・米国株の上昇を受けて日経平均は大幅反発
・トランプ氏の大統領就任を迎えるにあたり、第1次政権時の勝ち組日本株を点検
・日銀会合や日米企業の決算発表など、その他の今週の予定も要確認
【1】今日の株式相場早わかり!
大幅反発、今晩は米休場もトランプ氏動向に注目
日経平均株価は大幅反発! 17日の米国市場では主要ハイテク株を中心に買いが入り、主要株価指数がそろって反発した。国際通貨基金(IMF)が2025年の世界経済の成長率予想を上方修正したほか、この日発表された米経済指標も市場予想を上回った。また、大統領就任を控えたトランプ氏が中国の習近平国家主席と電話会談したことも安心感につながったようだ。週明けの日経平均株価は米株高の流れを引き継ぎ、前場に一時3万9032.93円(+581.47円)まで上昇。第一三共は共同開発した乳がん治療薬が米当局の承認を受けて急伸し、その他の売買代金上位銘柄も全般堅調だった。
今晩の米国はキング牧師誕生日で休場となるが、大統領に就任するトランプ氏の動向が注目されそうだ。また、23~24日には日銀の金融政策決定会合が控えており、日米の企業決算も注目点となりそう。コラムコーナーで今週の予定をしっかり確認しておこう。
【日経平均】38902.50円↑↑(+451.04円)
【グロース250】631.26↑(+5.41)
【NYダウ】43487.83ドル↑(+334.70ドル、17日)
【ナスダック】19630.199↑↑(+291.909、17日)
■日経平均株価チャート/日足・6カ月
【2】今日の注目株!
第2次トランプ政権発足、第1次政権時の勝ち組は?
米国では今日、第2次トランプ政権が発足する。当メルマガでも昨年11月の大統領選の前からトランプ氏の返り咲きで有力視される銘柄を紹介してきた(昨年11月8日号コラムや1月15日号注目株を参照)。今回は「TOPIX500」指数(主力~中堅程度の銘柄で構成)採用銘柄の第1次トランプ政権時の株価騰落率を確認してみよう。トランプ政権下での有望セクターや銘柄が見えてくるかもしれない。
第1次トランプ政権時の値上がり率上位は半導体検査装置のレーザーテック(+2676.56%)、コンサルティングのベイカレント(+1478.37%)、クラウド経費精算システムのラクス(+1156.08%)といった顔ぶれ。第2次政権の発足にあたってはインフレ再燃への警戒感から米長期金利が上昇しているが、第1次政権時には低金利下で強いグロース(成長)株が好パフォーマーだった。第1次政権の後期に発生したコロナ禍とそれに伴う金融緩和が影響した面も大きいだろう。しかし、トランプ氏は低金利志向が強いだけに、今回も足元の高金利に関わらずグロース株に一定の目配りをしておくとよいかもしれない。
もちろん、個々の企業の状況が第1次政権時と異なる点には注意が必要だ。ただ、昨年の大統領選後に株価が上向いているベイカレントやソフトウェアテストのSHIFTなどは、今回も注目してみてよさそうだ。また、表外の6位にランクインした「業務スーパー」の神戸物産(+504.03%)も、為替相場が円高に転じた局面で注目しておきたい。
一方、第1次政権時の値下がり率上位は三菱自動車(-65.26%)など。値下がりでもコロナ禍の影響が大きそうだが、今回も追加関税などの通商政策の影響を見極める必要があるだろう。
■SHIFT株価チャート/日足・6カ月
【3】月曜連載「ザイアナリスト仲村幸浩『今週の焦点』」
米大統領就任&日銀金融政策決定会合
先週の日経平均株価は-738.94円(-1.89%)。米政権によるAI半導体の販売を巡る新規制を受けて半導体株が下落したほか、日米の長期金利の上昇を背景に売りが膨らんだ。一方、米国の昨年12月の物価指標が総じて予想を下回ったほか、ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事が追加利下げを示唆したことで長期金利は低下に転じた。ただ翌週に控える重要イベントを前にその後も日本株の上値は重かった。
日本時間21日(火)未明からトランプ新米大統領の就任演説が行われ、午前7時ごろには大統領令への署名がなされる見込みだ。減税などのポジティブな政策は議会承認が必要で時間がかかる半面、関税引き上げなどネガティブな政策は大統領令で早期に実現が可能だ。一部の関税引き上げは事前に伝わっているが、対象国に日本も含まれた場合には売りが膨らむだろう。一方、日本が含まれない、関税引き上げが段階的に進められるなどの内容になれば市場は好感しそうだ。大統領の言動次第で振れ幅の激しい展開になることに注意したい。また、上昇が一服した米長期金利が大統領就任後に一段と低下するかどうかも注目だ。
23日(木)~24日(金)には日銀の金融政策決定会合が開かれる。事前の観測報道もあり、追加利上げが決定される可能性は高い。一方、結果と同時に公表される物価見通しや、週末の取引終了後に行われる植田総裁の会見内容次第では、さらなる追加利上げへの思惑も高まりやすい。米株次第のところもあるが、日本株は週末まで様子見ムードから上値の重い展開が続きやすく、上昇するにしても来週以降になりそうか。
他方、金利動向や米大統領の言動も重要ではあるが、日米ともに主要企業の10~12月期決算の発表が本格化していくタイミングのため、基本は業績内容を見極めた上での選別物色が中心になっていきそうだ。
仲村幸浩
ダイヤモンド・ザイ アナリスト
立教大学経済学部卒業。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)。証券会社や金融情報サービス会社を経て2023年10月より現職。マーケットアナリストとして各種メディアで活動中。
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