9月の非農業部門雇用者数は1万6000人、10月の数字は3万3000人、それぞれ下方修正されました。したがって、ならして見れば非農業部門雇用者数の改善はそれほど大きくないと言えます。実際、今年に入ってからの非農業部門雇用者数の月次平均は+15.1万人であり、去年に比べて少し数字が悪化しています。
また、11月の失業率は7.7%でした。
失業率が改善している理由は、雇用が増えているというより、就職を諦めてしまう人が多いことが原因です。日本などと同じく米国でも、積極的に職探しをしていない人は「雇用市場を去った」と理解され、失業率を計算するときの分母にはカウントされません。上のグラフに見られるように、失業率が着実に改善しているように見えるのはそのせいです。
2008年1月の労働参加率(生産年齢に占める[労働者+労働意欲のある人]の割合)は66%でした。現在はそれが63.6%に下がっています。したがって、仮に労働参加率が66%のままで推移したと仮定した場合、失業率は11.1%になるのです。
さらに、今回の非農業部門雇用者数の業種別の増加数も、雇用の「質」を論じる上で重要なポイントです。今回は小売業が+5.3万人、レジャー産業が+2.3万人、ヘルスケアが+2.2万人などとなっており、製造業は過去4カ月のうち3カ月で雇用が減少しました。
小売業の雇用増は、クリスマス商戦が年々前倒しになっていることと関係していると見るエコノミストもいます。このように小売業は季節性を伴っているし、解雇が起きやすいという点でも質の高い雇用増とは言えないと思います。
クリスマス商戦はまずまずの出足だが…
年末年始の米国株式市場の見通しを考える上で、私が最も重視しているのは、クリスマス商戦の売上げトレンドです。
なぜならば、米国経済の約7割が消費で構成されており、小売売上げにとって11・12月のクリスマス商戦期間はたいへん重要な時期だからです。
これまでのところクリスマス商戦は、ネット・ショッピングを中心に好調なブラック・フライデー(サンクスギビング明けの金曜日=米国で最も小売売上高が多い日として知られています)を記録しました。その後、売上げは若干息切れしているものの、まずまずのトレンドだと言われています。
つまり、思わぬ消費の不振で米国経済、ひいては世界経済が再び暗転するリスクは幾分減ったということです。
依然残る「財政の崖」の不透明感と、市場の思惑が交錯
この「消費が堅調」という米国株式市場にとってよい材料を相殺しているのが、「財政の崖」を巡る不透明感です。
共和党と民主党の主張にはまだ大きな隔たりがあり、譲歩は全くなされていません。ですが市場参加者の大半は「なんだかんだ言っても、結局、土壇場で両者は歩み寄り、『財政の崖』は回避される」と考えています。マーケットにじりじりとした上方バイアスがかかっているのは、このような楽観的な見方を反映したものだと言えます。
「相場は、不安の壁を駆け上る」という格言があり、「財政の崖」のような材料は往々にして強気材料となります。しかしその反動で、実際に「財政の崖」が回避された場合、「相場は知ったら、しまい」で、好材料の出尽くしが売り材料と見做される可能性も残っているのです。
例年、12月15日前後は「タックス・ロス・セリング」(=年末までに株式投資の損を確定することで、収入と相殺し、税金を節約するテクニック)がクライマックスを迎え、米国株に買い場が到来します。
しかし今年は「財政の崖」との絡みで税金対策に関する思惑は例年以上に錯綜しています。それは普通なら12月15日前後に到来するはずの買い場が、今年は訪れないかもしれないということを示唆しているように思います。
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