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「Visa payWave」が日本に本格的に上陸か!?海外で使えるポストペイ(後払い)型の電子マネーが2020年の東京オリンピック開催を背景に普及の兆し

【第25回】 2016年3月5日公開(2022年3月29日更新)
岩田昭男
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 今回は、クレジットカードの国際ブランドとしてもおなじみの「VISA」が提供する電子マネー「Visa payWave(ビザ ペイウェーブ)」について解説していきたいと思います。

 この10数年の間に、日本では電子マネーが爆発的に普及しました。火付け役となったのは、2001年頃から知名度が高まっていった「楽天Edy(旧「Edy」)」や「Suica」です。この2枚の加速度的な普及に伴って電子マネーの種類は少しずつ増加し、今や大抵の人が、財布やスマートフォンの中に1~2種類は電子マネーを入れて、毎日のように持ち歩く時代になりました。

電子マネー「Visa payWave」。Wi-Fiのようなマークが目印。

 そんな電子マネーですが、今後数年の間に、さらに新しい動きが見られそうです。具体的に言うと、「Visa payWave」という、日本ではまだなじみのない電子マネーが、2020年の東京オリンピックの開催などを背景に急速に普及し始めると考えられるのです。

 そこで、今回は「Visa payWave」の特徴や、気になるメリット・デメリットを解説していきましょう。

「Visa payWave」は海外ではメジャーな電子マネー
ただし、規格が異なるので国内での利用は今のところ難あり

 「Visa payWave」は、国際カードブランドである「VISA」が提供する電子マネーです。「Visa payWave」対応のクレジットカードを作るか、スマホにアプリをダウンロードすることで利用できます(対応のクレジットカードは、記事の最後に紹介します)。

 利用時には、「Visa payWave」に対応するカードリーダーが置いてある店舗に行き、「Visa payWave」で決済する旨を伝えて、クレジットカード(もしくはスマホ)をカードリーダーにかざせば、ほんの数秒で決済できます。つまり、基本的な使い方は、「楽天Edy」や「Suica」などの他の電子マネーと同じです。

 電子マネーには、あらかじめ一定金額をチャージしておく「プリペイド式」と、クレジットカードのように、後で利用金額が銀行口座から引き落とされる「ポストペイ式」がありますが、「Visa payWave」は原則としてポストペイ式の電子マネーです。

ポストペイ式電子マネーの「Visa Touch」。

 日本では、すでにポストペイ式の電子マネーとして、「iD」「QUICPay」「Visa Touch」などがあります。このうち「Visa Touch」は、その名のとおり「VISA」が発行している電子マネーです。

 つまり、「VISA」は「Visa payWave」以外にも、以前から「Visa Touch」というポストペイ式電子マネーを発行しているわけです(※ただし「Visa Touch」は2015年でサービス停止となっています)。

「Visa payWave」と「Visa Touch」の大きな違いは、「Visa payWave」が海外で利用されている規格に則っているのに対し、「Visa Touch」は日本の規格に則っている電子マネーである、という点です。

 実は日本で使える主な電子マネーと、海外で普及している電子マネーは、基本的に搭載されている技術の規格が異なっています。そのため、普通に日本で使っている電子マネーの大部分は、海外で使うことができません。

「Visa Touch」も、「Visa payWave」と同じ「VISA」のポストペイ式電子マネーではありますが、海外で利用するのは不可能です。逆に、「Visa payWave」は海外の多くの国で使えますが、日本ではまだあまり多くの場所では使えない、というのが現状です。また、「Visa Touch」と「Visa payWave」には互換性もありません。

2020年の東京オリンピック開催までには
国際標準規格のNFC決済に対応する店舗が増える

 「Visa payWave」が海外の多くの国で使えるのは、搭載されている技術が「国際標準規格」だからです。電子マネーに搭載されている、かざすだけで決済できる技術(非接触ICカード技術)を「NFC」と呼びますが、「Visa payWave」のNFCは国際標準の「TypeA/B」と呼ばれるもの。

 これに対し、「Visa Touch」を含む日本の主な電子マネー(「楽天Edy」「Suica」「nanaco」「WAON」など)には、「FeliCa(フェリカ)」というNFCが採用されています。「FeliCa」はソニーの独自技術としてかなり話題になったので、名前を聞いたことがある人も多いでしょう。

 ソニーは「FeliCa」の国際的な普及に努めたものの、結果的に国際標準規格にはならず、海外では「FeliCa」の技術があまり利用されていません。そのため、日本の電子マネーを海外で使うことは、(一部地域を除いて)できないのです。技術を日本という狭いエリアだけで進化させたことから、「『FeliCa』はガラパゴス化している」と揶揄されています。

