IPO株の銘柄分析&予想

「ズーム」のIPO情報総まとめ!スケジュールから幹事証券、注目度、銘柄分析、他の音楽用電子機器の開発・販売企業との比較や予想まで解説![2017年3月30日 情報更新]

2017年2月22日公開(2022年3月29日更新)
ザイ・オンライン編集部
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会社名 ズーム
市場・コード/業種 JASDAQスタンダード・6694/電気機器
上場日 3月28日
申込期間(BB期間) 3月9日~3月15日
おすすめ証券会社 SMBC日興証券SBI証券カブドットコム証券
フィスコ分析による
市場の注目度
★★最高★5つ
初値(初値騰落率) 2278円(+49.87%)
最新チャート 【クリックで最新チャートへ】

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【目次】(クリックで該当する情報へ移動します)
▼いつ申し込んで、いつ購入する?(ブックビルディング期間、上場日など)
▼どこの証券会社で申し込める?(幹事証券会社)
▼いくらで買える?(仮条件・公募価格・予想PER・初値・初値騰落率など)
▼発行株数・単元数・公開規模は?

▼どんな会社?
▼業績データ/業績コメント
▼企業の詳細情報/銘柄紹介
▼投資のポイント

 

ズームのIPOは、いつ申し込んで、いつ購入する?
(ブックビルディング期間、上場日など)

■スケジュール
仮条件提示 3月8日
ブックビルディング(抽選申込)期間 3月9日~3月15日
公開価格決定 3月16日
購入申込期間 3月17日~3月23日
払込日 3月27日
上場日 3月28日

ズームのIPOは、どこの証券会社で申し込める?
(主幹事証券会社・幹事証券会社・委託販売証券会社など)

■取り扱い証券会社(2017年3月21日時点。割当は変更になる場合があります)
証券会社名
(※青文字はクリックで詳細ページへ)
引受シェア 口座開設
SMBC日興証券
[最短3日で取引可能]
4.3
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SBI証券
[最短翌日に取引可能]
1.7
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カブドットコム証券
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野村證券(主幹事証券) 87.0  
みずほ証券 1.7%  
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 1.7%  
いちよし証券 1.3%  
東洋証券 1.3%  
SMBCフレンド証券 0.9  

ズームのIPOは、いくらで買える? 割安/割高?
(仮条件・公募価格・予想PER・初値・初値騰落率など)

■価格情報
想定発行価格(※1) 1460
仮条件
[予想PER(※2)
1460~1520円
13.5倍~14.1倍]
公募価格 1520円
初値 2278円
初値騰落率 +49.87%
予想トレーディングレンジ(※3) 1300円~3000円
最新チャート 【クリックで最新チャートへ】
※1 有価証券届出書提出時。※2 予想EPS=今期(IPO時)予想純利益÷上場時発行済株式数、から計算したもの。※3 期間は上場後1年を想定。
■類似会社3社の予想PER(2017年3月6日終値の株価と会社側予想から計算)
会社名 ※クリックで最新チャートへ 予想PER
【3社平均】 21.9倍
オンキヨー<6628> 36.9倍(連)
TOA<6809> 15.8倍(連)
ヤマハ<7951> 13.1倍(連)

 予想EPSから割り出した仮条件の予想PERと、類似会社3社の平均PERと比較すると、本銘柄の公開価格は類似会社より割安と判断できる。

ズームの発行株数・単元数・公開規模は?

