20年以上にわたってクレジットカード業界を取材し続けてきた、クレジットカードの達人・岩田昭男氏が、ビジネスパーソンにふさわしいゴールドカードやプラチナカードの選び方を伝授!
第一回は、日本のクレジットカード業界の現状を徹底分析。今後、日本でクレジットカードの利用比率が急激に高まる可能性を秘めた「転換の時期」にきていると考える岩田氏に、その理由を聞いた!
日本のクレジットカード決済の比率はわずか12~14%
しかし、今後数年で急激に上昇する可能性も!
皆さんは、クレジットカードをどのくらい利用していますか?
消費増税や物価高騰の影響もあり、ここ数年は「得するクレジットカード」がよく話題になるようになっています。
しかし、実は日本の個人消費におけるクレジットカード決済の比率はそれほど高くありません。例えば、クレジットカード社会と言われる米国では個人消費に占めるクレジットカード決済の比率は24~25%、お隣の韓国では60%を超えているのに対し、日本ではせいぜい12~14%程度です。日本でもクレジットカード決済の比率は徐々に増えてはいるものの、韓国のように急激に増えることはありませんでした。
その原因は、いまでも「クレジットカード=借金」と考えている人が多いためです。「一括で利用すればいいのでは?」とも思いますが、決済から支払いまでの期間だけでも「お金を借りている」というネガティブなイメージを持つ人が多く、クレジットカード決済よりも現金払いを好む人のほうが圧倒的に多いのです。
しかし、米国などではまったく逆の考え方が定着しています。それは「現金で支払い、手元の現金がなくなってしまうのはリスクが高い」という考え方です。クレジットカード決済なら支払いを先延ばしでき、その間に現金を運用することもできるなど、現金はさまざまな事態に対応できるものなので、逆に現金は残しておいて、クレジットカードで決済すべき、という考え方なわけです。
私自身は年齢的にも「借金はしたくない」という考え方はよく理解できますが、日本でもそろそろ「クレジットカードを利用すると借金になる」という考え方ではなく、「クレジットカードを利用したほうが得だ」という考え方に「転換する時期」になっていると思います。
というのも、今、クレジットカード業界自体が大きな「転換の時期」を迎えているからです。
「キャッシュレス化」「カードを使った販促戦略の強化」など
カード業界以外のプレーヤーによる大きな変化が起こっている!
日本でのクレジットカード決済の比率はまだまだ少ないと書きましたが、これまでもクレジットカード業界としては「すべての決済をクレジットカードに置き換えたい」と思って、さまざまなサービスを展開してきたんですが、それでもあまり伸びなかった。
ただ、その状況が大きく変わる気配があります。ただし、それはクレジットカード業界というよりも、その外側に大きな理由があります。
私がクレジットカード業界は「転換の時期」を迎えていると考える、主な理由としては以下の3点が挙げられます。
①さまざまな業界で進んでいる「キャッシュレス化」
②「Square(スクエア)」など簡略な「カード決済サービスの普及」
③共通ポイント+小売業者の「カードを使った販促戦略の強化」
この3点について、解説していきましょう。
※クレジットカードの専門家2人が選んだ、2023年の最強カードは?
⇒【クレジットカード・オブ・ザ・イヤー 2023年版】
「おすすめクレジットカード」を2人の専門家が選出!
全8部門の“2023年の最優秀カード”を詳しく解説!
【2023年2月1日時点・最新情報】
|
||||
還元率 | 年会費 (税込) |
ブランド | 電子マネー対応 (ポイント付与対象) |
カード フェイス |
◆楽天カード |
||||
1.0~3.0% | 永年無料 | VISA JCB Master AMEX |
楽天Edy (楽天Edyへの チャージ分は 還元率0.5%) |
![]() |
【楽天カードのおすすめポイント】 楽天市場や楽天ブックス、楽天トラベルを利用している人はもちろん、楽天ユーザー以外にもおすすめの「年会費無料&高還元」クレジットカードの代表格。通常還元率は1.0%だが、楽天市場や楽天ブックスでは最低でも還元率が3.0%以上に! また、「楽天ポイントカード」や電子マネーの「楽天Edy」との併用で、楽天グループ以外でも還元率は1.5~2.0%以上になる! ゴールドカードの「楽天プレミアムカード」も格安の年会費で「プライオリティ・パス」がゲットできてコスパ最強! |
||||
【関連記事】 ◆【クレジットカード・オブ・ザ・イヤー 2023年版】「おすすめクレジットカード」を2人の専門家が選出!全8部門の“2023年の最優秀カード”を詳しく解説!(最優秀メインカード部門) ◆「楽天ポイント」が改悪続きでも“最強のポイント”である理由を専門家が解説!「楽天カード」などだけでなく、無料でポイントを獲得できるサービスが魅力! ◆「楽天カード」よりも「楽天プレミアムカード」のほうが得をする“損益分岐点”が判明! 楽天市場で年36万円を利用しない限り、年会費無料の「楽天カード」で十分! |
||||
◆三井住友カード(NL) |
||||
