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反日デモは経済失速の隠ぺいに使われた!?
崩壊寸前の中国バブルに当局は打つ手があるのか?

【第232回】 2012年9月24日公開(2013年2月6日更新)
広瀬 隆雄
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【今回のまとめ】
1.中国政府がデモに寛容な態度をとったのには理由がある
2.国内の経済問題は社会問題化している
3.相反する政策目標を前に中央銀行は身動きがとれない
4.6%台のGDP成長率を予想する運用会社も出現
5.バランスシート・リスクの「見える化」ができていない

いまの中国にとって「外からの脅威」は政治的には好都合

 尖閣問題をめぐって、9月18日ごろまで中国各地で起こった大規模な反日デモに対して、中国政府がかなり寛容な態度を示した背景には、国内の求心力を増す必要があったからだと思われます。

 中国では通常、デモは政府により厳格に監視、管理されています。今回のデモは、中国政府が寛容だったからこそ実現したと見てよいでしょう。

 いま中国は10年に一度のリーダーシップの交代期であり、それを巡って虚々実々の駆け引きが繰り広げられていると言われます。

 その一方で輸出を中心に国内の景気は冷え込みつつあり、裕福層とその他の一般庶民との間の格差の拡大も社会問題化しています。

 インフレは低く抑えたいけれど、経済があまり減速しては困る…。この相反する政策目的を前にして、中国の金融政策は機動性を失っています。

 国民が感じている停滞感を逸らし、民心をひとつにまとめるには「外からの脅威」をアピールすることほど有効な手はありません。その意味では尖閣問題はちょうど好都合なタイミングで発生したと言えるかも知れません。

GDP成長率6%台の予想も! 漂流する金融政策

 とはいえ、残念ながら不景気は待ってくれません。とりわけ資産価格の値下がり圧力が引き起こす不景気の局面では一刻も無駄にできないのです。速やかに、断固とした金融緩和をしてやる必要があります。

 中国人民銀行は、6月と7月に相次いで利下げし、そのような断固としたテコ入れを実施するかのように見えました。

 しかしその後は経済指標がどんどん悪化しているにもかかわらず、緩和の手が止まってしまったのです。

 これは冒頭に述べたように、中国がいま政治的に極めて微妙な政権交代期にあって、そもそも真っ向から対立する、インフレ防止と景気テコ入れという2つの政策目標の択一を中央銀行が迫られ、結果として様子見を決め込んでしまったからです。言い換えれば、中国の金融政策は漂流しているのです。

 しかし、そうしている間にも、中国の景気の減速はどんどん進行しています。

 ウォール街のエコノミストのコンセンサスはこれまで中国のGDP成長率として7%程度を見込んでいるところが多かったですが、債券ファンドに強い運用会社であるピムコ(PIMCO)は、最近になって中国経済のGDP成長率は6.5%~7%程度に鈍化するという意見を打ち出しています。しかもこの比較的低い成長率は、一時的なものではなく、恒久化するというのが彼らの主張です。

【2019年7月1日更新!】

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