先週の米国株式市場は一進一退。
長期債は、原油価格の影響で下落
先週の米国株式市場は、金利上昇に対する警戒感が強まる中、一進一退の展開でした。ダウ工業株価平均指数が-0.38%、S&P500指数が-0.67%、ナスダック総合指数が-0.38%でした。
米国の株式市場の参加者たちは、米国の長期債の動きに注目しています。10年債の利回りは、先週木曜日に1.75%まで上昇(=債券価格は下落)しました。
債券が売られている一因として、原油価格の上昇が指摘できると思います。
原油価格は、「石油輸出国機構(OPEC)が減産に合意するのではないか?」という期待から買われています。
ドイツ10年債利回りが、
0%を超えてプラス圏に入ったことに注目
先週、米国の債券が売られたもうひとつの理由は、「欧州中央銀行(ECB)が量的緩和政策の縮小を視野に入れ始めた」と伝えられたことによります。
これを受けて、これまでマイナス金利になっていたドイツの10年債の利回りが0%を超え、プラス圏に入ってきました。
前回、ドイツの10年債利回りが同様の動きをしたときは、マーケットがぎくしゃくした動きになりました。したがって今回も投資家はピリピリしているわけです。
米国債が買われる根拠のひとつに「欧州や日本を見回すと、どこもマイナス金利で運用難だ。だから世界のお金が米国を目指す」という主張があります。
つまり、ドイツ国債などがプラス金利に戻ると、米国債への需要も減退するというわけです。
世界的な低金利は、株高を正当化する根拠を提供してきました。その前提が、すこしグラつき始めているというわけです。
今週から第3四半期決算発表シーズンがスタート!
要注目は、長期金利上昇が材料になる銀行セクター
さて、今週から第3四半期決算発表シーズンがはじまります。今週は下のような企業が決算を発表します。
■今週決算発表が行われる企業 | ||||||
銘柄 ※クリックでチャートへ | 発表時間 | EPS予想 | 売上高予想 | |||
アルコア(AA) | 11日寄付き前 | 11¢ | 53.3億ドル | |||
CSX(CSX) | 12日引け後 | 45¢ | 27億ドル | |||
シティグループ(C) | 14日寄付き前 | $1.16 | 173.6億ドル | |||
JPモルガン・チェース(JPM) | 14日寄付き前 | $1.38 | 235億ドル | |||
ウエルズファーゴ(WFC) | 14日寄付き前 | $1.01 | 221億ドル |
上で説明した長期金利の上昇は、銀行にとってはプラスの材料です。なぜなら、調達金利と貸付(ないしは運用)金利との差である純金利マージンが拡大することが期待されるからです。
そのあたりの可能性について、決算のカンファレンスコールで各行の経営陣がどのようなコメントをするかに注目したいと思います。
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