お金持ち入門!

マイホームを買ってもいい人の「3つの条件」とは?「ローン期間中の収入が安定」など、3つの条件を満たさないと、住宅ローンの返済で苦しむことに!

2017年1月5日公開(2022年3月29日更新)
ザイ別冊編集部
facebook-share
twitter-icon
このエントリーをはてなブックマークに追加
RSS最新記事

マイホームを買うか、借りるか──。それは多くの人が昔から悩まされてきた重大テーマだろう。2020年の東京五輪に向けて高騰していた不動産価格も現在は下落傾向にあり、住宅ローン金利が最低水準にあるなかで、2017年は「買い時」とも考えられている。では、どんな人であれば、マイホームを購入しても将来後悔せずに済むのだろうか。

現在発売中の雑誌『めちゃくちゃ売れてる雑誌ザイが作った 今年こそお金持ち入門』では、マイホームを買うか借りるかをテーマにした「失敗しないマイホーム計画」特集を掲載! 今回はそのなかから、不動産投資などに詳しいオラガ総研株式会社の牧野知弘さんに聞いた「これから家を買っていい人の3つの条件」を抜粋して紹介する。

「マイホーム購入の新3ヵ条」とは?
家を買う際に「入口」から「出口」まで考えているか

マイホーム購入の新3カ条

 「マイホームの購入を、物件価格や住宅ローンといった『入口』だけの視点で判断するのは、失敗の元です」

 こう語るのは、不動産コンサルタントである牧野知弘さん。「入り口だけの視点」とは、一体どういうことだろうか。

 マイホームの購入を、資産形成や投資という側面で見た場合、物件価格や住宅ローンといった「入口」だけではなく、「途中」であるローン返済の確実性(=収入の安定性)や、最終的にはそのマイホームをどうするのかという「出口」までを視野に入れることが不可欠だというのだ。

 これらを踏まえて、牧野さんはこれから家を買っていい人の条件として3条件を挙げてくれた。3条件のポイントは、先程も牧野さんが指摘していたように、マイホーム購入を「入口」とすれば、「出口」までをイメージすることにある。

【マイホーム購入の新3ヵ条】
(1)住宅ローン期間の収入が安定している人
(2)資産価値が半値になってもいい人
(3)住みつぶす予定の人

【※関連記事はこちら!】
住宅ローンおすすめ比較[2017年版]

【買っていい人の条件その1】
ローン期間の収入が安定している人

 例えば35年でローンを組む場合、じっくり考慮しなければいけないのは、その間収入が安定して金銭的に心配ないかという点だ。気軽に住宅ローンを組むのもいいが、その返済原資は給料である。いわば“給料債権”を差し押さえられた状況だと思ったほうがいい。

 東電やシャープなど、安泰と思われた企業でさえ不安定になる昨今。本来マイホームを買っていい経済状況の人は少ないはずなのに、多くの人が購入している。そこにローン破たんが待ち受けていないとも限らない。住宅金融支援機構の調べによると、2015年度のフラット35利用者のうちリスク管理債権(住宅ローンの返済に困っている人)の割合は4.1%、およそ25人に1人に破たんの危険性がある計算になる。

 そこで購入派はローンを組む際、冷静に自分を見詰めることが非常に大事になる。中には管理職になることで給料が減る人もいる。残業も縮小傾向にあるし、将来は雇用形態もどうなるかわからないからだ。

 また、購入する場合はローン返済だけを考えていればいいのではない。購入に伴う諸費用として、不動産会社への仲介手数料、登記を行なった司法書士への報酬など、さまざまなお金が必要になる。諸費用の額は、物件や借入額によって差があるが、新築物件で物件価格の3~7%、中古物件で6~10%が目安だ。

 この他にも、引越し費用や家具・備品類の購入費を計算しておかなければいけない。さらに、新居に入居してから半年後あたりには都道府県税として「不動産取得税」が20万円前後くらい徴収される。

 なお、多くのマンションは10~15年ごとに大規模修繕が必要になる。住宅ローンを返済し終わる30年後には給排水管などの一段と大規模な工事が行なわれる。老朽化の程度によっては建て替えが必要になり、多額の追加資金を用意しなければいけない。購入派にはこうしたリスクがついて回る。

 このように住宅ローンの借入額や返済プランを考える際には、将来かかる費用をすべて洗い出しておくことが重要だ。そのうえでローン期間の自分の収入が安定しているかどうかを判断しよう。

 そして、ローンの返済方法にも毎月一定額を返済する方法と、ボーナス月に多く返済する方法があるが、ボーナスは当てにしないこと。また退職金で完済するつもりでいると破たんしかねないので要注意。現役期間中に完済できる額を上限に借り入れたい。

