日経平均株価は調整を続けています。4月23日に2万252.12円でピークアウトした後、5月7日には一時1万9257.85円まで下落しました。
また、225先物6月物は7日のナイトセッションで1万9040円を付けています。その後の値動きをみる限り、とりあえず、7日にボトムアウトした感じです。しかし、今のところ、日経平均株価が2万円を超えて、ガンガン上がる感じはしません。少なくとも、25日移動平均線(11日現在1万9718.00円)を安定的に超えて推移しない限り、調整局面は続くでしょう。そして、25日移動平均線が下向きに転じるようなら、調整は長期化し、調整幅もやや大きなものになるでしょう。
日経平均株価の上値を重くする米中の景気減速懸念
確かに、ゴールデン・ウィーク明けの日経平均株価は、それなりに戻りました。特に11日は1万9679.63円まで買われました。
8日の米国株高や10日の中国の追加利下げが好感された結果です。4月の米雇用統計では非農業部門の雇用者数は前月比22.3万人増えました。これを受けて、米景気への明るい見方が広がり、米株に買い戻しが加速し、8日のNYダウは前日比267.05ドル高の1万8191.11ドルと、約2カ月ぶりの高値水準となりました。
また、中国人民銀行が10日、政策金利の引き下げを決めました。1年物の貸出金利と預金金利を0.25%引き下げ、それぞれ5.10%と2.25%としました。中国は、ここ半年で3回目の利下げです。この中国の金融緩和による、中国景気下支え期待も日本株にポジティブに作用しました。
ですが、冬場の悪天候や西海岸の港湾ストなど一時的な要因があったとはいえ、1-3期の米実質GDPは年率0.2%増と、昨年10-12月期の2.2%増から急減速しました。また、住宅販売の不振が景気全体の足を引っ張り、中国の1-3月の実質GDP成長率は7.0%と伸び率が昨年10-12月から0.3ポイント鈍り、6年ぶりの低い水準でした。
この米中の景気減速懸念が、日本の外需株の上値抑制要因となり、それが日経平均株価の上値を重くする見通しです。
将来の貧困から逃れるため「お金に働いてもらう」
ところで私は5月10日(日)、NHKの日曜討論「子どもの貧困 いま何をすべきか」を観ました。日本の子供の貧困率(所得の中央値の半分未満に届かない人の割合)は16.3%と過去最高で、母子世帯平均就労収入は181万円に過ぎず、一人親世帯の貧困率は54.6%だということです。確かに年収181万円じゃ、家賃払って東京で住むには、水だけを飲み、爪に火をともすような生活をするしかないくらい、経済的に厳しいでしょう。
株式投資に関しては、現時点で既に貧困状態に陥っている人は余裕資金もないため無理でしょうが、今はまだ貧困状態でなく、多少の余裕資金があるのなら、将来的に貧困状態に陥らないためのリスクヘッジ手段のひとつに、株式投資を加えることをお勧めします。
もちろん、貧困に陥る要因は様々です。ですが、現代の日本社会において、貧困の連鎖の主因のひとつは親の経済格差、または性別格差に起因して、子供の「教育の平等」が確保されにくいことが挙げられます。なんだかんだ言ったところで、今の日本では高学歴の方が低学歴よりも就労の機会に恵まれ、かつ、より好条件の就職や転職が可能となるからです。
一方、株式投資で成功するか否かは経済力も性別も学歴も、まったく関係ありません。勝つか負けるかは、あなたの「腕」次第です。もちろん、投資資金のスケールメリットの有無はあります。それでも、将来において貧困状態に陥らないためには、自分自身も額に汗して働くけど、お金にもガンガン働かせたいところです。
自分自身が働いた場合の将来の獲得所得の期待額が少なく、将来において貧困状態に陥るという可能性が高い人は、株に限らず、何かに投資をしてお金を働かせるというスタンスの貧困回避対策を、今から講じておくべきです。「人間」と「お金」のダブルインカムで、可能な限り貧困を回避するという発想です。
なお、これは若いうちにやるべきで、今、既に年を取っている人にはオススメしません。まあ、当コラムは20歳代・30歳代中心に、せいぜい40歳代までの「B層」が、株式投資で経済的に成り上がるためのものです。正直、50歳を超えてからの過度のリスクを取っての運用は、失敗したときのリカバリーが、年齢や寿命という制約から、やりにくくなります。
逆に今、あなたが10代の学生なら、お金に働かせることをやるなとは言いません。しかし、あなた自身の将来の獲得所得の期待額を増大させるべく、学歴や資格のみならず人脈形成等、自分自身の市場価値のさらなる増大を図るべきですね。
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