闇株新聞[2018年]

東芝は自ら「破滅の道」を突き進む!決算短信を出さず、危機感もまるでない闇株新聞が追いかける「東芝」の闇

2017年5月18日公開(2022年3月29日更新)
闇株新聞編集部
facebook-share
twitter-icon
このエントリーをはてなブックマークに追加
RSS最新記事

監査法人から決算の承認を得られず、米原発子会社ウェスティングハウスの米連邦破産法の申請を巡り米国を敵にまわし、虎の子の半導体事業売却交渉は難航し、どんどん追い詰められています。はたしてこのまま市場から退場してしまうのか、それとも奇跡の上場維持はあるのか!? 東芝問題をいち早く報じ追いかけてきた刺激的な金融メルマガ「闇株新聞プレミアム」の見立てやいかに!?

東芝は自ら「破滅の道」を突き進む! 決算短信を出さず、危機感もまるでない 闇株新聞が追いかける「東芝」の闇

決算短信も出さず寛大な措置を
続けた東証さえも敵に回した

 東芝は、5月15日「2016年度通期業績見通しに関するお知らせ」なるIRを発表しました。本来であれば「決算短信」が発表されるタイミングですが、東芝は「これ以上、PwCあらた監査法人との関係を悪化させたくなかった」という理由で見送り、この「お知らせ」になったといいます。

 なんとも奇妙な言い分です。そもそも「決算短信」には、監査法人の「意見」は必要ありません(財務省に提出する「四半期報告書」には必要)。本決算(2016年度通期決算=2017年3月期)も提出期限は6月末ですから、あと1カ月以上もあります。

 ならば、2度も延期した挙句に監査法人の意見表明なしで発表した2016年度第3四半期決算のように、今回も「決算短信」だけ発表してもよかったはずです。

 ここまで“寛大な措置”を続けていた東証が、迅速な情報開示のために「上場企業は決算期末から45日以内に決算状況を開示する」と定めた「決算短信」をこんな形でないがしろにして、東芝は自ら上場廃止に近づいてしまったようなものです。

 では、関係悪化をおそれたPwCあらた監査法人は、この気遣いによって少しでも決算書の承認に前向きになってくれるでしょうか?

PwCあらたと心中することに決めた
現経営陣には生き残り戦略は皆無

 東芝は3月29日に米子会社・ウェスティングハウス(以下WH)の破産法適用を申請し、無理やり連結決算から外しました。その瞬間から東芝は米国すべてを敵に回し、WHの損失負担を巡って単独で戦うことになりました。

 そうした状態で、プライスウォーターハウスクーパース傘下のPwCあらた監査法人が、米国側が不利になる恐れのある決算など承認するはずがありません。つまり、この期に及んでPwCあらた監査法人に「これ以上、関係を悪化させたくない」などと気を使っても無駄なのです。

 いまとなっては手遅れですが、東芝が生き残るにはPwCあらた監査法人を解任して仮監査法人を選定し、念のために財務局に有価証券報告書の提出期限を1カ月延長してもらって(たぶん認められたはず)、7月末までの2カ月半で必死に決算処理を完了させるしか道はなかったはずです。

参考記事:東芝(6502)よ、なぜそれほどに死に急ぐ!?「地獄の扉」は開かれた、生還する唯一の策は…(2017年4月24日)

 実際、そうした動きもあったようですが、経営陣は4月末に漫然と諦め、PwCあらた監査法人と心中することに決めてしまいました。この期に及んでは、もはや一発退場(上場廃止)となるか、PwCあらた監査法人の要求を丸呑みしてWHの損失を無限に押し付けられるかの「二択」しか残っていません。

取締役にはいまだ危機感のかけらもなし
半導体事業売却でも泥沼化は必至

 さらに奇怪なことに、5月16日にリリースした「2016年度通期業績見通し」なるIRでは、4月11日の発表で8300億円となっていた「WHに対する親会社保証と貸倒引当金」の合計が、何の説明もなく9800億円に増額されています。

 記者会見でそこをアナリストに突かれた平田専務取締役は「いやぁ、(前回は)把握できていませんでした」と答えただけだったとか。まるで他人事です。

 さらには半導体メモリー事業の分社化・売却について、協業先の米ウェスタンデジタルが「差し止め」を国際商業会議所(ICC)国際仲裁裁判所に申し立てたと報道されています。
現経営陣の手腕では、この件も泥沼になるのは目に見えています。

 かくして東芝は、自ら「破滅」の道を突き進んでいくことになりそうです。

本連載は金融・経済のプロも愛読し”ネタ元”にしていると評判の刺激的な金融メルマガ『闇株新聞プレミアム』で配信された記事から、一部を抜粋・編集の上お送りしています。メルマガにご登録いただくと、政治経済や金融の話題を中心に、歴史文化や娯楽まで他のメディアでは決して読めない、濃くて深くてためになる記事が、毎週1回5本程度の本編と付録、番外編、速達便がお読みいただけます。

闇株新聞PREMIUM

闇株新聞PREMIUM
【発行周期】 毎週月曜日・ほか随時  【価格】 2,552円/月(税込)
闇株新聞PREMIUM 闇株新聞
週刊「闇株新聞」よりもさらに濃密な見解を毎週月曜日にお届けします。ニュースでは教えてくれない世界経済の見解、世間を騒がせている事件の裏側など闇株新聞にしか書けないネタが満載。
お試しはコチラ

 

DPM(ダイヤモンド・プレミアム・メールマガジン)

●DPM(ダイヤモンド・プレミアム・メールマガジン)とは?