【買っていい人の条件その2】
資産価値が半値になってもいい人

 日本人にとって持ち家は“財産”という意識が強すぎるように思われる。その意識は変わってきているとはいえ、まだまだそう考える人は多いようだ。その思い込みが無理な住宅ローンを組む、ゆがんだ行動の一因になっている。

 住まいの資産価値の目安として、東日本不動産流通機構が2015年に調査した中古住宅の平均成約価格(契約が成立した価格)で見てみよう。

 戸建ては築0~5年が3710万円、築16~20年が3167万円、築31年以上は2268万円と、築年数が古くなるほど平均成約価格は下落する。

 マンションの下落傾向はもっと顕著だ。築0~5年が4739万円、築16~20年が2768万円、築31年以上は1572万円にまで下落するのである。これではいざ売却しようと思った時に約3000万円も“赤字”になってしまう。

 戸建ての下落がゆるやかなのは、マンションに比べると戸建てのほうが、物件価格の中で土地代の占める割合が大きいので、地価が変動しない限り資産価値を維持できるからだ。もちろん個体差もあり、立地など物件によっては購入価格より高く売却できることもあるが、レアなケースだ。

 2016年6月に「33年には約3軒に1軒が空き家になる」という予測が野村総合研究所から発表された。今後、日本は人口が減少していくことが確実だ。世帯数減少で持ち家の需要は減少し、空き家増大で供給は拡大するので資産価値の維持はさらに困難となる。実際、すでに郊外のちょっと不便なエリアは大暴落している。資産価値が維持できなければ、いざ売却を考えようにもどうにもならないことになってしまう。

 もちろん都心の一等地や人気駅の近くなら不動産価格は維持できそうだが、そんなエリアは普通のサラリーマンには手が届かない。購入派は将来の資産価値を見据えた物件選びが、従来以上に大切になるだろう。

 なお、空き家の増大傾向は賃貸マンションも例外ではなく、今後は家賃が下がることも予測されているため、賃貸派には追い風になることだろう。

(※「賃貸派に追い風、家賃は劇的に下がる見込み」のより詳しい内容は、現在好評発売中の『めちゃくちゃ売れてる雑誌ザイが作った 今年こそお金持ち入門』に掲載!)

 これらのことを踏まえても、30年後に住まいの資産価値が半値になってもいいと思うなら購入を考えてみるといいのではないだろうか。

【買っていい人の条件その3】
「生活費用の一部」と考えて住みつぶす予定の人

 ここまで読んでくると、今はまだ買わないほうが安全と感じる人も多いかもしれない。しかし、家というものは人生の質を左右するものでもある。あなたの理想とする暮らしを実現するために家を買うことは全然悪いことではない。家族旅行や美味しい食事をするのと同じで、財産ではなく人生を豊かに過ごす生活費用の一部と考えてみるのはどうだろう。

 東京五輪終了後には人口減少や高齢者の施設への移住によって、空き家はますます増え、不動産価格の下落圧力は強まりそうだ。しかし、マイホームの資産価値が下がったとしても、前述のように“住む”という価値にお金を払ったと考えれば決して損ではない。

 マイホームには購入するだけの効用があるものだ。その家を住みつぶす予定のある人には、ぜひ利用価値を考えることをおすすする。

 ただし、ここまで解説してきたように購入には大きなリスクがある。それをクリアできる人、具体的には家が半値以下になっても人生が狂わない人に限られるだろう。

(取材・文=sumica(株式会社ノート))

【※関連記事はこちら!】
住宅ローンおすすめ比較[2017年版]


『めちゃくちゃ売れてる雑誌ザイが作った 今年こそお金持ち入門』

 現在好評発売中の『めちゃくちゃ売れてる雑誌ザイが作った 今年こそお金持ち入門』では、そのほかにマイホーム購入派・賃貸派のメリット&デメリットを詳しく紹介している。

(※試し読みはこちら!⇒2017年、家は買うべき? 借りるべき?「購入派・賃貸派のメリット&デメリット」から失敗しないマイホーム計画を考えよう!

 真剣にマイホームの購入を考えている人は、『めちゃくちゃ売れてる雑誌ザイが作った 今年こそお金持ち入門』を参考にして、後悔しないマイホーム購入を目指そう。なお、普通のサラリーマンの「アパート経営&ワンルーム投資」についても掲載しているので、不動産投資に関心のある人はぜひ参考にしてほしい。

めちゃくちゃ売れてる雑誌ザイが作った 今年こそお金持ち入門』は全国の書店やアマゾン楽天ブックスなどのネット書店でも送料無料で好評発売中。

 お問い合わせは、「ザイ別冊担当(ダイヤモンド社書籍編集局第1編集部)」まで。

 ◆1月〜12月までのお得な株主優待の内容はココでチェック!


