トランプ政権が発足して100日を迎えた。大統領は演説で成果を自画自賛
4月29日火曜に第2次トランプ政権が発足してちょうど100日を迎えた。この日、トランプ大統領はミシガン州のデトロイト近郊で演説を行った。ご存知のように、ミシガン州は2024年の米大統領選挙における激戦州のひとつであり、米自動車メーカーが製造拠点を置いている場所だ。共和党は約1年半後に迎える中間選挙においてミシガン州の知事・上院議員議席の奪還を目指しており、それを見据えて労働者層にこれまでの成果をアピールした。
「私たちの国の歴史上、最も成功した政権の最初の100日間を祝うためにここにいる」
「毎週、不法移民の流入を終わらせ、雇用を取り戻している」
「この100日間で、首都ワシントンはおよそ100年間で最も大きな変化を遂げた」などと述べ、最後は「アメリカを再び偉大にする」とのスローガンで演説を締めくくった。
トランプ関税に振り回されて、米金融市場はトリプル安の急落を演じた
就任後100日間のマーケットはまさに激動であった。トランプ関税に振り回されて株式市場のみならず為替市場や債券市場にも激震が走った。歴代大統領の中でも最も凄まじかったと言えるだろう。為替市場ではドルの下落率が9%となり、債券市場では米国債が大量に売られて長期金利の変動率は0.7%を超え、株式市場ではNYダウが高値から16%もの下落に見舞われた。株安、ドル安、債券安のトリプル安。米国からマネーが逃げる事態が起こった。
日本の株式市場においては、トランプ政権が相互関税を発表する直前の4月2日水曜の日経平均株価は3万5725円だった。その後、急速に崩れて4月7日月曜には3万1136円まで下落。下落幅4589円、下落率は12.8%と激しい急落だった。4月25日金曜には3万5705円まで回復したため、1カ月も経たないうちに取り戻したことになる。米中双方が関税率を引き下げようとの動きが出てきている。米中貿易摩擦のヒートアップは落ち着きつつあり、市場で織り込まれていた最悪シナリオからは脱する流れとなっている。トランプ関税ショックに収束の兆しが出てきているのだ。
日本市場も激震に見舞われたが、日経平均は相互関税発表直前まで回復
「トランプ関税が本格的発動、投資家にとって“ピンチはチャンス”」
「今のマーケットはシステマティックリスクで荒れているだけであり、嵐が過ぎ去れば大きな買戻しが起こる」
「コロナショックと同様、相互関税ショックは意図的に作られた経済政策」
私が4月以降に繰り返してきたセリフだ。メディアがこぞって取り上げた景気後退リスク、SNSで飛び交う「世界恐慌になる」「リーマンショックの再来」との大げさなコメントに対しても、「景気が大減速して米連邦準備理事会(FRB)が大幅利下げをすれば、ようやく待ちに待った金融相場らしくなる」と私は注釈を付けてきたが、そこまで行くほどの状況ではなくなってきた。すでに第1次トランプ政権での米中貿易戦争とそっくりだ。2018年10月の高値2万4448円から2カ月後の12月には1万8948円まで5500円安、22%の下落率となったが、結局は「ピンチはチャンス」だった。安値で買える投資機会を提供してくれたのである。
関税ショックは収束しつつあるのに現金確保を謳う大手投信に疑問
先週のコラムで、キャッシュ比率を高めているコモンズ投信とひふみ投信について述べた。両投信ともキャッシュ比率を10%超の水準にまで上げていると報じられたが、「投資信託がマーケットタイミングを図ってもあまり意味がない」「すでに一連のトランプ劇場のダウンサイドリスクは相当織り込まれている」「反発したらついて行けなくなる」と書いた。そして、4月30日水曜付けの日経新聞でさわかみ投信が全面広告を打っているのを目にした。
「現金比率を高めて、次の株価急落時に徹底的に買い向かいます」
「短期的にうまく立ち回るのではなく、長期的な視野で臨んでいきましょう」
とのメッセージだが、さわかみ投信は直近10年間のどの期間をとってもマーケットと同業他社に対して著しくボロ負けしており、「長期的な視野ならうまくいく」とハッタリをかましているのは大きな問題だと思う。長期的なパフォーマンスは短期成績の積み重ねであり、短期的にうまくいっていない投信が長期的なパフォーマンスなど出せるはずもない。
