【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 42,528.36 ▼178.20 (1/7)
NASDAQ: 19,489.68 ▼375.30 (1/7)
1.概況
米国市場では主要3指数が揃って下落となりましました。ダウ平均は103ドル高で反発して取引を開始すると、一時は224ドル高まで上昇しました。
しかし、午前10時に公表されたISM非製造業景気指数と米雇用動態調査(JOLTS)の求人件数が市場予想を上回る結果となると、インフレ再燃懸念からFRB(米連邦準備制度理事会)の利下げペースの鈍化が意識され、長期金利が上昇し、株式市場は相対的な割高感が意識され下落に転じました。その後取引終盤に下げ幅を拡大すると、結局178ドル安の42,528ドルで取引を終え続落となりました。
また、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は、エヌビディア[NVDA]の大幅安が響き、375ポイント安の19,489ポイントで取引を終え、3日ぶりに大幅な反落となりました。S&P500指数も66ポイント安の5,909ポイントで3日ぶりに反落しています。
2.経済指標等
12月のISM非製造業景気指数は54.1となり、市場予想(53.6)と前回結果(52.1)を上回りました。また、11月の雇用動態調査(JOLTS)の求人件数は25万9000件増の809万8000件となり、770万件程度を見込んだ市場予想を上回りました。
3.業種別動向
S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうちエネルギーとヘルスケアの2業種が上げ、特にエネルギーは1%以上上昇しています。一方で、9業種が下げ、なかでも情報技術と一般消費財・サービスが2%以上下落したほか、コミュニケーション・サービスも1%以上下落しました。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中15銘柄が上昇となりました。なかでも、スリーエム[MMM]やジョンソン・エンド・ジョンソン[JNJ]、シェブロン[CVX]、アムジェン[AMGN]、メルク[MRK]、ボーイング[BA]が1%以上上昇しました。一方で、その他の15銘柄は下落となり、特にエヌビディアは6%以上下落しました。また、アマゾン・ドットコム[AMZN]は2%以上下落し、ベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]やセールスフォース[CRM]、ホームデポ[HD]、マイクロソフト[MSFT]、アップル[AAPL]なども1%以上下落しています。
ダウ平均構成銘柄以外では、モデルナ[MRNA]が11.7%上昇し、S&P500株価指数構成銘柄で上昇率トップとなりました。米国で鳥インフルエンザによる初の死亡例が報告されたほか、過去2週間で新型コロナウイルス感染者数が急増したことが米疾病対策センター(CDC)から発表されたことを受け、ワクチン開発を手掛ける同社の株価が急騰しています。また、自動運転技術を開発するオーロラ・イノベーション・インク[AUR]は、無人トラックの大規模展開に向けてエヌビディアとの長期提携を発表したことで、29.1%上昇しました。一方で、パランティア・テクノロジーズ[PLTR]はキャシー・ウッド氏が率いる投資運用会社ARKインベストによる同社株の売却が伝わったことで7.8%下落し、S&P500株価指数構成銘柄で下落率トップとなりました。また、アナリストによる投資判断の引き下げが伝わったテスラ[TSLA]は4.1%下落しました。
5.為替・金利等
長期金利は前日比0.05%高い4.68%となりました。ドル円は、円安方向に進展して、158円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
昨日の米国市場では、米景気の強さを示す経済指標が公表され、米経済にとってはグッドニュースとなりましたが、一方でFRBによる利下げペースの鈍化が意識されることで、株式市場にとってはバッドニュースとなりました。特に、エヌビディアの大幅安を受け、ハイテク株が大きく下落しており、この流れを引き継ぎ、本日の日本市場は下落して始まることが予想されます。
こうしたなか、日経平均先物は夜間取引を270円安の3万9730円で終了しており、日経平均は心理的節目の4万円を割り込む展開が想定されます。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)
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