【今回のまとめ】
1.中国経済が景気循環的に上向きはじめている
2.その恩恵を蒙るのは資源輸出国のオーストラリアである
3.オーストラリア経済は各種指標が過去の平均あたりに位置している
4.オーストラリア株式市場への投資は、ETFもしくはBHPビリトンを買う手がある
中国経済が上向いてきた
このところ中国経済の景気循環的(シクリカル)回復を示す経済指標の発表が相次いでいます。下は中国の貿易統計のグラフです。

中国の12月の輸出は前年同月比+14.1%と市場予想の+5.0%を大幅に上回りました。また輸入も+6.0%と市場予想の+3.5%を上回っています。
香港上海銀行調べによる中国の購買担当者指数もこのところ上向いています。

このように中国経済が上向くと、中国に鉄鉱石、石炭、エネルギーなどを輸出しているオーストラリアの経済の見通しも好転します。そこで今回は、オーストラリア経済の近況をまとめてみることにします。
オーストラリア経済は中国と深い関係にある
今年のオーストラリアのGDP成長率は、国際通貨基金(IMF)によると3.0%になると見られています。

過去10年間の平均GDP成長率は2.95%ですので、平均とほぼ同じ成長率だと言えます。歴史的にオーストラリアの経済成長は鉱業部門の景気に左右されやすい傾向があります。その鉱業部門は、中国経済の鈍化の影響でこのところさえませんでした。
次に、オーストラリアの消費者信頼感指数は、長期の平均値とほぼ同じ位置にあります。

消費者信頼感指数を下支えしている要因としては、比較的良好な雇用市場が挙げられます。その半面、住居費の負担などが、消費者信頼感指数の頭を抑えるネガティブ要因となっています。
続いて労働市場ですが、オーストラリアの失業率は歴史的に見て低い水準にあります。

産業部門別では、オーストラリア・ドルが堅調であることを受けて製造業部門は比較的苦しんでおり、そこでの雇用は減少しています。その分、鉱業部門が好調であり、同部門が余剰の労働力を吸収しています。
貿易黒字国でオーストラリアドルの保有が広がる
オーストラリアの交易条件は2011年をピークとして悪化しています。交易条件とは輸出価格を輸入価格で割ったもので、この数値が高くなると「交易条件が改善した」と説明されます。
このところオーストラリアの交易条件が悪化している主な原因は、鉄鉱石ならびに製鉄に使われるコークスのスポット価格の下落にあります。

オーストラリア・ドルはコモディティ輸出にかげりが見えたにもかかわらず、比較的堅調に推移してきました。その理由は、貿易黒字国の一部が外貨準備の通貨分散政策の一環としてオーストラリア・ドルの保有比率を上昇させたことが原因である、と言われています。
金利政策は利下げから中立へ
続いてオーストラリアの消費者物価指数ですが、今年は2.6%程度で推移すると見られています。過去10年間の平均は、2.81%です。

オーストラリア準備銀行は2011年11月以降、150ベーシスポイント(1.5%)の利下げを行ってきました。これは中国経済が予想以上に急速に冷え込んだ場合への備えという側面が多分にあったと思います。
現在はそのリスクがだんだん少なくなっているので、金利政策は次第に中立的なスタンスに戻され、さらに中期的には政策金利は高めに誘導されることになると思います。
オーストラリア投資の王道は、ETFか「BHPビリトン」
このように、投資好機が訪れているオーストラリアですが、代表的なETFとしては、ニューヨーク証券取引所に上場している「アイシェアーズMSCIオーストラリアETF(ティッカー:EWA)」があります。このファンドの組み入れ業種は、金融47.5%、素材22.6%、消費安定9.28%、エネルギー5.85%などとなっています。

また個別銘柄としては、オーストラリア株で時価総額の一番大きい、BHPビリトン(ティッカー:BHP)が、いかにもオーストラリアらしいエネルギー、鉄鉱石、石炭などの事業構成になっています。


