米国株式市場は過去最高値達成
目先は調整が入る可能性もあり注意が必要
米国の主要株価指数であるS&P500指数が過去最高値を更新しました。これまでの最高値は去年の5月につけた2134.72でした。先週の引け値は2161.74でした。
本コラムでは、英国のEU離脱投票後の大混乱の真只中だった6月27日に「今週はどえらいチャンスが巡ってくる!」として、買い出動を促しました。そのシナリオ通りになったわけです。
目先は上げピッチが早過ぎるので、スピード調整が入る可能性があります。だから既に投資している以上の新規マネーを投入するのは禁物です。
ただ既に建ててあるポジションに関しては、そのまま維持でオッケーだと思います。なぜなら現在の株高は、ちゃんと米国の好景気に裏打ちされているからです。
人気、不人気のセクターから見ると
米国の景気サイクルはまだ若い
いま米国株のセクター・パフォーマンス(過去半年ベース)で上位に来ているのは、金鉱株、鉄鋼、石油探索生産、鉱業、機械などです。
これらのセクターは、景気後退局面から景気が底入れし、拡大へと転じる頃に人気になりやすいのです。
一方、最下位のセクターは、ジュエリー、ソーラー、百貨店、自動車、ジェネリック薬などです。このうちジュエリー、百貨店などは景気拡大局面の後半に相場になりやすい特徴を持っています。
このことから何が言えるか? といえば、少なくとも株式市場で人気になっているセクターを見る限り、まだ米国の景気サイクルは若いということです。
もちろん、このセクター・パフォーマンスを「額面通り受け止めてはいけない」と見る事も出来ます。近年はグローバライゼーションが進行しており、鉱業や機械などのセクターは、中国経済減速の影響を去年受けた関係で株価が低位にあり「それは必ずしも米国の景気サイクルを反映していない」と主張することもできるからです。
ただ世界の中央銀行は極めて低い水準に政策金利を維持していますし、普通、金利がそういうフェイズ(位相)になっている時は、「好景気が終焉しかかるとき」と言うより、これから「好景気が始まるとき」である場合の方が多いです。
結局、何が言いたいのだ! といえば、私が主張したいことは相場の語りかけてくることに静かに耳を澄ませば「これから景気は良くなる」と言っているということです。
メガバンクの個人向け融資が伸長
消費主導型の景気拡大は今後も持続する可能性大
先週、JPモルガン、ウエルズファーゴなどの世界最大級のメガバンクが決算発表しました。そこで印象に残ったのは、シェール産業への貸付内容の動向でも、英国のEU離脱を巡る考察でも無く、アメリカの消費者の動向に関する、各行経営陣の見解でした。
まずJPモルガン(ティッカーシンボル:JPM)の第2四半期決算ですが、EPSは予想1.43ドルに対し1.55ドル、売上高は予想238.4億ドルに対し244億ドルでした。
平均コア融資残高は前年比+16%、前期比+3%でした。とりわけ消費者&コミュニティ向け平均コア融資残高は前年比+23%と好調でした。
同行と取引開始し日が浅いクレジットカード顧客の残高に対する貸倒引当金が増えたのが注目されました。普通、カード会社をコロコロ変える顧客は、クレジットカードの借金のやりくりに苦慮している家計である場合が多く、銀行にとっては「高リスク」です。
また自動車ローンでは、競争の激化から、貸し手がリスクを多く取り始めており、その分、焦げ付きも増えています。その関係で、JPモルガンの自動車ローンにおける損金計上も増加しました。
つまり一般消費者に対する信用の供与は、どんどん伸び始めているけれど、それに呼応する形で、今後、焦げ付きも増加しそうな兆候が出ているということです。
一方、ウエルズファーゴ(ティッカーシンボル:WFC)の第2四半期決算はEPSが予想に一致する1.01ドル、売上高が予想220.9億ドルに対し221億ドルでした。
第2四半期の住宅ローンのオリジネーション(組成)は630億ドルでした。ウエルズファーゴは全米屈指の住宅ローン・ビジネスを展開しており、アメリカの住宅販売の動向を知る上で、同行の決算は貴重なデータポイントを提供しています。
第3四半期の住宅ローン・オリジネーションは第2四半期に比べて少し増えると予想しています。また非金利収入(=その多くは住宅ローン・オリジネーション・フィーです)は、去年より大きくなると見ています。
一方、景気のサイクルから考えて、今後、貸倒引当金はだんだん増えてくると同行では予想しています。
これらのメガバンク決算から言えることは、リーマンショック以降、家計を切詰め、借金の返済を最優先してきた米国の消費者は、ここへきて自動車ローンや住宅ローンを組むことに積極的になっているということです。
言い換えれば、超低金利のこんにち、消費者にとって「借りた者勝ち」の環境が出来上がっているということです。
もちろん、融資残高の増加は、ゆくゆく焦げ付きの増加を招くでしょう。しかしそれは将来の懸念材料であり、今の段階ではまだ心配しなくても良いと思います。
大事なポイントは、消費主導型の景気拡大は今後も持続するということです。
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