「新元号」と「ESG投資」で盛り上がる銘柄を発掘!
平成の次に来る「新時代」に株価の上昇が期待できる
2つの注目の投資テーマ&具体的なおすすめ銘柄を紹介

2019年3月27日公開(2019年3月27日更新)
村瀬 智一

4月から始まる新年度相場は
「新元号」の発表で祝賀ムードに!

 今回は2つのテーマを取り上げたいと思います。まず、ひとつめは「新元号」です。

 今週から、いよいよ新年度相場が始まります。3月期末の権利落ち日が3月27日でしたので、約定日が27日でも受け渡し日は4営業日後の4月1日となるため、受け渡しベースでは実質27日から新年度相場入りとなるのです。

 企業にとっては、新年度入りにより新たな成長戦略の一歩を踏み出すことになります。株式市場においても、新年度相場に入ることで、新たな資金流入といった需給面での期待も高まりやすくなるでしょう。

 特に、名実ともに新年度相場入りとなる4月1日には、天皇陛下の譲位と皇太子さまの新天皇即位に伴って、5月1日に改まる「新元号」が発表されます。4月1日に改元政令を閣議決定し、今の天皇陛下が公布され、新天皇即位と同時に改元します。改元のお祝いムードが高まる中で、株式市場への先高期待も膨らむ可能性がありそうです。

 平成の次の時代に向かって、株式市場も力強いスタートを切りたいところですね。

「新元号」関連テーマが再燃!
ブライダル業界では元年需要が高まる

 新年度相場に入り、物色対象もテーマ性に広がりが出てくると考えられますが、まずは新元号の発表によって「新元号」関連といったテーマが再燃することになるでしょう。

 既に株式市場では、印鑑及びスタンプを中心としたインターネット通販サイト「ハンコヤドットコム」を運営するAmidAホールディングス(7671)が人気を集めています。その他、凸版印刷(7911)大日本印刷(7912)などの印刷各社や、アルバムを手掛けるナカバヤシ(7987)なども需要が期待されます。

 また、これまで平成最後のウエディングへのニーズの高まりの期待から、結婚式場運営のテイクアンドギヴ・ニーズ(4331)、婚活サービスのリンクバル(6046)、宝飾品販売のヨンドシーホールディングス(8008)ベリテ(9904)といったブライダル関連銘柄が注目されました。同じ銘柄が、今度は「新元号の元年に結婚式を挙げたい!」という需要の高まりで注目されそうです。余談ですが、私は平成元年に結婚いたしました!(笑)

■「新元号」関連の注目銘柄

 ※2019年3月25日時点
銘柄名(コード) 業種 株価 最新の株価
AmidAホールディングス(7671) 小売業 2780円
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凸版印刷(7911) その他製品 1644円
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大日本印刷(7912) その他製品 2448円
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ナカバヤシ(7987) その他製品 539円
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テイクアンドギヴ・ニーズ(4331) サービス業 1414円
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リンクバル(6046) サービス業 967円
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ヨンドシーホールディングス(8008) 小売業 2055円
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ベリテ(9904) 小売業 426円
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世界的に注目が集まる「ESG投資」とは?
皇太子さまも幼少のころから環境問題に取り組まれる

 さて、今回注目したいもうひとつのテーマは「ESG投資」です。

 「ESG」とは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)を意味する英語の頭文字を合わせたものです。ESG投資は、環境問題、人権問題、企業統治などの課題に積極的に取り組んでいる企業に投資を行うことをいいます。

 企業の長期的な成長のためには、ESGが示す3つの観点が必要だという考え方が世界的に広まってきています。

 新天皇に即位されます皇太子さまは、貧困や教育、災害や環境などと密接にかかわる人類共通の「水」問題をライフワークに取り組まれてきました。2003年には、国内外の専門家による国際会議「世界水フォーラム」の名誉総裁に就任されています。また、即位後は、両陛下から受け継がれた戦争慰霊や障害者・高齢者福祉、被災地訪問のほか、社会を支える若者に寄り添うこと、さらに環境問題を公務の柱とするなど話し合われているとの報道もありました。

 こうしたことからも、“平成の次の時代に向かって”ESGへの関心がより高まることになるでしょう。

世界で「ESG投資」が増加中だが、
日本ではいまだ全体の2%程度しかない

 環境保護や社会問題などへの取り組みを考慮した世界各地域のESG投資協会が加盟する国際団体として、GSIA(Global Sustainable Investment Alliance)があります。日本では「世界持続可能投資連合」と説明されています。

 GSIAは、「目先の業績拡大ばかりを優先する企業行動が、不正会計や金融危機の一因になった」との反省に立ち、業績などの財務情報だけでなく、環境保護や社会貢献、人権・弱者尊重、企業統治、コンプライアンス、長期経営ビジョン、人材開発などへの取り組みといった非財務情報も重視することが、企業の長期的な価値を高め、持続的投資につながる、という考え方に基づいて活動しています。

 GSIAが2016年にまとめた調査報告では、世界のESG投資は22兆8900億ドルもの巨大な金額に達すると報告されています。これは、前回発表した2014年から25%の増加となりました。

 そんな中、日本のESG投資は、いまだ約5千億ドル(全体の2%)にとどまっています。しかし、公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、昨年9月、温室効果ガスの削減に取り組む企業への重点的な投資を開始したと発表しました。これからは、日本でもESG投資に対する関心も高まることが期待されます。

