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米国株は2020年も上昇トレンドが継続! 「PER+インフレ率」で見ると、今は「バブル相場の入り口」に過ぎず、これからさらなる上昇相場が期待できる!

2019年12月30日公開(2022年3月29日更新)
広瀬 隆雄
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息もつかせぬ上昇相場に、
「今の米国市場はバブル?」という疑念が!

 2019年10月以降、米国株式市場は息もつかせぬ上昇をしてきました。年初から12月27日までのパフォーマンスは、S&P500指数が+29.2%、ナスダック総合指数が+35.7%、ダウ工業株価平均指数(NYダウ)が+22.8%です。

■S&P500指数チャート/週足・2年
S&P500指数チャート/週足・2年S&P500指数チャート/週足・2年(出典:SBI証券公式サイト)
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 このため、「ひょっとして、今のアメリカ株はバブルではないの?」という声が聞こえ始めています。今日はこの問題を検証したいと思います。

現在のS&P500の予想PERは、
過去5年間の平均に比べると「やや割高」

 2020年のS&P500の1株当たり利益(EPS)は、178.21ドルだと予想されています。

 12月27日現在のS&P500指数は3240ですので、これを178.21で割り算することで求められる株価収益率(PER)は18.18倍になります。過去5年間の向こう12カ月のEPS予想に基づいた平均PERは16.6倍です。すると、現在のPER18.18倍という数字は、やや割高と言えます

「PER+インフレ率」という基準で比較すると、
今はまだ「バブルの起点」に過ぎない!

 株式のバリュエーションを論じる際、インフレ率との関係を抜きにすることはできません。過去5年間の平均インフレ率は1.55%でした。

 とてもザックリとした議論になりますが、「PER+インフレ率が20以内であれば、バリュエーションは適正!」とする考え方がウォール街にはあります

 それを先ほどの過去5年の平均PER、ならびに過去5年の平均インフレ率にあてはめると16.6+1.55=18.15となり、20以内に収まっています。

 次に現在のPER、ならびに現在のインフレ率で同様の計算をすると18.18+2.0=20.18となり、わずかに20を超えてしまっています

 ちなみに、1995年に米国の連邦準備制度理事会(FRB)が現在と同じく3回の小刻みな利下げをした後で様子見に転じたときのPERは18.08、インフレ率は2.79でした。つまり18.08+2.79=20.87であり、現在とほぼ同じ水準です。

 その後のドットコム・バブルのピークになると、この数値は35を超えました。しかし、そこへ到達するまでに5年間のブル相場があったのです!

 つまり、「今はバブル相場の終点ではなく、むしろ起点に近い」ということです。そう考えると、今アッサリと相場から降りてしまうのは、みすみすこれからの上昇相場を取り逃がすリスクがあるということです

現在の株式市場は楽観ムードが漂っているので要注意!
2020年を占う「年初の5立会日」に注目しよう

 ただし、現在の株式市場には楽観ムードが蔓延しています。したがって、目先は細心の注意を払い、相場の景色が変わらないかどうかを見守る必要があります。

 とりわけ「1月2日(木)から1月8日(水)までの年初の5立会日がプラスで終わるかどうか?」に注目してください。

 なぜなら、「年初の5立会日がプラスだった場合、81.8%の確率でその1年がプラスで終わる」というジンクスがあるからです。逆に、最初の年初の5立会日がマイナスであればその1年がマイナスで終わるリスクは高まります。

 特に、大統領選挙のある年の1月、2月に株式市場が下げるのは、現職の大統領が敗北する不吉な予兆であると言われています。

【今週のまとめ】
2020年の株式市場には期待できるが、
ここらで一服する可能性もあるので慎重に!

 現在のS&P500の向こう12カ月の1株当たり利益予想に基づく株価収益率は、18.18倍です。インフレ率を加味した評価では、このバリュエーションは許容できる範囲内と言えるでしょう。むしろ、今はバブル相場の起点に近いと考えることもできます。だから「もう割高だ!」と決めつけて、相場から全降りするのは得策ではありません。

 とはいえ、過去2カ月、米国市場は一気に上昇してきたので、ここらで一服した方が良いかもしれません。その場合、1月の最初の5立会日のマーケットの動きに特に注目してください。ものすごく悪いリズムで新年の取引が開始されると、それは不吉な予兆です。

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