世界投資へのパスポート

欧州財政問題がぶり返す兆候あり。「リスクオン祭り」は終わりが近い!

【第207回】 2012年4月3日公開(2012年4月15日更新)
広瀬 隆雄
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【今回のまとめ】
1.先週の米国株式市場はしっかりの展開だった
2.第1四半期のパフォーマンスは1998年以来の好成績に
3.株高を背景に投資家の慢心が強まる
4.上がっている株はボロ株が多い
5.4月第2週からの決算発表シーズンは要注意
6.ギリシャの総選挙はかく乱要因
7.スペイン経済の急速な悪化にも注意

米株式市場では強気ムードが蔓延している

 先週(3月26日~)の米国株式市場では、ダウ工業株価平均指数は+1%、S&P500指数とナスダック総合指数は+0.80%となりました。

 先週末で2012年第1四半期(1~3月)が終わったことになりますが、ダウ工業株価平均指数は3ヵ月間で+8.1%となり、1998年以来、14年ぶりの良いパフォーマンスでした

 なお、S&P500指数は+12%、ナスダック総合指数は+19%でした。

 こうした米国市場の株高を反映して、投資家は強気のスタンスになっています

 上に示したのはインベスターズ・インテリジェンス社の集計した「ブルベア指数」ですが、最新の数字では、強気は50.5%、弱気は22.6%となっています。

 ちなみに、「ブルベア指数」は典型的な逆指標です。現在のように強気が多い状態は、今後の株価にとって不吉な兆候だと解釈されます

ガラクタ企業ばかりが騰がる相場だった

 米国株式市場の第1四半期のパフォーマンスの特徴は、ひとことで言えば、「ガラクタ企業の株ばかりが騰がる相場だった」ということです。

 実際のところ、S&P500採用銘柄で四半期パフォーマンスの上位に来ている銘柄は、小売のシアーズ(ティッカー:SHLD)やネットフリックス(ティッカー:NFLX)など、昨年、経営難で株価が大きく下落していた銘柄ばかりです。

 また、セクター別では銀行セクターが強かったのですが、こちらも昨年夏以降、ひどい下落局面があり、その反動高という色彩が強いです。

 調査会社のビスポークは、S&P500に採用されている銘柄をパフォーマンスの悪いものから順番に10グループに分類し、昨年、パフォーマンスが悪かったグループが第1四半期にどのような成績になったのか分析しました。

 すると、昨年成績の悪かったグループほど、今年の第1四半期のパフォーマンスが良いという結果になったそうです。つまり、キレイな逆相関の関係が見られたということです。

 言い換えれば、今年のここまでの相場は、景気回復や企業業績の回復などに、しっかり裏打ちされた相場ではなく、欧州財政危機などの悪いニュースが途切れたことで、投資家がホッとひと安心した自律反発の域を出ていないということになります。

 なお、4月は第2週(4月9日~)から、第1四半期の決算発表シーズンが始まります。その先頭を切るのは4月10日(火)引け後に発表されるアルコア(ティッカー:AA)です

 前回の決算発表シーズンでは、市場予想を上回る企業がいつになく少なかった上、今後の会社側予想もおおむね冴えないものが多かったです。

 つまり、株式市場は企業業績の回復の不在を無視して上昇してきたわけです。

【2019年6月1日更新!】


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