グローバルマネーや企業においても
ESGを意識した動きが増加中

 ESG投資への関心が高まる中で、関連銘柄の株価の値動きにも変化がみられます。

 例えば、タバコ大手のJT(2914)は、2016年2月の高値4850円をピークに、長期的な下降トレンドが継続しています。この値動きに対し、大手ファンドによるESGに関心の薄い企業を外す動きとの見方もされています。

 また、世界最大の政府系ファンド(SWF)であるノルウェー政府年金基金は、石油・ガス関連株の一部を投資先から外すと発表しています。原油価格の下落によるリスクもあるでしょうが、産油国のノルウェーが石油・ガス株の投資除外に動いたことに驚かされました。

 一方、企業の動きをみると、米コーヒーチェーン大手のスターバックス(SBUX)が、今夏からコールドドリンク用にストローのいらない新しいふたを導入するなど、プラスチックごみの削減を進めています。同様に、国内のコンビニでも、アイスコーヒーのカップをプラスチック素材から紙素材に変更する動きが見られます。

 こういった世界的な流れもあり、「ESG」は長期的な物色テーマになるでしょう。

「ESG」に関連する3つの指数でスクリーニングして、
長期的な観点から選定した銘柄を紹介!

 では、具体的な「ESG投資」関連銘柄の発掘方法です。

 今回のスクリーニングでは、ESG全般を考慮した「統合型」指数の「FTSE Blossom Japan Index」と「MSCI ジャパンESGセレクト・リーダーズ指数」、および女性活躍に着目した「テーマ型」指数の「MSCI 日本株女性活躍指数(WIN)」という3つ株価指数を用いました。

 これらの株価指数は、環境、社会、ガバナンスの実践に関する明確で透明性の高い基準を満たす数百もの企業を組み入れて構成されています。

 これら3指数のすべてに組み入れられており、FTSE Blossom Japan Indexにおいて「Overall ESG Scoreが2.5ポイント以上」、MSCI日本株女性活躍指数において「女性活躍指数におけるウェイトが0.5ポイント以上」、さらに、MSCI ジャパンESGセレクト・リーダーズ指数における「ESG格付けがシングルA以上」の銘柄を挙げてみました。

【スクリーニングの条件】
・「FTSE Blossom Japan Index」「MSCI ジャパンESGセレクト・リーダーズ指数」「MSCI 日本株女性活躍指数(WIN)」の3つに組み入れられている
・Overall ESG Scoreが2.5ポイント以上
・女性活躍指数におけるウェイトが0.5ポイント」以上
・ESG格付けがシングルA以上

 主力大型株が中心ではありますが、長期的な観点からの銘柄選定という意味でも妥当だと思われます。

■「ESG投資」関連の注目銘柄

 ※2019年3月25日時点
銘柄名(コード) 業種 株価 最新の株価
花王(4452) 化学 8442円
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リクルートホールディングス(6098) サービス業 3015円
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KDDI(9433) 情報・通信 2446.5円
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東京海上ホールディングス(8766) 保険業 5368円
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アステラス製薬(4503) 医薬品 1631.5円
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NTT(9437) 情報・通信 2433.5円
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小松製作所(6301 機械 2554.5円
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三菱電機(6503) 電気機器 1403円
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オリエンタルランド(4661) サービス業 1万2300円
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東京ガス(9531) 電気・ガス業 3072円
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SOMPOホールディングス(8630) 保険業 4010円
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三井住友フィナンシャルグループ(8316) 銀行業 3915円
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MS&ADインシュアランスグループホールディングス(8725) 保険業 3353円
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中外製薬(4519) 医薬品 7320円
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エーザイ(4523) 医薬品 6065円
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りそなホールディングス(8308) 銀行業 486.7円
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T&Dホールディングス(8795) 保険業 1139.5円
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大成建設(1801) 建設業 5060円
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三菱ケミカルホールディングス(4188) 化学 805.1円
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クボタ(6326) 機械 1550.5円
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大阪ガス(9532) 電気・ガス業 2295円
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住友化学(4005) 化学 524円
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キリンホールディングス(2503) 食料品 2554円
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オムロン(6645) 電気機器 5090円
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三菱地所(8802) 不動産業 1993.5円
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ヤマハ(7951) その他製品 5470円
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今後は投資家の中心が高齢者層から若い世代にシフト!
それに伴う投資行動の変化も意識しよう

 今回は「平成の次の時代に向かって」ということで、「新元号」と「ESG投資」というふたつのテーマを取り上げました。特にESG投資は、将来的な投資家層の変化にもマッチしています。

 最近ではNISAおよびジュニアNISAといった取り組みが進められていますが、日本の人口に対する投資人口はいまだに10%程度ではないでしょうか。さらに、年齢別でみると、若い層の中にもデイトレーダーや“億り人”といった人が出てきていますが、高齢者社会の現状からみれば60歳代以上が過半数で、50歳代を含めると全体の7割近くを占める状況かと思います。

 しかし、高齢者の資金が子から孫へシフトする中で、現在10〜20歳代の若い年齢層の投資家が今後の市場を担うことになります。

 現在の20歳代の若い人たちには、世界で高齢化が進む中、将来の世代のためにより明るく環境によりやさしい未来の実現を目指して活動するといった積極的なボラティア精神がみられます。こういった観点からも、投資対象としてESGへの関心が集まることが考えられます。

 投資テーマを発掘する際は、こうした社会構造の長期的な変化を意識することも大切です。

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