新しいFXの自動売買!「世界通貨セレクト」の3つの魅力とは?ザイ編集部が動画で解説!
最短翌日!口座開設が早い証券会社は? おすすめ!ネット証券を徹底比較!おすすめネット証券のポイント付き
ZAiオンライン アクセスランキング
1カ月
1週間
24時間
楽天カードは年会費永年無料で、どこで使っても1%還元で超人気! 【マイルの貯まりやすさで選ぶ!高還元でマイルが貯まるおすすめクレジットカード! 新しいFXの自動売買!「世界通貨セレクト」の3つの魅力とは?ザイ編集部が動画で解説!
マネックス証券の公式サイトはこちら 楽天カードは年会費永年無料で、どこで使っても1%還元で超人気! 【マイルの貯まりやすさで選ぶ!高還元でマイルが貯まるおすすめクレジットカード! 新しいFXの自動売買!「世界通貨セレクト」の3つの魅力とは?ザイ編集部が動画で解説!
ダイヤモンド・ザイ最新号のご案内
ダイヤモンド・ザイ最新号好評発売中!

最強日本株
第1四半期絶好調株
ふるさと納税

10月号8月21日発売
定価950円(税込)
◆購入はコチラ!

楽天で「ダイヤモンド・ザイ」最新号をご購入の場合はコチラ!Amazonで購入される方はこちら!

[2025年夏の最強日本株]
◎巻頭特集
人気20銘柄の最新判断も!
初速がスゴイ!第1四半期絶好調株
●2025年後半の主役はコレ!快進撃の人気株
●配当&値上がりの両狙い!即買い高配当株
●業績好転で上昇に弾み!急騰狙いの逆襲株

◎第1特集
高利回りも大化けも!
買いの105銘柄を一挙紹介
2025年夏の最強日本株
●買い時は9~10月!日経平均は4万8000円
●強気派VS弱気派の戦い方
●安心して持てる人気株!大型優良株

1位:ソニーグループ 2位:NEC
●配当利回り4%以上がズラリ!高配当株
1位:伊藤ハム米久HD 2位:INPEX
●優待+αが狙える!株主優待株
1位:サイバーエージェント 2位:ラウンドワン
●お手ごろ価格で買え分散も!10万円未満株
1位:ソフトバンク 2位:野村不動産HD
●まだ上がっていない割安株!出遅れ株
1位:SRE HD 2位:ウエストHD
●大化け期待の中小型株!新興市場株
1位:Aiロボティクス 2位:タイミー
●リスクをとって資産増を狙え!1年で2倍株
1位:インティメート・マージャー

◎第2特集
サボったら家族がこんなに困る!
投資家のための終活大全

●「口座情報の共有」が第一歩!財産の一覧表を作ろう
●信用取引やFXは特に注意!株の相続の基本を知ろう

●子どものいない夫婦は要注意!30代でも遺言書は必要!?

◎第3特集
☆☆☆の数を見るだけでOK!
NISAで売れてる投資信託をズバ斬り!
投信格付240

●見直し!NISAで買う投資信託の選び方
●NISAで最安投信!インデックス型
●大きな利益を狙う!アクティブ型
●リスクを抑えられる!バランス型

【別冊付録】
ポイント還元終了の駆け込み直前!
ふるさと納税45品

●ポイント還元が終わる前におトクなサイトで寄附を!
●10月以降はどのサイトで寄附する?
●肉/魚介類/果物野菜/お菓子/日用品

◎連載も充実
​●NEWS:「ホームラン級の爆騰も⁉ 大谷翔平スポンサー株本命3選」 
●次の1カ月何が起きる?プロが今の株式相場のポイントを解説!
「米国の値下げ狙いで再び4万円台が定着か」
●ZAi編集部の新人・ザイゼンがチャレンジ!目指せ!お金名人
「車は買う? 借りる?」
●10倍株を探せ!IPO株研究所2025年7月編
「初値4倍超の銘柄も! ただし過熱感に注意」
●17億円トレーダー・ジュンのFX成り上がり戦略
「セル・ザ・ファクトには要注意!」
●連載・おカネの本音 レンタルなんもしない人さん
「令和の新しい生存戦略。“なんもしない”で家族と生活していく!」
●マンガ恋する株式相場「100g175万円! 恋のゴールドラッシュ」
●マンガ「デメリットの回避策も! 事実婚のお金事情」


>>「最新号蔵出し記事」はこちら!


「ダイヤモンド・ザイ」の定期購読をされる方はコチラ!


>>【お詫びと訂正】ダイヤモンド・ザイはコチラ

「キャッシュレス決済」おすすめ比較 太田忠の日本株「中・小型株」アナリスト&ファンドマネジャーとして活躍。「勝つ」ための日本株ポートフォリオの作り方を提案する株式メルマガ&サロン

ダイヤモンド不動産研究所のお役立ち情報

ザイFX!のお役立ち情報

ダイヤモンドZAiオンラインαのお役立ち情報