【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 43,153.13 ▼68.42 (1/16)
NASDAQ: 19,338.29 ▼172.94 (1/16)
1.概況
米国市場は、前日に大幅高となり短期的な過熱感が意識されるなか主要株価3指数が揃って反落となりました。寄付き前に公表された小売売上高と米新規失業保険申請件数が市場予想より弱い結果を示すと、68ドル高で取引を開始したダウ平均はその後下げに転じ、一時137ドル安まで下げ幅を広げました。
その後は米長期金利の上昇が一服したことが投資家心理の支えとなり、昼頃に上げに転じる場面もあるも、取引終盤にかけては再び売りに押されるなど一進一退の展開となりました。最終的にダウ平均は68ドル安の43,153ドルで取引を終え、4日ぶりに小幅に反落となりました。
また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は、アップル[AAPL]の大幅安が指数を押し下げ172ポイント安の19,338ポイントで取引を終え、反落しました。S&P500株価指数も12ポイント安の5,937ポイントで取引を終え、4日ぶりに小幅に反落しています。
2.経済指標等
12月の米小売売上高は、前月比0.4%増となり、市場予想(0.5%増)と前回結果(0.8%増)を下回りました。一方、国内総生産(GDP)の算出に用いられる自動車、ガソリン、外食、建設資材を除いたコア小売売上高(コントロール・グループ)は前月比0.7%増となり、市場予想と前回結果(ともに0.4%増)を上回りました。また、先週一週間の米新規失業保険申請件数は、前週比1.4万件増の21.7万件で市場予想(21.1万件)以上に前回結果(20.3万件)から悪化しました。10月のフィラデルフィア連銀景況指数は、総合で44.3となり、市場予想(-8.0)を大きく上回って前月(-10.9)から大幅上昇しました。
3.業種別動向
S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち8業種が上げました。特に公益事業と不動産が2%以上上昇したほか、資本財・サービスが1%以上上昇しました。一方で、情報技術やコミュニケーション・サービス、一般消費財・サービスの3業種は下落となり、特に情報技術は1%以上下落しました。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄のうち19銘柄が上昇しました。特にシャーウィンウィリアムズ[SHW]が2%以上上昇したほか、ジョンソン・エンド・ジョンソン[JNJ]も2%近く上昇しました。そのほか、ボーイング[BA]やキャタピラー[CAT]、ハネウェル・インターナショナル[HON]、アイビーエム[IBM]、ゴールドマン・サックス[GS]、スリーエム[MMM]、トラベラーズ・カンパニーズ[TRV]が1%以上上昇しています。一方で、11銘柄が下落となり、予想を下回る売上高を公表したユナイテッドヘルス・グループ[UNH]は6%以上下落しました。また、スマートフォンの販売が中国で苦戦していると伝わったアップルは4%以上の大幅安となりました。その他、エヌビディア[NVDA]やウォルト・ディズニー[DIS]、アマゾン・ドットコム[AMZN]が1%以上下落しました。
ダウ平均構成銘柄以外では、半導体受託生産の世界最大手、台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング[TSM]が16日の決算発表で、人工知能(AI)向け半導体の需要急増により純利益が前年同期比57%増と四半期ベースで過去最高となったことで、3.9%上昇しました。その他の半導体関連株も連れ高となり、アプライド・マテリアルズ[AMAT]とラム・リサーチ[LRCX]は4%以上上昇したほか、ASMLホールディング[ASML]も3%以上上昇しています。また、モルガン・スタンレー[MS]は第4四半期決算にて増収、最終増益で、EPS(1株当たり純利益)が市場予想を上回ったほか、増配を発表し、4.0%上昇しました。一方で、ユー・エス・バンコープ[USB]は、2024年通期の決算が減収・最終増益で、通期配当の増配を発表したものの、5.6%下落となりました。
5.為替・金利等
米長期金利は前日比0.04%低い4.61%となりました。ドル円は、円高方向に進展し、155円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は、来週の日銀金融政策決定会合での追加利上げの観測が高まっているなか、昨日の米国ハイテク株安を受けて、下落してのスタートが予想されます。こうしたなか個別銘柄では、前日のアップル株安を受けて村田製作所(6981)などのアップル関連銘柄への売りが警戒される一方、16日に約8年ぶりの新作ゲーム機「Nintendo Switch 2」を2025年に発売することを発表した任天堂(7974)の値動きに注目が集まります。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)
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