好成績を出し続けるスゴ腕のファンドマネジャーが実践する、「成長株」選びの極意とは?
ダイヤモンド・ザイの巻頭特集は「最強5万円株で勝つ」! トランプ政権の動向や円高など、2018年度の日本株には不透明感が漂うが、そんなとき頼りになるのが、少額で買える株。意外かもしれないが「5万円株」は高配当株や中長期で株価の上昇が狙える株の宝庫なのだ! 特集では、実際に儲けた達人の技を伝授しながら、投資すべき5万円株を公開している。
今回はその中から、自身が運用する投資信託で驚異的な好成績を出し続けるファンドマネジャー・苦瓜達郎さん(大和住銀投信投資顧問シニア・ファンドマネージャー)のインタビューを一部抜粋。前半は、苦瓜さんが考える株式市場の法則。後半は、無名の少額株から勝てる銘柄を見つけ出すコツを一つ紹介するので、銘柄選びの参考にしてみてほしい。
”間違いが多い”株式市場も、長期では適正な株価になっていく!

シニア・ファンドマネージャー
苦瓜達郎さん
年間900件以上の会社面談など膨大な調査を行なう。中小型株に投資する3本の投信の過去1年間の成績は、それぞれ23.6%、34.2%、41.0%と驚異的な結果を残す(※2月末時点)。
私が運用する3本の投資信託(「J-Stockアクティブ・オープン」「ニッポン中小型株ファンド」「大和住銀日本小型株ファンド」)は、2017年に40%以上上昇し、過去4年間で見ると、約2~3倍になっています。
このように、私が好成績を出し続けることができたのは、株を「いつ売買するか」ではなく、「いくらで売買するか」を重視しているからだと思います。
株価は、株式市場に参加する人の総意によって決まります。だからといって、企業の価値から考えて、「正しい株価」がつくとは限らないのです。
株式市場はよく間違いを起こします。なぜなら、株価が上がっているという理由だけで、「まだまだ上がるかも」と考えて買う人などがいるからなのです。こういったことから、時にバカバカしいと思えるほど、その企業の実力以上の株価まで上昇することがあります。
ですが、私は株式市場を信頼しています。それは、株式市場には、長期的に見ると株価を正しい水準に戻す「引力」のようなものがあると思うからです。だから、安く放置されている株ほど、株価が数倍になるようなポテンシャルを秘めている可能性が高いのです。
成長性の期待できる株を探すには、業績を確認する上で
”数字を細かく切ってみる”のがコツ!
ここからは、成長しそうな株を探すうえで、どのように業績をチェックするかお話しします。
企業業績は四半期ごとに見ていくことが重要ですが、コツは数字を「細かく切る」こと。通期予想ではすごく伸びていても、直近の数カ月では伸び悩んでいるというケースがあります。この場合、上期は好調だったが、下期は売上減となって、「すでに成長が止まっている」のかどうかをチェックしましょう。
将来に向けた先行投資をしているというケースだってあるのです。本業は好調でも先行投資で利益減になると、株価が急落するケースがありますが、その投資の方向性が正しいと思えば、急落は買いチャンスになります。
ちなみに、私は年間に900件以上の会社と面談していますが、「特別な情報」を得ているわけではありません。その業界にいる人なら当然知っていることだが、私にはわからないことを聞きます。だから、個人投資家でも、一般の人よりも詳しい事情を知っている業界なら、プロに勝つことだってできるかもしれないんです。