東京市場まとめ
1.概況
トランプ米大統領がカナダ、メキシコからの輸入品に予定通り関税を課す考えを改めて示し、前日の米国市場にて主要3指数が揃って下落したことから日経平均は402円安の37,853円で寄付きました。前場は終始、軟調に推移し下げ幅を拡大する展開となりました。輸出関連を中心に売られ、前場は1,074円安の37,182円で取引を終えました。
後場は一段安で始まると、節目の37,000円を割り込み12時50分には1,416円安の36,840円をつけ本日の安値を更新しました。その後は持ち直し、37,000円台を回復するも、大きく下げ幅を縮めることなく推移すると最終的には1,100円安の37,155円で取引を終えました。
新興市場では東証グロース250指数が2.2%安で7日続落となりました。
2.個別銘柄等
アドバンテスト(6857)は8.8%安の8,116円をつけ、大幅続落となりました。前日の米国市場にて、エヌビディア[NVDA]が8.5%安と急落したことを受け、日本の半導体株も売りが優勢となりました。エヌビディアは、売上高総利益率の見通しが市場予想を下回った点が警戒され売りにつながりました。
安川電機(6506)は4.4%安の4,033円をつけ、4日続落となりました。トランプ米大統領が中国からの輸入品に3月4日から10%の追加関税を課すと表明し、米国の関税強化が中国景気や生産活動に悪影響を及ぼすとの懸念から中国向け事業のウェイトが大きい同社に売りが出ました。
ゆうちょ銀行(7182)は1.1%安の1,507.5円をつけ反落で取引を終えました。26日、親会社である日本郵政(6178)が3月に同社の株式を売却するといった観測報道が出ていたものの、27日に日本郵政が正式に発表したことで、改めて需給悪化懸念が売りを呼びました。
電子部品メーカーのイビデン(4062)は1.8%高の4,057円をつけ、3日続伸となりました。アナリストは調整が続いていた同社株価の上昇余地は大きく、米エヌビディア向けの売上増が続くと予想し、同社の投資判断と目標株価を引き上げ、これを材料視した買いが入りました。
アサヒグループホールディングス(2502)は0.9%高の1,863円をつけ、4日続伸となりました。26日に実施されたアナリスト・機関投資家向けのミーティングにて、ROE(自己資本利益率)の11%以上の達成に改めて意欲を示したとされ、収益性の改善が期待されたことで連日の上昇となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は2.9%安の大幅反落となり、週間では4.2%下落しました。来週に向けて、今晩発表される1月分の米PCEコアデフレーターが注目されます。
FRB(米連邦準備制度理事会)が政策判断で重視する物価指標であり、市場予想では前年同月比2.6%の上昇が予想されています。市場予想ベースでは前回から伸びが減速するとされ、インフレの鈍化傾向が示され、足元でリスクオフが顕著な株式市場の明るいニュースとなるかに注目です。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)
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