0.5~5.0% | 永年無料 | VISA Master |
iD |
![]() |
【三井住友カード(NL)のおすすめポイント】 2021年2月に申し込み受付が始まった「三井住友カード」の新しいクレジットカードで、券面にカード番号が記載されていない「ナンバーレス(NL)」なのが特徴(カード番号はアプリで確認可能)。通常還元率は0.5%と一般的なクレジットカードと同等だが、セブン-イレブン、ローソン、マクドナルドなどで「Visaのタッチ決済」または「Mastercardコンタクトレス」で支払うと、還元率5%に大幅アップ(※)するので、セブン-イレブン、ローソン、マクドナルドなどを日常的に利用する人におすすめ! さらに、獲得できる「Vポイント」は、dポイント、Pontaポイント、楽天ポイント、Tポイント、ANAマイルなどに交換できるほか、「1ポイント=1円」としてカード利用額に充当できるなど、ポイントの汎用性が高いのも魅力! ※ 一部店舗では還元率5.0%とならない場合あり。また、一部店舗および一定金額を超える支払いでは「Visaのタッチ決済」および「Mastercardコンタクトレス」が利用不可の場合あり。 |
||||
【関連記事】 ◆「三井住友カード(NL)」は年会費無料+高還元+最短翌日発行の“三拍子”が揃ったおすすめカード!「対象コンビニ&飲食店で最大5%還元」特典は利用価値あり! ◆「三井住友カード(NL)」は、年会費無料&対象コンビニで最大還元率5%のお得なクレジットカード! カード情報を記載していないのでセキュリティも抜群! |
||||
◆Marriott Bonvoy アメリカン・エキスプレス・プレミアム・カード |
||||
1.875% (※1) |
4万9500円 | AMEX | - |
![]() |
【Marriott Bonvoy アメリカン・エキスプレス・プレミアム・カードのおすすめポイント】 2022年2月24日に誕生した「スターウッド プリファード ゲスト アメリカン・エキスプレス・カード(SPGアメックス)」の後継カード。SPGアメックスと同じく、通常100円につき3ポイントが貯まり、「6万ポイント⇒2万5000マイル」の高い交換レート(=還元率1.875%!)でANAやJALなどの航空会社40社以上のマイルに移行可能! しかも、ポイントの有効期限は「最後にポイントが増減した日から2年間」なので“実質”無期限でマイルを貯められるのも大きなメリット。また、世界的ホテルグループ「マリオット・インターナショナル」との提携カードなので、カードを保有するだけで上級会員資格「ゴールドエリート」が手に入り、客室のアップグレードや14時までのレイトチェックアウトなどの特典が利用できる。さらに、年間150万円以上を利用したうえでカードを更新すると、シェラトンやウェスティンなどの同グループのホテルに2名まで無料で1泊できる「無料宿泊特典」(※2)がもらえるほか、年間400万円以上を利用するとワンランク上の会員資格「プラチナエリート」が手に入り、最大でスイートまでの客室アップグレード、朝食無料サービスなどの豪華特典が利用可能に! 家族カード1枚は年会費が無料(2枚目以降は年会費2万4750円・税込)になり、夫婦や家族でポイントが貯めやすくなっている。 ※1 6万ポイントを一度にマイルに移行した場合。1マイル=1.5円換算。※2 交換レートで5万ポイントまでのホテルに宿泊可能。追加で最大1万5000ポイントを支払って、6万5000ポイントまでのホテルに宿泊することも可能。 |
||||
【関連記事】 ◆【クレジットカード・オブ・ザ・イヤー 2023年版】「おすすめクレジットカード」を2人の専門家が選出!全8部門の“2023年の最優秀カード”を詳しく解説!(マイル系カード&プラチナカード部門) ◆「Marriott Bonvoyアメックス」のメリットを解説!「SPGアメックス」の後継の「プレミアム」なら、年400万円の利用で「プラチナエリート」資格を獲得できる! ◆【アメリカン・エキスプレス・カードを一覧で比較】アメックスが発行する15枚のカードの年会費や特典、還元率を比較して、自分にピッタリの1枚を探そう!(Marriott Bonvoy アメックス・プレミアム編) |
||||
還元率 | 年会費 (税込) |
ブランド | 電子マネー対応 (ポイント付与対象) |
カード フェイス |
◆JCB CARD W(ダブル) |
||||
1.0~5.5% | 永年無料 | JCB | QUICPay |
![]() |
【JCB CARD W(ダブル)のおすすめポイント】 39歳以下の人だけが申し込める、年会費無料の高還元クレジットカード!(40歳以降も継続して保有可能)通常還元率は1%、「ORIGINAL SERIESパートナー加盟店」のAmazonやセブン-イレブンなどでは還元率2%、「ポイントップ登録(無料)」をすれば「スターバックスカード」へのチャージで還元率5.5%に! |
||||
