自営業者や非正規労働者でもそこそこの収入がある人は、クレジットカードが作れないとは限らないので、悲観する必要はないでしょう。いきなりゴールドカード以上の上級カードを作るのはたしかに難しいですが、一般カードであれば作れる場合もあります。一般カードには上級カードのような高い付加価値はセットされていないものの、日常使いには何の問題もない機能が備わっています。年会費は無料か、低額に抑えられています。
一般カードの中でも、銀行が発行するものは比較的審査が厳しいとされています。これに対し、流通系や小売り系企業などが発行する年会費無料のカードは、比較的審査のハードルが低いといえます。そのため、クレジットカード会社に低い評価をされがちな属性の人は、そうしたハードルの低いクレジットカードを持つところから始めるのがおすすめです。
そこから上級カードへの昇格を目指すのであれば、とにかくクレジットカードをこまめに使うことによって、そしてもちろんきちんと返済していくことによって、堅実な「クレジットヒストリー」を築き上げていくことが重要です。「クレジットヒストリー」とは、文字どおり「クレジットカードの利用履歴」を指します。
クレジットカード会社にとって理想的なのは、毎月たくさんカードを使って、きちんと期日までに返済する顧客です。理想的な顧客になるためには、日々の買い物をなるべくクレジットカード決済にするといいでしょう。その上で、延滞せずに返済していく生活を一定期間続けていけば、クレジットカード会社は次第にあなたを信用するようになるはずです。
コツコツ使ってこそ、信用が積み重ねられていく!
毎月10万円以上は使い、遅れずに返済するのがベスト
先ほど、「一定期間」クレジットヒストリーを築く――と書きましたが、期間の目安は1~2年と考えてください。というのも、個人のクレジットヒストリーを遡って見られるのは、2年分までだからです。
すべてのクレジットカード会社は、「個人信用情報機関」というところに加盟しています。この「個人信用情報機関」では、すべての人のクレジットカードの契約情報、返済情報(クレジットヒストリー)、キャッシング情報、ローン情報などを保管しています。
皆さんがクレジットカードの申し込みをすると、クレジットカード会社はこの「個人信用情報機関」で情報を閲覧し、審査の参考にします。このときに「クレジットヒストリー」がまっさらであるよりは、「アクティブに利用し、問題なく返済している」というデータを築いていたほうが、信用力は上がるのです。
「個人信用情報機関」で閲覧できる各人のクレジットカードの利用履歴は、毎月更新されます。仮に返済の延滞などがあると、すぐにわかるように印がつけられてしまいます。無事に返済されていたときにも、それはそれで印($マーク)がつけられます(ただし、クレジットカードによっては返済の印がつかず、クレジットヒストリーがわかりにくくなるカードもあります)。
返済や延滞の情報は随時更新され、古いものから消えていきます。記録が残る期間は最長2年なので、それ以前に延滞したことがあっても、その後きちんと返済していれば、信用情報は無傷の状態に戻ります。つまり、(過去に自己破産した人などは別ですが)2年以上前の失敗を問われることはありません。
もし、2年分のクレジットヒストリーがきちんとしていれば、自営業者や非正規労働者の方でもクレジットカードの入会審査を突破できる可能性は高いでしょう。繰り返しになりますが、重要なのは、クレジットカードを毎月のように使った上で、返済もきちんとしていることです。使う金額が多いほうが、「アクティブな顧客」と見なされて、さらに審査での印象はよくなります。
望ましいクレジットカード利用金額の目安ですが、月に10万円以上使っていれば(そして返済に滞りがなければ)、ゴールドカードやプラチナカードなどの上級カードへのランクアップも夢ではないでしょう。
年収や職業は好条件なのに審査に落ちることも。
その具体的なケースとは?