■株数などに関する情報
発行済株式数(上場時) 220万8012株(予定)
公開株式数 公募21万株  売出42万1000株
(オーバーアロットメントによる売出9万4600株)
想定公開規模(※1) 10.6億円(OA含む)
※1 有価証券届出書提出時における想定発行価格で計算。

ズームは音楽用電子機器を手掛けるJQ案件

「ズーム」の公式サイトより

 音楽用電子機器の開発及び販売を行う。現在、生産は全て生産委託先である中国のEMS企業に外注しており、自社工場は有していない。グローバルニッチ市場での売上拡大を掲げ、海外代理店55社と取引しており、売上高構成比は国内が11.4%、海外が88.6%となっている(いずれも2015年12月期実績)。

 一部のコア向け音楽用電子機器メーカーであるため、知名度の低さがネックとなりやすく、IPOとしても地味な印象との見方が多くなるだろう。需給面はさほど悪くないが、3月下旬はIPOラッシュとなることから積極的な買いは向かいにくいと考えられる。

 公開規模については11億円前後となる見込み。3/28に同時上場するNo.1<3562>が事業内容のテーマ性などから関心を集めているようで、資金分散の影響を考慮する必要がある。

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ズームの業績データ

■業績推移(単位:百万円・% )
決算期 売上高
(伸び率)
経常利益
(伸び率)
純利益
(伸び率)
2013/12 4,512
(―)
865
(―)
725
(―)
2014/12 5,225
(15.8%)
347
(-59.9%)
318
(-56.1%)
2015/12 5,950
(13.9%)
262
(-24.5%)
235
(-25.8%)
2016/12
(―)

(―)

(―)
2017/12予
(―)

(―)

(―)
■連結業績推移(単位:百万円・% )
決算期 売上高
(伸び率)
経常利益
(伸び率)
純利益
(伸び率)
2014/12 5,216
(―)
449
(―)
418
(―)
2015/12 5,950
(14.1%)
447
(-0.6%)
403
(-3.6%)
2016/12 5,969
(0.3%)
204
(-54.4%)
179
(-55.6%)
2017/12予 6,019
(0.8%)
299
(46.6%)
238
(33.0%)
2016/9 3Q 4,414
(―)
53
(―)
54
(―)
予想EPS(※)
/配当
連結:107.79円/-円
予想EPSは「今期(IPO時)予想純利益÷上場時発行済株式数」で計算したもの

ズームの業績コメント

 2017年12月期の業績は、売上高が前期比0.8%増の60.1億円、経常利益が同46.6%増の2.9億円と増収増益の見通しとなっている。

 足元の同社グループでは、主として製品の増産による受注残の解消及び開発の遅延回避への取り組みにより、売上増加を図ってきた。この結果、前期の第3四半期累計(2016年1月~9月)の売上高は4.4億円となったが、為替相場が円高で推移したことにより売上原価率が上昇した。

 主力のハンディオーディオレコーダーは、円高の進行により円貨建ての売上高が伸びなかったほか、H4nからH4nProへの移行による一時的な売上減少があった。マルチエフェクターは、既存機種の経年による売上減少を新商品であるG5nがカバーした。プロフェッショナルフィールドレコーダーは、映像制作者やサウンドデザイナー向けに発売したF8の出荷により堅調に推移した。