 今の日本では「FeliCa」が普及しているため、「TypeA/B」のNFCを採用している「Visa payWave」は、日本のほとんどの場所で利用できないのが現状です。

 それでは、なぜ日本で使えない「Visa payWave」をこのように紹介しているかと言えば、その理由は2つあります。

①海外旅行や出張の際は圧倒的に便利

「Visa payWave」は、米国、カナダ、シンガポール、韓国、香港、台湾、オーストラリア、フランス、イギリスなど、日本人がよく旅行する国々を含めた世界の53カ国で利用可能です。

 しかも、日本のようにごく限られた場所でしか使えないというわけではなく、海外へ行けば至るところで「Visa payWave」を使って決済ができます。言葉が話せなくても、交通機関や飲食店などで、サインレスで電子マネー決済ができれば便利です。クレジットカードを相手に渡す必要もないので、クレジットカードより安心感もあります。

 そのため、海外によく出かける人にとっては、非常に便利な電子マネーと言えます。ポストペイ式のため、チャージできる場所を求めてさまようこともありません。

 次のページでは、「Visa payWave」をおすすめするもう一つの理由を解説します。

◆国際標準規格の電子マネー「Visa payWave」が使えるカードはコレ!

OricoCard Visa payWave
還元率  0.5~1.0%
OricoCard Visa payWaveフェイス
発行元 オリコカード
国際ブランド VISA
年会費(税抜) 初年度無料、2年目以降1250円
(ただし、年1回利用すれば次年度以降も年会費無料になる)
家族カード あり(年会費無料)
ポイント付与対象の
電子マネー
モバイルSuica、ICOCA

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還元率、年会費etc.で比較! 人気のおすすめクレジットカード

還元率 年会費
(税込)
ブランド 電子マネー対応
(ポイント付与対象)
カード
フェイス

 ◆三井住友カード(NL)

0.5~7.0% 永年無料 VISA
Master
iD
三井住友カード(NL)の公式サイトはこちら
【三井住友カード(NL)のおすすめポイント】
券面にカード番号が記載されていない「ナンバーレス(NL)」なのが特徴(カード番号はアプリで確認可能)。通常還元率は0.5%と一般的なクレジットカードと同等だが、Apple PayやGoogle Payに「三井住友カード(NL)」を登録して「Visaのタッチ決済」または「Mastercardタッチ決済」を利用すれば、セブン-イレブン、ローソン、マクドナルド、サイゼリヤ、バーミヤンなど、対象のコンビニや飲食店では還元率7%に大幅アップ(※)する! さらに、獲得できる「Vポイント」は、dポイント、Pontaポイント、楽天ポイント、ANAマイルなどに交換できるほか、「1ポイント=1円」としてカード利用額に充当できるなど、ポイントの汎用性が高いのも魅力!
※ 一部店舗および一定金額を超える支払いでは指定の決済方法を利用できない場合、または指定のポイント還元にならない場合あり。iD、カードの差し込み、磁気取引による決済は7.0%還元の対象外。Google PayではMastercardタッチ決済は利用不可。
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 ◆楽天カード

1.0~3.0% 永年無料 VISA
JCB
Master
AMEX
楽天Edy
(楽天Edyへの
チャージ分は
還元率0.5%)
楽天カード公式サイトはこちら
【楽天カードのおすすめポイント】
楽天市場や楽天ブックス、楽天トラベルを利用している人はもちろん、楽天ユーザー以外にもおすすめの「年会費無料&高還元」クレジットカードの代表格。通常還元率は1.0%だが、楽天市場や楽天ブックスでは最低でも還元率が3.0%以上に! また、「楽天ポイントカード」や電子マネーの「楽天Edy」との併用で、楽天グループ以外でも還元率は1.5~2.0%以上になる! ゴールドカードの「楽天プレミアムカード」も格安の年会費で「プライオリティ・パス」がゲットできてコスパ最強
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 ◆イオンカードセレクト

