米国株式市場がそろって急落
NYダウは1週間で−4.2%も下落!
先週、米国株式市場が急落しました。金曜日にはバーゲン・ハンティングの買いが入ったものの、週間ベースでのパフォーマンスはS&P500指数が-4.1%、ダウ工業株価平均指数が-4.2%、ナスダック総合指数が-3.7%でした。
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株価急落の原因のひとつである長期金利の上昇は
先週木曜日を境に一区切り
株式市場が下落した理由は、このところ米国の長期金利がスルスルと上昇していたことによります。長期金利が上昇した理由は、原油価格の上昇とアマゾン(ティッカーシンボル:AMZN)が最低賃金を15ドルに引き上げると発表したことが賃金インフレに対する懸念を煽ったことによります。
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市中金利と株式バリュエーションは、喩えて言えばシーソーのような関係があることが知られており、金利が上昇すると株価は下がります。
今回と似たような長期金利の上昇は、今年の1月にも観察されました。その時は、2月頃からマーケットが大きく崩れました。今回も、長期金利が上昇した後、それに堪え切れなくなった株式市場が下落したのです。
幸い先週木曜日を境に、長期金利の上昇には一区切りがついたように見られます。米国10年債利回りは3.23%から3.15%へと下がりました。これは株式にとって良い展開です。
先週木曜日の立会では、大引けにかけてダウンティック(直近約定価格より下値)での「投げ」が殺到しました。これは、機関投資家が売りプログラムなどを使って一斉に持ち株を処分していることを示唆しています。
トレーダーが慌ててポジションをヘッジしていることを示すプット・コール・トレーディング・ボリュームも1.20※を付け、買いシグナルを発しました。(※出典:インベスターズ・ビジネス・デイリー)
米国の株式市場は決算発表シーズンに突入!
EPS成長率の鈍化が明らかに
米国は、第3四半期決算発表シーズンに突入しています。現在の米国株の相場は、業績の伸長を手掛かりに買ってゆくいわゆる「業績相場」ですから、そもそも企業業績が投資家の期待を裏切らないことが絶対に必要となります。普段以上に決算発表に注目し、良い決算を出す会社だけに投資したいと思います。
下は、主なセクターの四半期EPS成長率を示したチャートです。今回は2018年第3四半期決算ですから、黄色になります。
テクノロジーには、アップル(ティッカーシンボル:AAPL)、マイクロソフト(ティッカーシンボル:MSFT)が含まれます。コミュニケーション・サービスにはフェイスブック(ティッカーシンボル:FB)やアルファベット(ティッカーシンボル:GOOG)が含まれます。アマゾンは、消費循環に含まれています。
全体的に言えば、2018年2QあたりをピークとしてEPS成長率はだんだん下がりはじめることが読み取れると思います。これは、2017年12月に成立した税制改革法案が企業業績を押し上げる一時的効果がだんだん剥げてくること、米中貿易戦争の影響がだんだん出始めること、最近のドル高などを反映しています。
いずれにせよEPS成長率が鈍化している局面では、株価が上値を追いかけてゆくのは容易ではありません。だからこそコンセンサス予想を下回る悪い決算を出す企業は、普段以上にこっぴどく売られるリスクがあるのです。
これまでにS&P500採用銘柄のうち、決算発表を済ませた企業は6%に過ぎません。しかし「既に決算発表した企業が決算カンファレンスコールでどのような懸念点を議論したか?」ということを数値化すると、下のグラフのようになります(一部抜粋)。
「ドル高が心配だ」とコメントする企業が多く、前期よりも今期の方が懸念の声が強くなっている点が目を引きます。このことは、海外売上比率が高い企業の決算に注意する必要があることを示唆しています。むしろ、あまり海外展開していない中小型株の方が業績リスクは低いと思います。
このような理由から、目先は小型ハイテク株のようなドル高の影響を受けない株を中心に相場のリバウンドを取りに行きたいと考えます。
【今週のまとめ】
今週はバーゲン・ハンティングの好機到来!
海外売上比率の低い銘柄を狙え!
長期金利上昇を嫌気して、米国株式市場は調整しました。しかし長期金利が下がったことで、投資家はホッと胸をなでおろしています。今週はバーゲン・ハンティングの好機だと思います。
ドル高が企業業績に与える悪影響が懸念されている折、海外売上比率が低い小型ハイテク株に妙味があると思います。
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