【さわかみファンドパフォーマンス(2025年3月末時点)】
過去6カ月 -8.80%(vs 同業他社 -0.48%)、過去1年 -9.41%(同-3.15%)、過去3年 +7.41%(同+11.41%)、過去5年 +11.64%(同+15.30%)、過去10年 +5.32%(同+7.54%)。
嵐の4月も「勝者のポートフォリオ」は累計+76.9%と月間最高値を更新
個人投資家はこのようなメッセージに耳を貸さないことだ。3年も前から「日本市場は暴落する」と煽る本を出している澤上篤人氏に対して「勝者のポートフォリオ」のWebセミナーで警鐘を鳴らしてきたが、一向に改善される兆しはない。アクティブファンドとして高い手数料を取っているのに、パフォーマンスが市場平均よりも大きく下回るファンドなど投資する価値は全くない。さわかみファンドの受益者の皆さまはこの機会に目を覚ましたほうがいいと思う。わざわざ一面広告を載せざるを得ないほど追い込まれているのではないか? トランプ関税ショックでキャッシュ比率をさらに高めた…と書いているが、下落相場は収束しつつある。今後さらにアンダーパフォームするものと思う。
それに対して「勝者のポートフォリオ」は現状のマーケットは作為的なシステマティックリスクによるものと判断しているため急落局面において何もしていない。だが、すでに年初来パフォーマンスはプラス転換しており、厳しかった4月においても累計パフォーマンスは+76.9%と3月末の月間最高値+75.8%を更新した。今年もマーケットに対して圧勝中である。要するにポートフォリオの中身が今のマーケットに対して耐性があり、非常に強い銘柄群で構成されているが故である。システマティックリスクに対して下手な行動をする必要など一切ないのだ。

長期投資を謳う投信より「勝者のポートフォリオ」の方が資産形成の近道
太田忠投資評価研究所とダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチ(DFR)がコラボレーションして投資助言を行っている「勝者のポートフォリオ」。毎週のメルマガ配信による運用指南に加えて、2大特典として毎月のWebセミナー開催と動画によるスペシャル講義を提供している。
毎月恒例の株式投資Webセミナーを次回は5月14日水曜20時より開催する。テーマは『トランプ関税ショックに収束の兆し、「勝者のポートフォリオ」は最高値更新中』を予定。今後の投資戦略、期待できる個別銘柄を詳しく解説する。さらに、皆さまからのすべての質問にお答えするなど投資のヒントが満載だ。10日間の無料お試し期間でも参加可能で、毎回300名を超える参加者で盛り上がるセミナーだ。ぜひ奮って、お申し込み&ご参加願いたい。
スペシャル講義ではいよいよアンシステマティックリスク、すなわち個別銘柄リスクに関する詳細な講義がスタート。第2弾は「個別銘柄の株価の動きをスコア化する」「グロース株vsバリュー株の評価ポイント」。すでに講義動画はアップ済みである。
「個別銘柄の株価の動きをスコア化する」においては、株価がSリスク、USリスク、Mサイクルの3つの要因、さらにそれぞれが包含する多くの要素によって株価が動いていることを理解するのが目的である。スコア化することによって、常に泰然自若の投資家になっていただきたいと考えている。「グロース株vsバリュー株の評価ポイント」では、それぞれのカテゴリーにおいて投資の評価軸が異なることを再確認していただくのが目的。混同している方々が多いため詳しく解説している。
●太田 忠 DFR投資助言者。ジャーディン・フレミング証券(現JPモルガン証券)などでおもに中小型株のアナリストとして活躍。国内外で6年間にわたり、ランキングトップを維持した。現在は、中小型株だけではなく、市場全体から割安株を見つけ出す、バリュー株ハンターとしてもDFRへのレポート提供によるメルマガ配信などで活躍。
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