東京市場まとめ
1.概況
日経平均は1,012円安の54,608円と大幅安で寄付きました。先週末6日の米国市場では、雇用指標の悪化や中東情勢の緊迫化を受け主要3指数が揃って下落し、日本市場も売りが優勢でのスタートとなりました。序盤に大きく下げ幅を拡大した日経平均は、早々に52,000円台まで下げると、その後も軟調に推移しました。11時5分には4,213円安の51,407円で、この日の安値をつけました。その後も安値圏での推移となった日経平均は、3,880円安の51,740円で前引けとなりました。
後場は下げ止まり、徐々に下げ幅を縮小しました。もっとも、中東情勢を巡る警戒感は根強く、最終的には2,892円安の52,728円で大幅安となりました。
TOPIXは141ポイント安の3,575ポイントで3営業日ぶりに反落、新興市場では東証グロース250指数が27ポイント安の743ポイントで同じく3営業日ぶりに反落しました。
2.個別銘柄等
INPEX(1605)は一時5.6%高の4,320円をつけ、株式分割考慮後の上場来高値を更新しました。日本時間9日のニューヨーク原油先物相場でWTI期近物が一時1バレル110ドルを上回り、前週末の清算値から2割あまり上昇したことを受け、原油高に乗じた収益拡大の思惑が買いを呼びました。
東京電力ホールディングス(9501)は6.9%安の598.2円をつけ大幅続落となりました。原油高による採算悪化懸念が売り材料視されました。アナリストは「原発が再稼働していない東電HDは原油価格に連動しやすい液化天然ガス(LNG)などを用いた火力発電の割合が高く、原油高の影響を受けやすい。原油の供給懸念はまだ続きそうで足元の下値でも買い向かいづらい」との見方を示しています。
ローム(6963)は一時9.4%高の3,549円をつけ、昨年来高値を更新しました。6日前引け後に日本経済新聞が「デンソー(6902)がロームに買収を提案した」と報じ、同日にはストップ高となっていました。改めて、同社へのTOB(株式公開買い付け)への思惑から、本日も買いが入りました。
ビックカメラ(3048)は0.9%高の1,753.5円をつけ、3日続伸となりました。6日、国内証券が同社の目標株価を1,600円から1,780円へ引き上げたことが買い材料となりました。アナリストは「2026年8月期第1四半期(2025年9-11月期)は好調だった」としたうえで「第2四半期以降もPCが売り上げをけん引し、特に1月以降好調なエアコンもマージン改善に寄与する」と指摘しています。
システム開発を手掛けるアイル(3854)は5.5%高の2,512円をつけ、3日続伸となりました。6日、2026年7月期(今期)の当期純利益や年間配当の見通しを上方修正し、これらを好感した買いが入りました。当期純利益は前期比16%増の40億5000万円と、従来予想から3億2500万円引き上げ、年間配当は66円と従来予想から6円引き上げるとしています。
VIEW POINT: 明日への視点
中東情勢の長期化懸念や、それによる原油相場の急騰が株式市場の重荷となり、日経平均は、2,892円(5.2%)安と大きく下落しました。長期化懸念といった不確実性の高まりもあって、今週も中東情勢がメインの材料となりそうです。
今週は米国で物価指標の発表が予定されており、米国のインフレ動向が注目されます。インフレ再加速を印象付ける内容であった場合には、足元の原油高と併せてFRB(米連邦準備制度理事会)の追加利下げを遠ざける可能性があるでしょう。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)
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