【関連記事】 ◆「JCB CARD W」は「楽天カード」などとほぼ同じ、年会費無料+還元率1~3%のJCBの入門用カード!Amazonやスタバをよく利用する20~30代は注目! ◆「JCB CARD W」は、年会費無料で還元率1%以上のお得な高還元クレジットカード!「JCB CARD W」のメリット・デメリットを他のカードと比較して検証! ◆JCB CARD W(ダブル)のメリットを解説!「年会費無料」「常に還元率1.0%以上」「ポイントの使い勝手が良い」と三拍子そろった高還元クレジットカード! |
||||
◆セゾンパール・アメリカン・エキスプレス・カード Digital |
||||
0.5~2.0% | 初年度無料 次年度以降も 条件次第で無料(※1) |
AMEX | Suica |
![]() |
【セゾンパール・アメリカン・エキスプレス・カード Digitalのおすすめポイント】 通常還元率は0.5%だが、QUICPay決済を利用した場合は還元率2%に大幅アップ!(※2) セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソンといったコンビニはもちろん、マツモトキヨシやツルハグループなどのドラッグストア、ビックカメラやヨドバシカメラといった家電量販店など、QUICPayを利用できる店舗ではいつでもどこでも還元率2%になるので非常にお得! 貯まるポイントは、有効期限のない「永久不滅ポイント」なので、ポイントの失効を気にする必要がないのもメリット! ※1 2年目以降1100円。ただし、年一回でもクレジットカードの利用があれば次年度以降も無料。※2 2022年10月31日までの利用分が対象で、2022年11月1日以降の還元率は未定。 |
||||
【関連記事】 ◆「セゾンパール・アメックス・カード Digital」は、QUICPayで2%還元と超お得! 最短5分で発行できる「SAISON CARD Digital」の申し込み方法も解説! ◆還元率が高い、おすすめのクレジットカードを紹介!クイックペイを利用すれば還元率2%になる「セゾンパール」など、年会費が実質無料で注目の3枚をチェック |
||||
◆三井住友カード ゴールド(NL) |
||||
0.5~5.0% |
5500円 (ただし、年100万円以上の 利用で次年度から永年無料) |
VISA Master |
iD |
![]() |
【三井住友カード ゴールド(NL)のおすすめポイント】 2021年7月1日に発行が始まった、券面にカード番号が記載されていない“ナンバーレス(NL)”のゴールドカード。年会費5500円(税込)だが、年間100万円を利用すると(※1)、次年度から年会費が“永年無料”になるうえに、1万ポイントが「継続特典」としてもらえるのが大きな魅力! さらに、通常還元率は0.5%と一般的なクレジットカードと同等だが、セブン-イレブン、ローソン、マクドナルドなどで「Visaのタッチ決済」または「Mastercardコンタクトレス」で支払うと還元率5%に大幅アップ(※2)するなど、ポイントも貯まりやすくてお得! ※1 対象取引などの詳細は、三井住友カードの公式サイトでご確認ください。※2 一部店舗では還元率5.0%とならない場合あり。また、一部店舗および一定金額を超える支払いでは「Visaのタッチ決済」および「Mastercardコンタクトレス」が利用不可の場合あり。 |
||||
【関連記事】 ◆「三井住友カード ゴールド(NL)」は、年100万円以上を使うと年会費が“永年無料”に! コンビニで5%還元、空港ラウンジや旅行保険などの特典も付帯してお得! ◆三井住友カード ゴールド(NL)のメリット・デメリットを解説! 同じく“実質”年会費が無料の「エポスゴールドカード」と付帯サービスなどを比較して魅力を解剖! |
||||
◆au PAY カード |
||||
1.0~2.0% |
初年度無料 次年度以降も 条件次第で無料(※) |
VISA Master |
- |
![]() |
【au PAY カードのおすすめポイント】 通常還元率1.0%でPontaポイントが貯まり、マツモトキヨシやかっぱ寿司などの「au PAY ポイントアップ店」では還元率1.5~2.0%以上に達する、auユーザー以外も得するクレジットカード! さらに、スマホ決済の「au PAY」へのチャージでも1.0%分のポイントが貯まり、「au PAY(コード払い)」の利用時に0.5%分のポイントが貯まるので、合計還元率1.5%でPontaポイントを2重取りできる! しかも、初年度は年会費無料、2年目以降は年会費1375円(税込)だが、年に1回でもカード決済、もしくは携帯電話などのauのサービスを利用していれば次年度以降の年会費も無料に! ※ 2年目以降1375円。ただし、年一回でも利用した場合、もしくは「au ID」に「au PAY カード」を紐付けて、携帯電話などのauサービスを利用している場合は次年度無料。 |
||||
【関連記事】 ◆「auカブコム証券+au PAY カード」で積立投資すると最大5%のPontaポイントが貯まる! つみたてNISAも対象なので、これから投資を始める人にもおすすめ! ◆「au PAY カード」を使って、auカブコム証券で投資信託の積立投資をしてみた! 積立金額の1~5%分のPontaポイントが付与されるタイミングなどを検証! |
||||