ここまで、クレジットカードの入会審査の基準や、審査に突破するためのコツを書いてきました。しかし、条件が悪くないつもりでも、思いもかけず審査に落ちることは割とよくあります。
例えば、こんな話を聞いたことがあります。
Aさん(年収700万円)は住宅ローンを組んだ際、ほぼ同時に銀行系クレジットカードを一枚作成しました。審査は無事通ることができました。ちなみに、それがAさんにとって初ローン、初カードで、それまで信用情報は真っ白な状態でした。
ところが、その後、引っ越しをする際に現金がなく、キャッシングのためにもう一枚クレジットカードを作ろうとしたところ、今度は審査に落ちてしまいました。その後も、信販系や流通系など、さまざまなクレジットカードに連続して申し込みましたが、なんといずれも審査に落ちたというのです。引っ越し費用を捻出しなければならなかったAさんは、仕方なく消費者金融に申し込みましたが、驚いたことに消費者金融でも融資を断られてしまいました。
特に信用力が低くなかったはずのAさんが、なぜ審査に落ち続けたのか考えてみると、理由はクレジットカードを立て続けに申し込んだ点、そしてこれまでの信用情報が真っ白だったことなどにあると思われます。
クレジットカード会社の「個人信用情報機関」への照会履歴は記録に残ります。つまり、Aさんがさまざまなクレジットカード会社に申し込みをしていることは、各クレジットカード会社にも伝わってしまうわけです。これまでクレジットカードを使ってこなかった人が、急にクレジットカードに何度も申し込みを繰り返しているとなると、「この人は急にお金を集めたがっている」「自転車操業になっているのでは?」などと見なされてしまいます。その結果として、審査に落とされてしまったのでしょう。
また別のBさんの例を挙げましょう。Bさんは正社員で、年収が1000万円以上と高いのですが、余裕で突破できると思っていた流通系クレジットカードの審査に落ちてしまいました。理由を調べてわかったのは、過去に別のクレジットカードを作った際、作っただけでまったく使わなかったものの、年会費が発生することを忘れており、その分の入金をしていなかったという事実が判明したのです。
何年にもわたって年会費を支払わなかったBさんですが、督促状も来なかったため(恐らく転居した際にクレジットカード会社に連絡をしなかったのでしょう)、すっかり記憶に残っていなかったそうです。結果として、そのクレジットカード会社では、恐らくブラックリストに名前が載せられていたようです。
ちなみに、「ブラックリスト」というものが現実に存在しているわけではありません。自己破産をしたり、延滞を3カ月続けたりすると、「事故情報」として「個人情報信用機関」に登録されますが、5年経過するとその情報も消えてしまいます。
しかし、各クレジットカード会社では、過去に事故を起こしている顧客の情報(その他のクレジットカード会社に広まるわけではないので、「社内ブラック」と呼んだりもします)を留め置き、後日改めて申し込みがあっても、審査に通さないことがあります。このBさんの例だと、新たに申し込んだクレジットカードと以前申し込んだクレジットカードの発行元が同じだったため、「社内ブラック」に引っかかったのでしょう。
このような内情は、ある程度クレジットカード業界に詳しい人でなければ、よくわからないものです。しかし、特殊な事情がなければ、「クレジットヒストリー」の積み重ねで信用力はアップし、クレジットカードの審査は通りやすくなるということを理解しておけば十分です。
信用力がアップすれば、たとえ以前に一度審査に落ちたクレジットカードでも、再チャレンジすれば審査に通る可能性は出てきます。もし、「目指すクレジットカードに手が届かなさそう」と考えている人は、“修行”と思って堅実にクレジットカードを使うように心がけ、高い信用力を築き上げるようにしてください。
(取材・構成/元山夏香)
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【2024年4月1日時点・最新情報】
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還元率 | 年会費 (税込) |
ブランド | 電子マネー対応 (ポイント付与対象) |
カード フェイス |
◆楽天カード |
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1.0~3.0% | 永年無料 | VISA JCB Master AMEX |
楽天Edy (楽天Edyへの チャージ分は 還元率0.5%) |
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【楽天カードのおすすめポイント】 楽天市場や楽天ブックス、楽天トラベルを利用している人はもちろん、楽天ユーザー以外にもおすすめの「年会費無料&高還元」クレジットカードの代表格。通常還元率は1.0%だが、楽天市場や楽天ブックスでは最低でも還元率が3.0%以上に! また、「楽天ポイントカード」や電子マネーの「楽天Edy」との併用で、楽天グループ以外でも還元率は1.5~2.0%以上になる! ゴールドカードの「楽天プレミアムカード」も格安の年会費で「プライオリティ・パス」がゲットできてコスパ最強! |
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◆三井住友カード(NL) |
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0.5~7.0% | 永年無料 | VISA Master |
iD | |
【三井住友カード(NL)のおすすめポイント】 券面にカード番号が記載されていない「ナンバーレス(NL)」なのが特徴(カード番号はアプリで確認可能)。通常還元率は0.5%と一般的なクレジットカードと同等だが、Apple PayやGoogle Payに「三井住友カード(NL)」を登録して「Visaのタッチ決済」または「Mastercardタッチ決済」を利用すれば、セブン-イレブン、ローソン、マクドナルド、サイゼリヤ、バーミヤンなど、対象のコンビニや飲食店では還元率7%に大幅アップ(※)する! さらに、獲得できる「Vポイント」は、dポイント、Pontaポイント、楽天ポイント、Tポイント、ANAマイルなどに交換できるほか、「1ポイント=1円」としてカード利用額に充当できるなど、ポイントの汎用性が高いのも魅力! ※ 一部店舗および一定金額を超える支払いでは指定の決済方法を利用できない場合、または指定のポイント還元にならない場合あり。iD、カードの差し込み、磁気取引による決済は7.0%還元の対象外。 |
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◆三井住友カード ゴールド(NL) |
