消費税は2019年10月に8%⇒10%に増税される!
2%増税されることで消費者が注意しておうべきこととは?
みなさんもご存じのとおり、2019年の10月1日から、消費税が8%⇒10%に増税される予定です。
過去には、2014年11月と2016年6月の2回にわたって、消費税の増税が先送りにされた経緯があります。景気の状況などを踏まえて慎重に判断されることもありますが、現時点では、2019年10月1日をイメージしておくことになるでしょう。
国家の財政のことを考えると、消費税の増税は不可避のように思われますが、一消費者としては、できれば増税してほしくないのが本音です。日本では、1997年を境に平均年収が下落の一途をたどっていますが、税金や社会保険料はじわじわ値上がりしています。消費税の増税によって、収入は減るのに出費が増える状況に拍車がかかってしまうので、危機感を抱く人は多いかもしれません。
それでは、来たる消費税の増税にどう対応すればいいのでしょう。そのヒントをつかむために、過去の2回の消費税増税が与えた消費行動への影響をご紹介していきましょう。
2014年4月に消費税が5%⇒8%に増税された際には、
消費が冷え込んでGDP成長率が大幅なマイナスに!
そもそも、消費税が導入されたのは1989年のこと。当初は3%で始まり、1997年に5%に引き上げられました。現状の8%に引き上げられたのは2014年4月のことです。このときの首相は現在の安倍首相なので、安倍首相は2度の消費税増税を実施する初めての首相になる見通しです。
2014年4月に消費税が増税された後、同年8月に発表された2014年4-6月期の実質GDP成長率は、前期比年率でマイナス6.8%となりました。さらに7-9月期の実質GDP成長率もマイナスに。当初は、2015年10月に消費税を10%まで引き上げることが予定されていたのですが、GDP成長率の動向を考慮し、このときの安倍政権は増税の延期を決めています。
増税直後にGDP成長率が落ち込んだのは、急速に消費が冷え込んだからです。日本のGDPの約6割は「家計最終消費費出(個人消費)」だと言われています。そのため、多くの国民があまりお金を使わなくなれば、原則としてGDP成長率は低下することになります。
消費税の増税後に消費が落ち込んだ一方、増税前には一時的に消費が大きく膨らんでいます。これは、増税する前に買い物をしておこう、という「駆け込み需要」が盛り上がったからです。駆け込み需要が大きかったからこそ、増税後の反動減も大きかったと言うことができるでしょう。
消費税の増税と一緒に「保育・幼児教育の無償化」の導入や、
キャッシュレス決済時のポイント還元も予定されている
2013年から2014年にかけての駆け込み需要の対象となったのは、保存のきく日用品(トイレットペーパーや洗剤など)や、缶詰などの食品、家電、自動車、住宅と、多岐にわたります。
そこで気になるのは、前回同様に「消費税増税前の駆け込み需要」が2019年も起こるのか、という点。それから駆け込みで買っていいもの、買わなくていいものは何か? という点ではないでしょうか。
まず、駆け込み需要の有無についてですが、やはりある程度は増税前に消費が盛り上がる可能性が高いのではないか、と見ています。
とはいえ、今回は「軽減税率」の導入が検討されていますし、増税と同じタイミング(2019年10月1日)で、「保育・幼児教育の無償化」や、「キャッシュレス決済時のポイント還元」などの実施も予定されています。
「軽減税率」とは、特定の商品の税率を低く設定すること。まだまだ制度内容が固まっていない状況ですが、2018年12月時点では、主要な食料品などの生活必需品などが、現行の税率8%のまま据え置かれる見通しとなっています。
続いて「保育・幼児教育の無償化」とは、幼稚園や保育園などに通う子どもの保育料が無償になったり、補助金が出たりする制度です。
子どもの年齢や利用する施設、共働き世帯か専業主婦(主夫)世帯か、などによって適用条件は変わるものの、シングルや共働き世帯の場合、所得にかかわらず3歳から5歳までの子どもの幼稚園、保育所、認定こども園の費用が原則無償になります(※一部例外あり)。また、0歳~2歳児に関しては、住民税非課税世帯であれば無償になります。
当初、この「保育・幼児教育の無償化」は時間をかけて段階的に実施される予定でしたが、前倒しでスタートすることになったのは、もちろん消費税の増税インパクトを薄める狙いもあるでしょう。
キャッシュレス決済時のポイント還元率は5%に?
消費税の増税後はキャッシュレス決済がマスト!