0.5~1.0%

永年無料 VISA
JCB
Master
WAON
モバイルSuica
SMART ICOCA

モバイルSuicaと
SMART ICOCAへの
チャージ分は還元率0.25%)
イオンカードセレクトのカードフェイス
【イオンカードセレクトのおすすめポイント】
一般的な「イオンカード」ではポイントがつかない「WAON」チャージでポイントが貯まり、「ポイント2重取り」ができるのが最大のメリット。また、「イオンカードセレクト」の保有+月1回のカード(または搭載のWAON)決済+ネットバンキングに登録という3つの条件を満たすだけで「イオン銀行Myステージ」の「シルバーステージ」に到達し、「イオン銀行」の普通預金金利がアップするので、「イオンカードセレクト」以外の「イオンカード」保有者はすぐ切り替えよう! しかも「イオンカードセレクト」で年間50万円以上を利用すれば、年会費無料のゴールドカード「イオンゴールドカードセレクト」が手に入り、無条件で「イオン銀行Myステージ」が「ゴールドステージ」に! なお、2024年10月1日~12月8日に入会すると、カード発行後1カ月間は対象のイオンモール専門店での買い物が5%OFF(請求時)になるキャンペーンを開催中!
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イオンカードセレクトの公式サイトはこちら
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還元率 年会費
(税込)
ブランド 電子マネー対応
(ポイント付与対象)
カード
フェイス

 ◆三井住友カード ゴールド(NL)

0.5~7.0%

5500円
(ただし、年100万円以上の
利用で次年度から永年無料
VISA
Master
iD
三井住友カード ゴールド(NL)のカードフェイス
【三井住友カード ゴールド(NL)のおすすめポイント】
券面にカード番号が記載されていない“ナンバーレス(NL)”のゴールドカード。年会費5500円(税込)だが、年間100万円を利用すると(※1)、次年度から年会費が“永年無料”になるうえに、1万ポイントが「継続特典」としてもらえるのが大きな魅力! さらに、通常還元率は0.5%と一般的なクレジットカードと同等だが、Apple PayやGoogle Payに「三井住友カード ゴールド(NL)」を登録して「Visaのタッチ決済」または「Mastercardタッチ決済」を利用すれば、セブン-イレブン、ローソン、マクドナルド、サイゼリヤ、バーミヤンなど、対象のコンビニや飲食店では還元率7%に大幅アップ(※2)するなど、ポイントも貯まりやすくてお得!
※1 対象取引などの詳細は、三井住友カードの公式サイトでご確認ください。※2 一部店舗および一定金額を超える支払いでは指定の決済方法を利用できない場合、または指定のポイント還元にならない場合あり。iD、カードの差し込み、磁気取引による決済は7.0%還元の対象外。Google PayではMastercardタッチ決済は利用不可。
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 ◆JCB CARD W(ダブル)

1.0~10.5%
(※)
永年無料 JCB QUICPay
JCB CARD W(ダブル)公式サイトはこちら
【JCB CARD W(ダブル)のおすすめポイント】
39歳以下の人だけが申し込める、年会費無料のうえに通常還元率1%のお得な高還元クレジットカード!(40歳以降も継続して保有可能)さらに「ORIGINAL SERIESパートナー加盟店」の「ポイントアップ登録(無料)」をすれば、Amazonやセブン-イレブンなどでは還元率2%、スターバックスでは「スターバックスカード」へのチャージで還元率5.5%、「Starbucks eGift」の購入で還元率10.5%に!
※貯まったOki Dokiポイントを「JCB PREMO」に交換した場合の還元率。
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JCB CARD Wの公式サイトはこちら

 ◆アメリカン・エキスプレス・ゴールド・プリファード・カード

0.3~1.5%
(※1)
3万9600円 AMEX
アメリカン・エキスプレス・ゴールド・プリファード・カードの公式サイトはこちら
【アメリカン・エキスプレス・ゴールド・プリファード・カードのおすすめポイント】
日本で最初に発行されたゴールドカード「アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード」の後継カードだけに、ステータス&付帯サービスは最高レベルで、カードが金属製という特別感もあって、一般的なゴールドカードとはケタ違い。たとえば、年間200万円(税込)以上を利用してカードを継続保有すると、国内40カ所以上の高級ホテルに無料宿泊できる「フリー・ステイ・ギフト」は、もはや一般的なプラチナカードすら凌駕するレベルの特典だ。さらに、高級レストランを2人以上で利用すると1人分が無料になる「ゴールドダイニング by 招待日和」や、世界1400カ所以上の空港ラウンジを年2回まで無料で利用できる「プライオリティ・パス」最高補償額1億円の「海外旅行傷害保険」が付帯するなど、もはや「ゴールドカード」の枠組みを大きく飛び越えている。また、家族カードは2人目まで年会費無料でお得(3人目以降は年1万9800円・税込)。
※貯まるポイントをマイルに交換した場合。1マイル=1.5円換算。
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