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0.5~7.0% |
5500円 (ただし、年100万円以上の 利用で次年度から永年無料) |
VISA Master |
iD | |
【三井住友カード ゴールド(NL)のおすすめポイント】 2021年7月1日に発行が始まった、券面にカード番号が記載されていない“ナンバーレス(NL)”のゴールドカード。年会費5500円(税込)だが、年間100万円を利用すると(※1)、次年度から年会費が“永年無料”になるうえに、1万ポイントが「継続特典」としてもらえるのが大きな魅力! さらに、通常還元率は0.5%と一般的なクレジットカードと同等だが、Apple PayやGoogle Payに「三井住友カード(NL)」を登録して「Visaのタッチ決済」または「Mastercardタッチ決済」を利用すれば、セブン-イレブン、ローソン、マクドナルド、サイゼリヤ、バーミヤンなど、対象のコンビニや飲食店では還元率7%に大幅アップ(※2)するなど、ポイントも貯まりやすくてお得! ※1 対象取引などの詳細は、三井住友カードの公式サイトでご確認ください。※2 一部店舗および一定金額を超える支払いでは指定の決済方法を利用できない場合、または指定のポイント還元にならない場合あり。iD、カードの差し込み、磁気取引による決済は7.0%還元の対象外。 |
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【関連記事】 ◆「三井住友カード ゴールド(NL)」は、年100万円以上を使うと年会費が“永年無料”に! コンビニで7%還元、空港ラウンジや旅行保険などの特典も付帯してお得! ◆三井住友カード ゴールド(NL)のメリット・デメリットを解説! 同じく“実質”年会費が無料の「エポスゴールドカード」と付帯サービスなどを比較して魅力を解剖! |
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還元率 | 年会費 (税込) |
ブランド | 電子マネー対応 (ポイント付与対象) |
カード フェイス |
◆JCB CARD W(ダブル) |
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1.0~10.5% (※) |
永年無料 | JCB | QUICPay | |
【JCB CARD W(ダブル)のおすすめポイント】 39歳以下の人だけが申し込める、年会費無料のうえに通常還元率1%のお得な高還元クレジットカード!(40歳以降も継続して保有可能)さらに「ORIGINAL SERIESパートナー加盟店」の「ポイントアップ登録(無料)」をすれば、Amazonやセブン-イレブンなどでは還元率2%、スターバックスでは「スターバックスカード」へのチャージで還元率5.5%、「Starbucks eGift」の購入で還元率10.5%に! ※貯まったOki Dokiポイントを「JCB PREMO」に交換した場合の還元率。 |
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【関連記事】 ◆「JCB CARD W」は「楽天カード」などとほぼ同じ、年会費無料+還元率1~10.5%のJCBの入門カード!Amazonやスタバをよく利用する20~30代は注目! ◆「JCB CARD W」は、年会費無料で還元率1%以上のお得な高還元クレジットカード!「JCB CARD W」のメリット・デメリットを他のカードと比較して検証! ◆JCB CARD W(ダブル)のメリットを解説!「年会費無料」「常に還元率1.0%以上」「ポイントの使い勝手が良い」と三拍子そろった高還元クレジットカード! |
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◆au PAY カード |
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1.0~2.0% |
初年度無料 次年度以降も 条件次第で無料(※) |
VISA Master |
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【au PAY カードのおすすめポイント】 通常還元率1.0%でPontaポイントが貯まり、マツモトキヨシやかっぱ寿司などの「au PAY ポイントアップ店」では還元率1.5~2.0%以上に達する、auユーザー以外も得するクレジットカード! しかも、初年度は年会費無料、2年目以降は年会費1375円(税込)だが、年に1回でもカード決済、もしくは携帯電話などのauのサービスを利用していれば次年度以降の年会費も無料に! ※ 2年目以降1375円。ただし、年一回でも利用した場合、もしくは「au ID」に「au PAY カード」を紐付けて、携帯電話などのauサービスを利用している場合は次年度無料。 |
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◆セゾンパール・アメリカン・エキスプレス・カード Digital |
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0.5~2.0% (※1) |
初年度無料 次年度以降も 条件次第で無料(※2) |
AMEX | Suica | |
【セゾンパール・アメリカン・エキスプレス・カード Digitalのおすすめポイント】 通常還元率は0.5%だが、QUICPay決済を利用した場合は還元率2%に大幅アップ!(※3)セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソンといったコンビニはもちろん、マツモトキヨシやツルハグループなどのドラッグストア、ビックカメラやヨドバシカメラといった家電量販店など、QUICPayを利用できる店舗ではいつでもどこでも還元率2%になるので非常にお得! 貯まるポイントは、有効期限のない「永久不滅ポイント」なので、ポイントの失効を気にする必要がないのもメリット! ※1 通常1000円(税込)につき1ポイント貯まる永久不滅ポイントを 「1ポイント=最大5円相当」 の商品に交換した場合の還元率。交換する商品によっては、1ポイントの価値が5円未満になる場合あり。※2 2年目以降1100円。ただし、年一回でもクレジットカードの利用があれば次年度以降も無料。※3 年間合計30万円までの利用分が対象。以降は還元率0.5%。 |
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