・半導体株・電線株の急落で日経平均は大幅続落も、東証プライムでは6割が上昇…
・直近1カ月の間に配当予想を増額した企業を点検、配当利回り5%台も!
・コラムでは“オルカン”の次の一手を考察
【1】今日の株式相場早わかり!
生成AI相場に暗雲、半導体株の急落続く
日経平均株価は3日続落! 27日の米国市場では半導体株が売られ、ナスダック総合指数の下落率は3%、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)の下落率は9%を超えた。中国の生成AI「DeepSeek」の台頭により、高性能な半導体への投資需要が鈍る可能性などが懸念された。一方、ヘルスケアなどには買いが入りNYダウは上昇した。今日の日経平均株価は下落スタートすると、一時は3万8886.05円(-679.75円)まで下げ幅を拡大。トランプ大統領が外国製半導体チップなどに近く関税を発動する方針を表明したこともあり、半導体株が相場を押し下げた。押し目買いからその後3万9000円を回復したが、戻りは限られ軟調な展開が続いた。
半導体株やデータセンター関連の電線株が急落した。一方、メガバンク3社は新高値を更新し、不動産や陸運などの内需セクターも買われた。リスク回避の動きから米長期金利が大幅に低下したことで、東証グロース市場250指数も上昇した。米国では今日から連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。
【日経平均】39016.87円↓↓(-548.93円)
【グロース250】647.71↑↑(+8.81)
【NYダウ】44713.58ドル↑(+289.33ドル、27日)
【ナスダック】19341.834↓↓(-612.467、27日)
■日経平均株価チャート/日足・6カ月
【2】今日の注目株!
配当増額、TSIホールディングスなど
9~11月期決算の発表が一巡し、10~12月期決算の発表が本格化してきた。今日は決算発表が多かった直近1カ月ほどの間に配当予想を増額修正した企業を点検しよう。株主還元の姿勢を強化するなど、中長期的にも注目できる企業がみられる。
レディースアパレル大手のTSIホールディングスは、2025年2月期の純利益予想を40億円から150億円へと大幅に上方修正し、1株あたり配当金も19円から65円へと大幅に増額した。資本効率の強化を目的に非事業資産を圧縮し固定資産売却益を計上したことが背景。また、2026年2月期および2027年2月期も通常配当に加え、特別配当(各期15円)を上乗せする予定だ。さらに、自社株買いについては、今期から2027年2月期にわたって100億円以上の取得を計画していたところ、50億円分を新たに追加する方針としている。期末一括配当のため、5%台半ばの高配当利回りを今からでも確保できる点も魅力だ。
テイクアンドギヴ・ニーズは、継続的な配当を行う方針を明確にするため、株主資本配当率(DOE)3.0%以上を目安とした配当方針を発表。配当性向に比べて業績変動に左右されにくいDOE導入はポジティブに評価できる上、社長は「成長が株価に反映されていない」と強気なコメントもしており好印象。ウエディング事業では広告投資の効果が早期に確認できているほか、強化しているホテル事業もインバウンド需要を背景に好調だ。
独立系のシステム開発会社のニーズウェルは配当性向を35%以上から45%以上へと引き上げた。プライム上場維持基準の達成に向けて6月までに株価目標600円を目指して取り組んでおり、今回はその施策の一環だ。キャッシュリッチでもあるため、さらなる株主還元に期待したい。
■TSIホールディングス株価チャート/日足・6カ月
【3】火曜連載「ザイ編集部発! 週イチ『投資信託ニュース』」
“オルカン”の次の一手を模索する動きに注目!
2024年の投資信託市場には、過去最高の+15.4兆円もの資金が流入しました。流入額の8割を占めたのが、+12.7兆円の外国株式型投資信託です。ただ、インデックス型とアクティブ型で、投資する国の傾向は大きく異なっていました。BNPパリバ・アセットマネジメント・藤原延介さんの人気連載を、ダイジェストでお届け。
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まずは外国株式型のうち、インデックス型を見てみましょう。全体で+8.8兆円の流入がありました。投資対象の地域を見ると、米国株が+4.5兆円、グローバル株*が+4.1兆円と大部分を占めています。新NISAのつみたて投資枠、成長投資枠の双方の恩恵を受けて、こうした商品に資金が集中したものと考えられます。
*グローバル株…複数国に幅広く投資するタイプ。主に全世界株型、先進国株型。
では次に、アクティブの外国株式型の投資対象地域の内訳を見てみましょう(グラフ参照)。年間で+3.9兆円の資金流入のうち、米国株とグローバル株で+2.9兆円とかなりの部分を占めています。ただし、米国株の次に資金流入が見られたのは+1.1兆円を集めたインド株でした。
インデックス型への高水準の資金流入に見られるように、米国やグローバルの幅広い銘柄を投資対象とした外国株式型の投資信託をポートフォリオのコア部分に据える傾向が強まっています。一方で、アクティブ型に求められているのは、インド株のような、ポートフォリオのコア部分に足りない成長エンジンや、代表的なインデックスと値動きが異なり分散効果が見込まれる投資戦略ということ。
2025年は、分散を考える上でも、インデックス型、アクティブ型の両方をうまく活用したポートフォリオの強化が一層注目されるでしょう。
※編集部注;オルカン…eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
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