・景気後退懸念を背景とした米国株の急落や円高で日経平均は一時1000円安も大きく下げ渋る
・3月期の高配当株の中でイチオシをご紹介!
・相場下落時に注目したい米国の高配当株インデックス型投資信託も確認
【1】今日の株式相場早わかり!
米株急落で一時1000円安も底堅さ見せる
日経平均株価は反落! 10日の米国市場で主要株価指数はそろって大きく下落し、ナスダック総合指数は-4.00%と約6カ月ぶりの下落率を記録した。トランプ大統領が景気後退入りの可能性を否定しなかったことで長期金利が急低下(債券価格は上昇)する一方、投資家心理を反映し恐怖指数とも呼ばれるVIX指数は急伸し、リスク回避の動きに拍車がかかった。米株の急落を受けて日経平均株価も大幅安でスタートすると、一時は3万5987.13円(-1041.14円)まで下げ幅を広げた。一方、為替の円高一服や自律反発狙いの買いからその後は大きく下げ渋る展開となった。
朝方に発表された1月の家計調査では実質消費支出が予想を大きく下回った。また、10~12月期の国内総生産(GDP)2次速報で個人消費が1次速報から下方修正されたこともあり、国内景気に対する懸念も高まったようだ。今晩は米国で1月の雇用動態調査(JOLTS)求人件数が発表される。
【日経平均】36793.11円↓(-235.16円)
【グロース250】641.46↑(+2.48)
【NYダウ】41911.71ドル↓↓(-890.01ドル、10日)
【ナスダック】17468.321↓↓(-727.900、10日)
■日経平均株価チャート/日足・6カ月
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【2】今日の注目株!
3月の最強高配当株は化学セクター
3月7日号で3月期の高配当株ランキングについて解説したが、今日はアナリストの完全主観で3月期のイチオシ高配当株を紹介しよう。単純な利回りだけでなく(1)バリュエーションや(2)業績動向、(3)株価推移、なども考慮し、下落余地が限られている一方で期待できる上昇余地が大きい総合的な投資妙味の高さから選んでいる。

イチオシは総合化学メーカーの中では中堅とされるデンカ。世界シェアNo.1を誇る製品を多くもつが、中でも生成AI向けに需要が拡大する球状アルミナなど利益率の高い電子・先端プロダクツ事業を中心とした成長が期待される。2025年3月期の第3四半期営業利益の通期計画に対する進捗率は65.6%と低調で、計画の未達懸念が残るが、足元の株価には織り込み済みだろう。一方、大幅な赤字が続くクロロプレンゴム事業の抜本的対策を2024年度中に発表する見込み。期待通り赤字事業からの撤退が発表されれば、悪材料出尽くしにより株価は回復局面に転じることが予想される。
2月7日の決算説明会では、2025年度から業績が再び成長軌道に回帰する自信が示された上、同時に社長の交代など新体制への移行も発表しており、経営の転換点を示唆しているようにみえる。一方、0.6倍台のPBRや4.6%台の配当利回り、4年にわたって調整している株価からはほとんどの悪材料が織り込み済みと思われ、投資妙味は高いと考える。
1銘柄では寂しいのでもう1つ。同じく総合化学メーカーで大手の三井化学もおすすめ。ライフ&ヘルスケアやモビリティ、半導体部材などのICTの成長3領域に注力。構造改革などから2025年度は化学メーカーの中で高い増益率が期待される。また長期的な成長期待もセクター内で高いほか、株価の調整には一巡感がみられ注目したい。
(ザイ配当アナリスト 仲村幸浩)
■デンカ株価チャート/日足・6カ月
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【3】火曜連載「ザイ編集部発! 週イチ『投資信託ニュース』」
米国の高配当株インデックス型投信で守りの一手
トランプ政権の関税政策や連邦政府職員の大量解雇など、米国株相場は不安定な状況が続いている。調整局面入りも不安視されているが、そんな時は、米国の高配当株に注目しよう。日本の高配当株も人気だが、米国には長期で連続増配する企業が多く、株価も堅調だ。積立で時間分散すれば、下落相場も将来の利益につながる。今回は、つみたて投資枠で買える主な米国高配当株インデックス型投資信託の直近の成績をチェックしてみよう。

米国の高配当株のインデックス(指数)で有名なのが「S&P500配当貴族指数」。25年以上連続増配の企業69社で構成されている(2025年2月末時点)。増配が続くということは業績が安定的に成長しており、財務も健全という証。利回りが株価の下支えとなるので、市場の下落局面にも強い。そのインデックスに連動するのが、「野村インデックスファンド・米国株式配当貴族」「SMT 米国株配当貴族インデックス・オープン」の2本。成績は若干だが前者のほうがよく、信託報酬の差が影響しているようだ。
一方、「楽天・米国高配当株式インデックス・ファンド」は「FTSEハイディビデンド・イールド・インデックス」に連動する。平均以上の配当を出す企業が対象で、550以上の構成銘柄に分散されている。1年と3年の成績を比較すると、こちらの投資信託のほうが好成績だ。同じ高配当株で構成されたインデックスでも中身はかなり異なるので、連動する指数は必ずチェックしよう。
好評発売中の「ダイヤモンド・ザイ」4月号では、売れてる投資信託を★の数で評価する「投信格付242」を掲載。最新の低コストインデックス投信ランキングも紹介しているので、ぜひご一読を。
石川絵美
ダイヤモンド・ザイ編集部 副編集長
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