東京市場まとめ
1.概況
日経平均は223円高の50,878円と続伸で寄付きました。ドル円相場が円安方向で推移しており、輸出関連銘柄が買われたことで序盤は上昇してのスタートとなりました。9時13分には452円高の51,107円をつけ本日の高値を更新しました。その後は伸び悩み、徐々に上げ幅を縮小すると、中ごろには下落に転じ、後半は軟調な推移となりました。10時53分に325円安の50,329円をつけこの日の安値を更新し、前場は206円安の50,448円で取引を終えました。
後場は、上値を追う材料もなく安値圏での推移となりました。50,362円から50,627円のレンジで一進一退で推移した日経平均は最終的に52円安の50,602円をつけ3日ぶりに反落となりました。TOPIXは4ポイント高の3,389ポイントで続伸、日中には最高値を更新する場面も見られました。
新興市場では東証グロース250指数が1ポイント高の667ポイントで反発となりました。
2.個別銘柄等
川崎重工業(7012)は2.5%高の11,720円をつけ7日続伸となりました。9日、外資系証券が同社の目標株価を従来の1万2800円から1万3200円に引き上げ、これを材料視した買いが優勢となりました。なお、投資判断は3段階で最上位の「バイ(買い)」で据え置かれています。
クボタ(6326)は一時4.6%高の2,347.5円をつけ年初来高値を更新しました。9日、外資系証券が同社の投資判断を3段階で中位の「中立」から最上位の「買い」に、目標株価を2,300円から2,650円に引き上げ、これを材料視した買いが入りました。
理化学機器の専門メーカーリガク・ホールディングス(268A)は2.7%高の1,182円をつけ反発となりました。9日、国内証券が同社の目標株価を従来の1,300円から1,600円に引き上げ、これを材料視した買いが入りました。なお、投資判断は3段階で最上位の「買い」で据え置かれています。
任天堂(7974)は2.7%安の11,580円をつけ4日続落となりました。日銀による利上げ観測などで成長株である同社に利益確定売りが出ました。商戦期のブラックフライデーでは他社の競合商品に販売で見劣りしたとの見方も売りに拍車をかけました。
企業データ連携ソフトウェア会社であるアステリア(3853)は3.4%高の1,043円をつけ5日ぶりに反発となりました。10日、「イーロン・マスク氏の宇宙開発企業、スペースXは300億ドル(約4兆7100億円)を大きく上回る資金の調達を目指し、新規株式公開(IPO)計画を進めている」と伝わり、スペースXに投資している同社の企業価値が高まるとの思惑から買いが入りました。
VIEW POINT: 明日への視点
日本市場は高安まちまちで、日経平均は0.1%安、TOPIXは0.1%高となりました。明日11日明け方に予定されるFOMC(米連邦公開市場委員会)の結果の発表を前に後場は様子見ムードが広がりました。FOMCでは、今会合での追加利下げが9割弱の確率で織り込まれており、利下げ自体はサプライズ性に乏しいと考えられます。
一方で、先行きの金利見通しが注目され、FRB(米連邦準備制度理事会)メンバーの2026年における想定利下げ回数などが市場の注目点と考えられます。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)
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