好材料が出尽くしたとのことで投資判断が引き下げられたIHI(7013)が3.0%安で反落となりました。目標株価は8,200円から9,100円に引き上げられています。
三井E&S(7003)は7.5%高で大幅反発となりました。ベトナムで港湾クレーンの製造に乗り出すといった報道を材料に買いを集めました。米中対立が深まり世界的に港湾クレーンの需要が高まっている中で、脱中国需要を取り込むといった期待が高まりました。
業務支援ソフトのサイボウズ(4776)がストップ高となる23.3%高をつけ、年初来高値を更新し4日続伸で取引を終えました。19日に来期(2025年12月期)の業績予想を発表し、営業利益が今期予想比で約2倍の84億円となる見通しを示したことで買いが入りました。
VIEW POINT: 明日への視点
日経平均は6日続落となりました。前日大引けから円安が進行し、自動車等の輸出関連株が相場を支えるも全体としては弱さの見られる1日となりました。来週に向けて、本日22時30分頃に予定されているPCEコアデフレーターに注目で、前年同月比2.9%上昇が市場予想となっています。2ヶ月連続での拡大が見込まれ、根強いインフレの中身に注目が集まります。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)
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