【今回のまとめ】
1.高水準のM&Aが続いている
2.ヘルスケア、通信、テクノロジーのM&Aが多い
3.経営者が景気の先行きに自信を持っているのが原因
4.金利が安いうちに買収資金を借りたいという意図も
5.目先相場にとってM&Aはプラス
6.ただし横着なディール、常軌を逸したディールには気をつけろ
今年は昨年を上回るペースでM&Aが進む
米国では去年の下半期以来、ずっと高水準のM&A(企業の合併買収)が続いています。年初から5月末までの間に発表されたM&Aの総額は7885億ドルです。これは既に去年の第1四半期と第2四半期の合計6660億ドルを上回っています。
5月に発表されたディールだけを見ても、ケーブルTV会社チャーター・コミュニケーションズによるタイムワーナー・ケーブルの買収(796億ドル)、半導体会社アバゴ・テクノロジーズによるブロードコム買収(366億ドル)、コングロマリットのダナハーによるポール・コーポレーションの買収(141億ドル)など大型案件が目白押しです。
さらに医療保険のヒューマナは身売りを検討するためゴールドマンサックスをアドバイザーに起用したと発表しました。
成長分野でM&Aが盛んに起こっている
今年のM&Aのトレンドを見ると、ヘルスケア、通信、テクノロジーなど、成長のあるセクターでのM&Aが盛んです。
好業績で自社の株価が高くなっている企業が、その勢いでM&Aを仕掛けるというパターンが多いです。
言うまでもなくM&Aは株式市場全体を刺激し、株高を演出する効果を持ちます。米国の第1四半期のGDPがマイナス成長になったという悪いニュースにもかかわらず株価が下げ渋っているひとつの理由が、活況を呈しているM&Aにあることは間違いありません。
いま米国でM&Aが盛んになっている3つ理由
それではなぜM&Aが盛んになっているのでしょうか?
ひとつの理由は2008年のリーマンショックから7年を経過し、経営者が経済の先行きに自信を持ち始めていることによります。
次に今年のある時点で米国連邦準備制度理事会(FRB)がいよいよアメリカの政策金利であるフェデラルファンズ・レートを引き上げ始めると予想されることも関係しています。つまり(借金をしてM&Aをするなら、金利コストが安い今のうちに!)という心理が働いているのです。
最後の理由は、株式交換で買収する場合、自分の会社の株価が高い水準で取引されていると買収条件が有利になります。
これらが経営者をしてM&Aに走らせている理由です。
過去のM&Aブームから見る注意点とは?
さて、M&Aブームは我々投資家の投資先企業が高値で買収される可能性を高めるという意味で歓迎すべき事です。目先は一層の株高を助長する働きがあると考えて良いでしょう。
ただM&Aブームが行き過ぎた場合、買収企業が無理な資金調達を試みて、それが破たんしたとき合併がご破算になるとか、そういう突発的な事でムードが変わるリスクもあります。
実際、過去にM&Aブームが頂点をつけた年は2000年と2007年でした。2000年はドットコム・バブルが弾けた年であり、2007年はサブプライム・ブームが崩壊しはじめた年です。
つまりこれから相場は佳境を迎えると思われますが、そうなったとき、横着で常軌を逸したディールが散見されはじめたら、兜の緒を締める必要があるわけです。
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