2022年の主要20業界の天気予報はどうなりそうなのか。ダイヤモンド編集部の担当記者が、リストラ実行度、再編機運、業績の「三大指標」を目安に業界の行方を大予想。『総予測2022』の本稿では、22年に浮き上がる業界と沈む業界を大胆に先読みした。(ダイヤモンド編集部)
ANA・JAL統合を回避するには
人件費抑制を含む構造改革が必至
急激な脱炭素シフトが日本企業の経営を圧迫しつつある。グリーン経済戦争の激化により資源価格が上昇。資源小国の日本にとっては大打撃だ。
また、脱炭素シフトに米中対立の厳しさも相まって半導体や電池、レアメタルなど基幹部品・材料の争奪戦が勃発。そうして起きたサプライチェーン(供給網)の混乱が自動車減産や原材料価格の高騰という形で、製造業大国ニッポンを追い詰めている。2022年もグリーン経済戦争における日本の苦戦は続くことになりそうだ。
日本企業に打開策があるとすれば、「変革」を恐れずに競争優位のある新領域投資へと歩を進めるしかない。その際に多くの企業にとってハードルとなるのが、旧来の技術・ビジネスモデルにひも付くレガシー(遺産)を捨て去る構造改革も同時に進めなければならないことだ。負の遺産処理は変革の足かせになりかねない。
そこでダイヤモンド編集部では、業界担当記者が「業績」「再編機運」「リストラ実行度」の三つの物差しで主要20業界の動向を大胆に予想した。いかに多くの業種において、再編とリストラが不十分であるかが見て取れるだろう。
まずは、コロナ禍で乗降客数が激減した“大荒れ”の航空・航空業界から見ていこう。
●再編機運:高、中、低の3段階
●リストラ実行度:高、中、低の3段階
航空2社が統合を嫌悪していたり、JRグループに財務余力があったりと再編機運が特段高まっているわけではないが、コロナ禍で打撃を受けただけにリストラ実行度は高まっている。
以降では、自動車、電機、商社、エネルギーなど18業界の天気予報を見ていこう。