「キャッシュレス決済時のポイント還元」とは、文字どおりですが、キャッシュレス決済(クレジットカードや電子マネー、スマホのコード決済など、現金以外の決済)を行った消費者に、ポイントを還元する措置です。
これもまだ計画段階であり、当初は増税幅分の2%を還元するとされていましたが、2018年11月には「5%還元で調整する」との報道も出ており、最終的にどうなるかは不透明です。また、これは恒久的な措置ではなく、2019年10月から数カ月間適用される見通しですが、期間についても決定されておらず、現段階では東京オリンピックまでの9カ月間とする案が出ています。
いずれにせよ、キャッシュレス決済で何らかの恩恵を受けられることはほぼ確実でしょう。「保育・幼児教育の無償化」とは異なり、キャッシュレス決済のポイント還元は誰もが得できるのがメリット。これまでは現金決済派だった人も、キャッシュレス決済への移行を真剣に考えてみたほうが良さそうです。
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軽減税率の対象商品や増税後に安くなりそうな商品を
焦って買わないように要注意! 住宅の購入も慎重に!
こうした数々の施策がどの程度の効果を発揮するかはわかりませんが、前回と比べれば、駆け込み需要後の消費の落ち込みを多少なりとも食い止めることになるかもしれません。特に、生活必需品(酒・外食以外の食料品や新聞)は、軽減税率の適用で価格が変化しないことになりそうなので、たとえ保存がきくものであっても、焦って買い込まなくていいでしょう。
ちなみに、過去の駆け込み需要で多くの人が買っていた缶詰やトイレットペーパーなどの日用品ですが、増税とは関係なく、普段から値動きの変動が大きい傾向にあります。店によっては頻繁に安売りもしていますし、増税後に消費税還元セールが行われる可能性もあるため、増税前にあえて買っておく意味はあまりないと言えます。
それでは、住宅や自動車、家電といった大きな買い物はどうでしょうか。まずは住宅ですが、2019年3月31日以前に建築・工事などの請負契約を行っている場合、「経過措置」があるため、引き渡しが増税後(2019年10月1日)以降になったとしても、消費税は8%が適用されます。
高額な買い物だけに、消費税の増税前に買ったほうがいいのでは、と焦るかもしれませんが、過去の増税前は、駆け込み需要で不動産価格が上昇し、増税後に下落するという現象も一部で見られました。つまり、増税後に買ったほうがむしろ安上がりだったケースも見られたということです。
ローンを利用しての住宅購入時には、「住宅ローン減税」も適用されますが、2019年度税制改正大綱では、住宅ローン減税の控除期間の3年間延長が決定されています。このため、増税後に新しい住宅ローン減税を活用したほうが、支払総額を抑えられることもあるでしょう。
とはいえ、増税前に気に入った物件に巡り合う可能性ももちろんあるでしょうから、住宅に関しては税金を理由に買わないことが重要だと言えます。
消費税の増税と同じタイミングで自動車の税金が改正!
増税前に購入するなら、価格が変動しにくい高級品を
続いて自動車ですが、2019年10月から税制が変わり、従来の「自動車取得税」が廃止されて、「環境性能割」が導入される予定です。タイミングからもわかるように、こちらも消費税の増税に合わせてスタートするものです。
「環境性能割」とは、自動車の燃費に合わせて税金が決まる制度で、電気自動車やプラグインハイブリッド車、平成32年度の燃費基準値+10%達成車などは非課税となります。もっとも、こうした基準を満たさない車は課税対象であり、以前より高額になる場合もあります。
よって、いつ買うべきかを一概に定義するのは難しいのですが、環境性能基準が低い自動車を購入するなら、消費税の増税前がベター。そうでなければ、必ずしも増税前の購入が最適とは限らないので、環境性能割も考慮しつつ、購入のタイミングを考えたほうがいいでしょう。
最後に、消費税が増税になる前に購入を積極的に検討したいものを紹介します。増税前に買うと得をするのは、価格が変動しにくい高級品です。たとえば、基本的に値引きがない新型のiPhone、ハイブランドの家具。あるいは宝石。お墓、仏壇、喪服。シャンプーや化粧品なども、百貨店のものやこだわりのブランドのものは、景気の変動は関係がないので、増税前に購入したいところ。また、定期券やアミューズメントパークのパスポートや入園券なども、増税前の購入がおすすめです。
パソコンやテレビなどは、次々と速いサイクルで新製品が出て、旧モデルは安くなるので、あえて増税前に買わなくてもいいでしょう。一方、エアコン、冷蔵庫、洗濯機などの白物家電は、新モデルが出るのが10月が多いことや、決算月が9月の店舗も多いため、元々8月や9月が旧モデル購入の狙い目。消費税の増税が10月と仮定すると、結果的に増税前の8月9月あたりの購入が有利になるケースが多そうです
ここまで、消費税の増税に関するトピックをお届けしました。政府が消費の冷え込みを懸念し、様々な施策を用意していることを再確認できたのではないでしょうか。とはいえ、消費税の増税を理由にムダ遣いをすることがないよう、2019年はより一層気を引き締めて、お金の使い方を考えていく必要がありそうです。
(取材/元山夏香)
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Suica ICOCA nanaco (nanacoへの チャージ分は 還元率0.5%) |
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