疑問③「電力会社を乗り換えることで、どれくらい電気代は安くなる?」
電力自由化で電気料金は安くなるのかと聞かれれば、現段階では電力自由化の波に乗っても、大して得しない可能性が高いと答えざるを得ません。
その理由は大きくわけて2つあります。
①電力供給はそもそも原価が高いため、自由化によって競争が激化しても、大幅に安くするのが難しい
②どの電力小売り会社も料金プランが複雑で、現段階では実際に電気料金がどれだけ安くなるかが曖昧な状態
発電するには、燃料を仕入れ、発電所を稼働させる必要があり、もともと原価が高額です。しかも、燃料の輸入コストは日々変動しており、情勢次第で大きく値上がりする局面もあります。いくら電気代を自由に設定できるといっても、そのコストを下回る料金設定にはできないことを考えると、劇的な電気代の値下がりは最初から期待ができません。
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また、新規参入を表明している会社の電力料金プランが、かなりわかりにくいのも問題です。というのも、多くの会社が、まるで携帯電話会社の通信プランのように、複雑な料金体系を設定しているのです。
それらを比較して、本当に得な会社を見極めるのも困難です。例えば、電気料金の一部がポイント還元される会社もあれば、定期的にスーパーで卵などの商品をもらえる会社もあります。インターネットのプロバイダやスマホ、ガスなどとセットで契約することで割引になる会社もあります。
また、基本料金は安くなるけれど、使用量に比例する単価は高くなっているプランや、たくさん電気を使ったときの単価が割安になる(電気使用量が少ない場合メリットがない)プランもあります。
このように、“安くするための条件”が会社ごとに違いすぎるので、比較検討をしづらく、また、本当に安くなるかどうかも見えづらい状況なのです。
乗り換えで安くなる電気代は「年間数千円」程度
単身・DINKS世帯はもっと少ない可能性も!
そんな電力会社を比較検討する際に役に立つのが、以下のサイトです。
◆価格.com「電気料金プランシミュレーション」
◆エネチェンジ電力比較
どちらも、郵便番号や家族形態など最小限の情報を入力すると、おすすめの電力会社が表示されます。非常に役に立つものの、ここで表示される電力会社が本当に自分に合っているかはわかりません。
例えば、ガソリン会社との契約がベスト、と表示されたとしても、車に乗らない人だとガソリン代の割引などの特典がムダになるため、実際にはベストではなくなってしまうからです。そのため、比較サイトの結果から、さらに自分で掘り下げて研究する必要があります。
数多くの電力小売り会社を比較して、自分に合うと思われる会社を選びだした場合、気になるのが“年間どれくらい安くなるのか?”という点です。
一般のファミリー世帯(家族の人数3~4人程度)で試算してみると、大抵は年間でおおむね5000~6000円程度電気代を節約できると推測されます。つまり、月ベースでは数百円程度ということです。
ファミリーではなく、単身、あるいはDINKS世帯で、日中あまり家におらず、そもそも電気をそれほど使っていないような世帯だと、さらに節約できる電気代は小さくなると予想されます。
意見のわかれるところかもしれませんが、個人的には「労力のわりに、節約できる金額が少ない」というのが正直な感想です。
また、今の電力会社で、一部の時間帯の電気代が安くなるプランに契約している家庭もあるでしょう。例えば、東京電力には、以下の料金プランがあります。
◆朝得プラン(午前1:00~午前9:00までの電気代がお得)
◆夜得プラン(午後9:00~午前5:00までの電気代がお得)
◆半日お得プラン(午後9:00~午前9:00までの電気代がお得)
◆土日お得プラン(土日の電気代がお得)
家に誰もいない時間が長い家庭は、料金プランをうまく選択することで、電気代を節約することができます。場合によっては、電力会社を乗り換えなくても、時間帯割引を活用して節約したほうが、むしろ手間がかからず、お得だった――となることも、大いに考えられるのです。
電力自由化のメリット&デメリットを整理
結局、今私たちがするべきこととは?
さて、ここまで電力自由化の気になる疑問を解説してきました。それらを踏まえて、現段階での電力自由化のメリットやデメリット、注意点をまとめておきましょう。
【電力自由化のメリット】
●好きな電力小売り会社を選択できる
●電気代が多少安くなる可能性がある
【電力自由化のデメリット】
●電力小売り会社の料金プランが複雑で比較検討しづらい
●手間のわりに電気代がそれほど安くならない場合も多い
ここまでに触れてきませんでしたが、好きな電力小売り会社を選択できるのは、メリットの一つです。会社によっては、再生可能エネルギー(太陽光発電や水力発電)で発電した電気や、CO2排出量の少ない電気をメインで供給するところもあり、原発で作られた電気を避けたい人などに最適です。
電気代が安くなる点については、「少しでも安くなってうれしい」と感じるか、「思ったほど安くならない……」とがっかりするかは、人それぞれでしょう。個人的には、手間のほうが大きいと感じますが、手間がかかっても挑戦したい人は、ぜひ時間をかけて、よく検討した上で選択してください。目先のオマケや割引につられて適当に選択すると、「結果的にあまり得じゃなかった」となりがちなので、ご注意を。
メリットとデメリットが明確になりましたが、それでは私たちは、来たるべき電力自由化に際し、どう行動すべきなのでしょうか?
私の結論は“いずれ電力会社を乗り換えるとしても、今は待機するのがベター”というものです。
今は「電力自由化」の黎明期です。待っていれば、これから先にもっといいプランを提示してくる会社がきっと登場してくるでしょう。焦って今乗り換えても、節約できる金額はそれほど多くないので、スタートが遅れても大きく損をするわけではありません。
2017年4月のガスの小売り自由化に合わせて、また各社新たな動きを見せることも考えられます。ちなみに、従来の電力会社も、電力自由化に合わせて料金プランを新たに打ち出していますが、現段階では今一つ魅力に欠けています。ですが、今後乗り換えが頻発して状況が深刻になれば、電力会社も本気を出して、プランを刷新することもあり得ます。
そのため、今後1~2年をメドに電力自由化の各社の対応をウォッチしながら、気長に乗り換え先を検討することをおすすめします。
(取材・構成/元山夏香)
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