【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ： 42,343.65 △740.58 （5/27）
NASDAQ： 19,199.16 △461.96 （5/27）
1.概況
昨日の米国市場では、主要3指数が揃って大きく反発となりました。トランプ大統領がEU（欧州連合）に対する50%の追加関税の延期を発表したことを受けて、貿易摩擦に対する過度な懸念が後退したほか、米コンファレンスボード消費者信頼感指数などの米経済指標の改善が投資家心理を後押しし、ハイテク株や消費関連株を中心に買いが広がりました。
ダウ平均は245ドル高の41,849ドルで取引を開始すると、始値がこの日の安値となり、終日上げ幅を広げていく展開となりました。取引終盤には747ドル高の42,350ドルで高値を付けると、最終的に740ドル高の42,343ドルと高値圏で取引を終え、5日ぶりに大幅反発となりました。
また、S＆amp;P500株価指数も118ポイント（2.1%）高で取引を終え、5日ぶりに大きく反発しました。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も、461ポイント（2.5%）高の19,199ポイントで取引を終え、大きく反発しました。
2.経済指標等
5月の米耐久財受注は前月比6.3%減となり、市場予想（7.9%減）を上回りましたが、前月（7.6%増）からは大幅に悪化しました。変動の大きい輸送機器を除くコア耐久財受注は0.2%増となり、市場予想（0.0%）と前回結果（0.2%減）を上回りました。5月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数は98.0となり、市場予想（87.0）と前回結果（85.7）を大きく上回り、消費者センチメントの改善を示しました。3月分のS＆amp;Pケースシラー住宅価格（20都市）は、前年比4.07%上昇となり、市場予想（4.50%）と前回結果（4.53%）から大きく低下しました。
3.業種別動向
S＆amp;P500の業種別株価指数では、11業種すべてが上昇となりました。なかでも、一般消費財・サービスは3%超上昇したほか、情報技術とコミュニケーション・サービスは2%超上昇、資本財・サービスや金融、素材、不動産、ヘルスケアは1%超上昇しました。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中28業種が上昇となりました。特に、ナイキ［NKE］が4%超上昇したほか、エヌビディア［NVDA］が3%超上昇、アメリカン・エキスプレス［AXP］やゴールドマン・サックス［GS］、アムジェン［AMGN］、アップル［AAPL］、アマゾン・ドットコム［AMZN］、ウォルト・ディズニー［DIS］、キャタピラー［CAT］、マイクロソフト［MSFT］、ホームデポ［HD］、ハネウェル・インターナショナル［HON］が2%以上上昇しました。
ダウ平均構成銘柄以外も、主力株やハイテク株を中心にしっかりで、テスラ［TSLA］が6.9%高となったほか、クラウドストライク・ホールディングス［CRWD］は3.7%高、ブロードコム［AVGO］は3.0%高、アルファベット［GOOGL］は2.6%高、メタ・プラットフォームズ［META］は2.4%高、サービスナウ［NOW］は2.3%高、ネットフリックス［NFLX］は2.2%高となりました。
一方で、信用スコア提供会社のフェア・アイザック［FICO］は11.3%下落し、S＆amp;P500株価指数構成銘柄の値下がり率ランキングでワーストとなりました。同社の価格設定に関して、連邦住宅金融局（FHFA）のビル・パルテ局長が懸念を示し、より費用対効果の高い信用評価オプションへの支持を表明して以来、同社の株価は下落が続いていますが、27日にパルテ氏が「FICOにはまだ満足していない」と述べたことを受け、一段安となりました。また、中国のオンライン小売「TEM」を運営するPDD ホールディングス［PDD］は、第1四半期決算において、米中貿易摩擦の影響で売上高の伸びが鈍化し、市場予想を下回る業績を発表したことで、13.6%安と急落しました。
5.為替・金利等
米長期金利は、前日から0.07%低い4.44 %で取引を終えました。ドル円は、144円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
昨日の米国市場では、主要3指数が揃って大きく反発しました。この流れを引継ぎ、本日の日本市場も大きく上昇してのスタートが見込まれ、日経平均は心理的節目の3万8000円台を回復して上げ幅を広げる展開となりそうです。一方、買いが一巡した後は、日本時間29日（木）早朝にエヌビディアの決算発表を控えていることから、持ち高調整の売りや利益確定の売りにより伸び悩む展開も想定されます。
（マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐）
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