東京市場まとめ
1.概況
日経平均は498円安の50,530円で反落して寄付きました。前日には1,100円余り上昇していたことから、利益確定の売りが優勢でのスタートとなりました。寄付き直後は、下げ幅を拡大し、50,300円台で一進一退での推移となりました。前場後半にかけて、徐々に下げ幅を拡大した日経平均は、10時54分に813円安の50,215円をつけ、本日の安値を更新しました。安値では押し目買いも入り、前引けにかけて持ち直し、563円安の50,465円で午前の取引を終えました。
後場は再び下落してのスタートとなり、再び安値圏で推移するも徐々に下げ幅を縮小する展開となりました。主だった材料に欠けながら、底堅い推移となった日経平均は最終的に536円安の50,491円で取引を終えました。TOPIXは35ポイント安の3,362ポイントとなりました。
新興市場では東証グロース250指数が1ポイント高の667ポイントで続伸となりました。
2.個別銘柄等
トレンドマイクロ(4704)は一時9.9%安の7,089円をつけ、年初来安値を更新しました。4日にアナリスト・機関投資家向けイベント「IR Day 2025」を開催し、先行きはAI関連などの開発で費用が増えるとの説明があり、成長鈍化を懸念した売りが優勢となりました。
ソフトバンクグループ(9984)は6.0%高の19,285円をつけ、3日続伸となりました。5日、同社の孫正義会長兼社長による同社株の保有比率が上昇したことがわかり、株価の先行きに強気な見方が広がったほか、11月に月間で4割近く株価が下落し、足元で割高感が薄れているとの見方から買いが入りました。
ブリヂストン(5108)は4.7%安の7,000円をつけ、4日ぶりに反落となりました。国内証券が同社の投資判断を3段階で最上位の「買い」から真ん中の「中立」に引き下げ、これを嫌気した売りが出ました。目標株価は従来の7,600円で据え置かれています。
理学機器の専門メーカーであるリガク・ホールディングス(268A)は一時16.0%高の1,182円をつけ、年初来高値を更新しました。4日、半導体製造工程でウエハーの膜の厚みなどを計測する装置の新製品「XTRAIA(エクストライア)MF-3400」の販売を始めたと発表し、同日の取引時間中には発表されていたものの、X線分析装置の需要拡大への期待は高く、改めて投資家の買いが入りました。
東証グロース市場に新規上場したFUNDINNO(462A)は、公開価格620円を42.4%上回る883円で初値をつけ、終値は公開価格比45.2%高の900円で初日の取引を終えました。同社は未上場企業と投資家をつなぐプラットフォームを運営し、資金調達や成長支援、株式売却機会の3機能を提供していくとされています。
VIEW POINT: 明日への視点
日経平均は週間で0.5%高、TOPIXは同0.5%安で取引を終えました。米国の金融政策に注目が集まっており、来週もFOMC(米連邦公開市場委員会)を念頭においた取引動向が見込まれます。追加利下げが大方見込まれており、注目はFOMCメンバーの経済予測で、先行きのインフレ、失業率の見通しとそれに準ずる政策金利の動向が注視されます。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)
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