 なお、2017年12月期においては、継続的に新製品を発売して行くことにより売上・利益の増加を見込んでいる。

ズームの詳細情報

■基本情報
所在地 東京都千代田区神田駿河台四丁目4番地3
代表者名(生年月日) 代表取締役 CEO 飯島 雅宏(昭和30年11月3日生)
設立 昭和58年9月9日
資本金 4210万円(平成29年2月22日現在)
従業員数 新規上場会社78人 連結会社80人(平成29年1月31日現在)
事業内容 音楽用電子機器の開発及び販売
■売上高構成比率(2015/12期 実績)
品目 金額 比率
ハンディオーディオレコーダー 3,639 百万円 61.2%
マルチエフェクター 849 百万円 14.3%
ハンディビデオレコーダー 455 百万円 7.6%
マルチトラックレコーダー 327 百万円 5.5%
モバイルデバイスアクセサリ 92 百万円 1.5%
オーディオインターフェース 194 百万円 3.3%
プロフェッショナルフィールドレコーダー 101 百万円 1.7%
エレクトロニックダンスミュージック 0 百万円 0.0%
その他 291 百万円 4.9%
合計 5,950 百万円 100.0%
■大株主上位10位
順位 株主名 保有株数 保有シェア
1 飯島 雅宏 60万株 30.03%
1 莅戸 道人 60万株 30.03%
3 ズーム社員持株会 15万9012株 7.96%
4 Sound Service Musikanlagen-Vertriebsgesellschaft mbH 15万株 7.51%
5 松尾 泉 12万6000株 6.31
6 S.E Goodman Holdings, LLC 7万5000株 3.75%
6 Scott Rudolph 7万5000株 3.75%
8 みずほ成長支援投資事業有限責任組合 6万株 3.00%
9 Mogar Music S.p.A 4万2000株 2.10%
10 (株)AGSコンサルティング 3万株 1.50%
合計   191万7012株 95.95%
■その他情報
手取金の使途 設備資金(本社拡張に係る付属設備等内装工事、基幹業務システム構築資金としてのソフトウェアへの支出)および運転資金(新製品の金型取得費、研究開発に係る外注費及び人件費、本社拡張に伴うオフィス増床による敷金)に充当する予定
関係会社 ZOOM HK LTD (連結子会社) 卸売業
ZOOM UK Distribution LTD (持分法適用関連会社) 販売代理店業務
ZOOM North America LLC (持分法適用関連会社) 販売代理店業務
VC売却可能分(推定) 株(売出し・保有期間などの制限があるもの以外)
直近有償第三者割当 年月日 2012年12月5日
割当先 ズーム社員持株会ほか3名
発行価格 167円 ※株式分割を考慮済
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ズームの銘柄紹介

 同社グループは、同社、子会社2社(連結子会社1社、持分法非適用非連結子会社1社)、及び関連会社3社(持分法適用関連会社2社、持分法非適用関連会社1社)から構成されている。

 音楽用電子機器の開発及び販売を主な事業内容としており、世界中のクリエーターがよりユニークでオリジナルな作品を創造できるツールを提供することによってブランド力を構築し、株主、従業員や取引先などの同社グループと関係するステークホルダーから評価される企業を目指している。

 開発は同社(日本)で行っているが、生産は全て生産委託先である中国のEMS企業に外注しており、自社工場は有さない。中国で生産された製品は全てZOOM HK LTDから同社を通じて、米国向けはZOOM North America LLCへ、英国向けはZOOM UK Distribution LTDへ、その他地域向けは、各国の販売代理店へ販売される。

 なお、製品自体は中国又は香港の倉庫から国内の倉庫又は各国の販売代理店へ直接出荷している。また、国内倉庫及び各国の販売代理店からは、直接または卸売を通じて楽器店や家電量販店、ネット通販業者などに出荷され、店頭あるいはインターネットにより最終顧客へ販売される。

 音楽用電子機器事業の単一セグメントであり、主な製品は下記のカテゴリーに区分される。

 1.ハンディオーディオレコーダー(HAR)
 2.マルチエフェクター(MFX)
 3.ハンディビデオレコーダー(HVR)
 4.マルチトラックレコーダー(MTR)
 5.モバイルデバイスアクセサリ(MDA)
 6.オーディオインターフェース(AIF)
 7.プロフェッショナルフィールドレコーダー(PFR)
 8.エレクトロニックダンスミュージック(EDM)

ズームの投資のポイント

 一部のコア向け音楽用電子機器メーカーであるため、知名度の低さがネックとなりやすく、IPOとしても地味な印象との見方が多くなるだろう。また、今期こそ2ケタ増益予想だが、2014年12月期以降に利益水準が大きく落ち込んでおり、成長企業として評価されにくい。

 2016年以降に上場した公開規模10億円~15億円の案件19社の公開価格に対する初値上昇率は平均49.1%だが、公開価格比2倍以上の初値を付ける案件があれば公開価格割れスタートとなる案件もあるなどまちまちとなっている。同社は業態や業績面を考慮すれば、やや低めの初値位置が意識されるだろう。ベンチャーキャピタル保有株が少ないなど需給面はさほど悪くないが、3月下旬はIPOラッシュとなることから積極的な買いは向かいにくいと考えられる。