金融・経済・ビジネス・投資に役立つタイムリーかつ有益な情報からブログに書けないディープな話まで、多彩な執筆陣がお届けする有料メールマガジンサービス。
初めての方は、購読後20日間無料! 


世の中の仕組みと人生のデザイン
【発行周期】 隔週木曜日  【価格】 864円/月(税込)
世の中の仕組みと人生のデザイン 橘 玲
金融、資産運用などに詳しい作家・橘玲氏が金融市場を含めた「世の中の仕組み」の中で、いかに楽しく(賢く)生きるか(人生のデザイン)をメルマガで伝えます。
お試しはコチラ

堀江 貴文のブログでは言えない話
【発行周期】 毎週月曜日、水曜、ほか随時  【価格】 864円/月(税込)
堀江 貴文のブログでは言えない話 堀江 貴文
巷ではホリエモンなんて呼ばれています。無料の媒体では書けない、とっておきの情報を書いていこうと思っています。メルマガ内公開で質問にも答えます。
お試しはコチラ

 


今日の注目株&相場見通し!!
【クレジットカード・オブ・ザ・イヤー 2023年版】2人の専門家がおすすめの「最優秀カード」が決定!2021年の最強クレジットカード(全8部門)を公開! 最短翌日!口座開設が早い証券会社は? おすすめ!ネット証券を徹底比較!おすすめネット証券のポイント付き
ZAiオンライン アクセスランキング
1カ月
1週間
24時間
楽天カードは年会費永年無料で、どこで使っても1%還元で超人気! 【マイルの貯まりやすさで選ぶ!高還元でマイルが貯まるおすすめクレジットカード!
楽天カードは年会費永年無料で、どこで使っても1%還元で超人気! 【マイルの貯まりやすさで選ぶ!高還元でマイルが貯まるおすすめクレジットカード!
ダイヤモンド・ザイ最新号のご案内
ダイヤモンド・ザイ最新号好評発売中!

最強株主優待
人気投信をズバ斬り!
最新iDeCo入門

4月号2月20日発売
定価950円(税込)
◆購入はコチラ!

楽天で「ダイヤモンド・ザイ」最新号をご購入の場合はコチラ!Amazonで購入される方はこちら!

[最強株主優待/投信格付]
◎巻頭特集
人気20銘柄の売買診断も!
最新決算でわかった2025年の大本命株28

●トランプ追い風株
●来期も好業績株
●好調の中小型株株
●配当を増額修正した株

◎第1特集
優待の達人25人が選んだ!
合計利回り30%超も!
最強株主優待ベスト150

桐谷さんの愛してやまない推し優待株
「優待+配当利回り」「最低投資額」2大ランキング
●多種多様なお店が並ぶ!外食
●押しグルメを探そう!食品
●家計の救世主!日用品
●いろんな買物に使える!百貨店・家電量販店
●化粧品や洋服でキレイに!美容・アパレル
●心躍る体験を!エンタメ・レジャー
●欲しいものが選べる!カタログ
●自由度が高い!金券・ポイント
●優待新設・廃止の最新ニュース
●優待弁護士が指南!優待株の失敗しない選び方
●女性優待ブロガー3人の座談会

◎第2特集
★★★の数を見るだけでOK!
人気投信をズバ斬り!
2年目NISAで買うべきは?
投信格付242【2025年春版】

2年目NISAの投信の選び方!
●コストの引下げアリ!インデックス型
●市場環境の変化が影響!アクティブ型
●株式比率の高い投信が好調!バランス型
●最高利回りは36%超!毎月分配型100

◎第3特集
手数料比較はもう古い!
大手ネット証券7社を徹底比較!
NISAで最強の証券会社セレクトガイド

基本サービスの充実度
ポイントのオトク度
●資産管理のしやすさ

【別冊付録】
今スグ始める?やめとくべき?
改正ポイントがわかる!最新iDeCo入門

iDeCoの何がスゴイ?
●受取のルールをマスター
●運用商品は何がオススメ?
●出口戦略こそ考えどころ
●手数料と買える投信で金融機関を選べ!


◎連載も充実!

◆目指せ!お金名人
◆おカネの本音!VOL.32
◆株入門マンガ恋する株式相場!
◆マンガどこから来てどこへ行くのか日本国


>>「最新号蔵出し記事」はこちら!


「ダイヤモンド・ザイ」の定期購読をされる方はコチラ!


>>【お詫びと訂正】ダイヤモンド・ザイはコチラ

【法人カード・オブ・ザ・イヤー2023】 クレジットカードの専門家が選んだ 2023年おすすめ「法人カード」を発表! 「キャッシュレス決済」おすすめ比較 太田忠の日本株「中・小型株」アナリスト&ファンドマネジャーとして活躍。「勝つ」ための日本株ポートフォリオの作り方を提案する株式メルマガ&サロン

ダイヤモンド不動産研究所のお役立ち情報

ザイFX!のお役立ち情報

ダイヤモンドZAiオンラインαのお役立ち情報