 同社グループは音楽用電子機器の開発・販売を主な事業内容としている。開発は日本で行っているが、現在、生産は全て生産委託先である中国のEMS企業に外注しており、自社工場は有していない。グローバルニッチ市場での売上拡大を掲げ、海外代理店55社と取引しており、売上高構成比は国内が11.4%、海外が88.6%となっている(いずれも2015年12月期実績)。

 主な製品はハンディオーディオレコーダー(同61.2%)、マルチエフェクター(同14.3%)、ハンディビデオレコーダー(同7.6%)といったカテゴリーに区分される。過去の技術とノウハウの蓄積を利用して新しい製品カテゴリーにも参入しており、2016年12月期にはエレクトロニックダンスミュージックのカテゴリーで初の機種となる「ARQ AR-96」を発売した。

 業績面について、2017年12月期は売上高が前期比0.8%増の60.1億円、経常利益が同46.6%増の2.9億円と増収増益の見通しとなっている。継続的に新製品を発売していくことにより増収増益を見込むが、経常利益以下については前期に計上した為替差損の減少による影響も大きい。営業利益段階では同3.7%増益と予想されている。想定仮条件水準の今期予想PERは12~15倍程度で、音響機器メーカー各社とおおむね同水準となる。なお、今期配当は未定としているが、前期は1株当たり20.00円の配当を実施している。

 公開規模については11億円前後となる見込み。ベンチャーキャピタルと思われる株主は1社6万株ほどしか確認されず、需給面は比較的良好とみられる。しかし、3/28はNo.1<3562>が同時上場するため、資金分散の影響を考慮する必要がある。上場発表直後の投資家の反応をみると、軽量感や事業内容のテーマ性などからNo.1に関心が向かっているようだ。

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[データ提供・銘柄分析]フィスコ 

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2023 2022 2021
19社
52社
24社
47社
26社
80社
10%:1人1票の平等抽選
最大5%:「ステージ別抽選」
※1
345万
【ポイント】
大手証券の中でもIPOに力を入れており、例年、主幹事数・取り扱い銘柄数ともに全証券会社中でトップクラス! また、国内五大証券会社のひとつだけあり「日本郵政グループ3社」や「JR九州」「ソフトバンク」などの超大型IPOでは、主幹事証券の1社として名を連ねることも多い。10%分の同率抽選では、1人1単元しか申し込めないので資金量に関係なく誰でも同じ当選確率となっているのがメリット。さらに、2019年2月からは、預かり資産などによって当選確率が変わる「ステージ別抽選」がスタート。平等抽選に外れた人を対象にした追加抽選で、最高ランクの「プラチナ」だと1人25票が割り当てられて当選確率が大幅にアップする。
※1 預かり資産残高などによって決まる「ステージ」ごとに、別途抽選票数が割り当てられる。
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主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) ネット配分・抽選方法 口座数
2023 2022 2021
21社
91社
13社
89社
21社
122社
60%:1単元1票の平等抽選
30%:「IPOチャレンジポイント」順に配分
10%:知識・経験・資力と取引状況を踏まえて配分
1245万
【ポイント】
ネット証券にもかかわらず、主幹事数、取扱銘柄数ともに大手証券会社に引けをとらない実績を誇る。特に取扱銘柄数がダントツで、2023年は全96社中91社と約95%のIPO銘柄を取り扱った。つまり、SBI証券の口座さえ持っていれば、ほとんどのIPO銘柄に申し込めると考えていいだろう。個人投資家への配分の100%がネット投資家へ配分されるのも魅力。1単元1票の抽選なので、多くの単元を申し込むほど当選確率は高くなる当選確率がアップする「IPOチャレンジポイント」が、資金量・取引量と関係なく、IPOに申し込み続ければ誰にでも貯められるのもメリットだ。また、スマートフォン専用サイトでIPOの申し込みや情報確認ができるのも便利。
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