【略号の解説】
DPS 一株あたり配当
EPS 一株あたり利益
CFPS 一株あたりキャッシュフロー
SPS 一株あたり売上高
※編集部注:本記事で紹介しました「アイシェアーズMSCIオーストラリアETF(ティッカー:EWA)」と、「BHPビリトン(ティッカー:BHP)」は、楽天証券で購入可能です。また、「BHPビリトン(ティッカー:BHP)」は、SBI証券でも購入可能です。
【※米国株を買うならこちらの記事もチェック!】
⇒米国株投資で注意が必要な「為替」と「税金」とは?「特定口座(源泉徴収あり)」か「NISA口座」で投資をして、口座内に「米ドル」を残さないのがポイント!
| ※証券や銀行の口座開設、クレジットカードの入会などを申し込む際には必ず各社のサイトをご確認ください。なお、当サイトはアフィリエイト広告を採用しており、掲載各社のサービスに申し込むとアフィリエイトプログラムによる収益を得る場合があります。 |
【2025年12月1日時点】
「米国株」取扱数が多いおすすめ証券会社 |
| ◆SBI証券 ⇒詳細情報ページへ | |
| 米国株の取扱銘柄数 | 取扱手数料(税込) |
| 約4900銘柄以上 | <現物取引>約定代金の0.495%(上限22米ドル)/<信用取引>約定代金の0.33%(上限16.5米ドル) |
|
【SBI証券のおすすめポイント】 |
|
| 【関連記事】 ◆【SBI証券の特徴とおすすめポイントを解説!】株式投資の売買手数料の安さは業界トップクラス! IPOや米国株、夜間取引など、商品・サービスも充実 ◆「株初心者&株主優待初心者が口座開設するなら、おすすめのネット証券はどこですか?」桐谷さんのおすすめは松井、SBI、東海東京の3社! |
|
| ◆楽天証券 ⇒詳細情報ページへ | |
| 米国株の取扱銘柄数 | 取扱手数料(税込) |
| 約5100銘柄以上 | <現物取引>約定代金の0.495%(上限22米ドル)/<信用取引>約定代金の0.33%(上限16.5米ドル) |
| 【楽天証券おすすめポイント】 米国、中国(香港)、アセアン各国(シンガポール、タイ、マレーシアなど)と幅広い銘柄がそろっており、米国株の信用取引も利用可能! 指定の米国ETF15銘柄については買付手数料が無料で取引ができるのもお得。米ドル⇔円の為替取引が0円と激安! さらにNISA口座なら、米国株の売買手数料が完全無料(0円)。米国株の注文受付時間が土日、米国休場を含む日本時間の朝8時~翌朝6時と長いので、注文が出しやすいのもメリット。米国株式と米国株価指数のリアルタイム株価、米国株オーダーブック(板情報)、さらに米国決算速報を無料で提供。ロイター配信の米国株個別銘柄ニュースが、すぐに日本語に自動翻訳されて配信されるのもメリット。米国株の積立投資も可能。米国株の貸し出しで金利がもらえる「貸株サービス」も行っている。 |
|
| 【関連記事】 ◆【楽天証券おすすめのポイントは?】トレードツール「MARKETSPEED」がおすすめ!投資信託や米国や中国株などの海外株式も充実! ◆【楽天証券の株アプリ/iSPEEDを徹底研究!】ログインなしでも利用可能。個別銘柄情報が見やすい! |
|
| ◆マネックス証券 ⇒詳細情報ページへ | |
| 米国株の取扱銘柄数 | 取扱手数料(税込) |
| 約5100銘柄以上 | <現物取引>約定代金の0.495%(上限22米ドル)/<信用取引>約定代金の0.33%(上限16.5米ドル) |
| 【マネックス証券のおすすめポイント】 外国株式の取り扱い銘柄数はトップクラス! また、米国株の買付時の為替手数料が0円(売却時は1ドルあたり25銭)となるキャンペーンが長期継続しており、実質的な取引コストを抑えることができる。さらに、外国株取引口座に初回入金した日から20日間は、米国株取引手数料(税込)が最大3万円がキャッシュバックされる。米国ETFの中で「米国ETF買い放題プログラム」の対象22銘柄は、実質手数料無料(キャッシュバック)で買付が可能。米国株の積立サービス「米国株定期買付サービス(毎月買付)」は25ドルから。コツコツ投資したい人に便利なサービス。米国株は、時間外取引に加えて店頭取引サービスもあり日本時間の日中でも売買できる。しかもNISA口座なら、日本株の売買手数料が無料なのに加え、外国株(海外ETF含む)の購入手数料も全額キャッシュバックされて実質無料! 企業分析機能も充実しており、一定の条件をクリアすれば、銘柄分析ツール「銘柄スカウター米国株」「銘柄スカウター中国株」が無料で利用できる。 |
|
| 【関連記事】 ◆【マネックス証券の特徴とおすすめポイントを解説】「単元未満株」の売買手数料の安さ&取扱銘柄の多さに加え、「米国株・中国株」の充実度も業界最強レベル! |
|
| ◆松井証券 ⇒詳細情報ページへ | |
| 米国株の取扱銘柄数 | 取扱手数料(税込) |
| 約5000銘柄以上 | <現物取引>約定代金の0.495%(上限22米ドル)/<信用取引>約定代金の0.33%(上限16.5米ドル) |
| 【松井証券のおすすめポイント】 米国株の売買手数料は他の大手ネット証券と同水準なうえ、為替手数料は完全無料(0円)とお得!さらにNISA口座では、米国株の取扱手数料が無料に! 米国株でも信用取引が可能で手数料が業界最安水準。2025年7月から米国株のプレマーケットに対応し、日本時間18時(夏時間は17時)から取引が可能になったのもメリット。さらに投資情報ツール「マーケットラボ米国株」や専用の取引ツール、リアルタイム株価が無料、夜間での取引に便利な返済予約注文(IFD注文)、米国株専用ダイヤル「米国株サポート」や「株の取引相談窓口(米国株)」などが特徴となっている。また、米国株専用の「松井証券 米国株アプリ」は、リアルタイム株価の表示に加え、米国株の情報収集から資産管理、取引までスマホで対応可能だ。 |
|
| 【関連記事】 ◆【松井証券のおすすめポイントは?】1日50万円以下の株取引は手数料0円(無料)! その他の無料サービスと個性派投資情報も紹介 ◆「株初心者」におすすめの証券会社を株主優待名人・桐谷広人さんに聞いてみた! 桐谷さんがおすすめする証券会社は「松井証券」と「SBI証券」! |
|
| ◆moomoo証券 ⇒詳細情報ページへ | |
| 米国株の取扱銘柄数 | 取扱手数料(税込) |
| 約6300銘柄以上 | <現物・信用取引>約定代金の0.132%(上限22米ドル) |
| 【moomoo証券のおすすめポイント】 米国やカナダ、オーストラリア、シンガポール、マレーシアなどグローバルにサービスを展開するネット証券。米国株には特に力を入れており、取扱銘柄数は業界トップクラス。売買手数料も大手ネット証券の4分の1程度だ(ただし売買手数料の上限は22米ドルと他社と同水準)。さらに、為替手数料が無料なので、米国株の売買コストのお得さでは頭ひとつ抜け出している。米国株に関するデータや情報も充実。最大上下60本の板情報や過去20年分の財務データ、大口投資家の売買動向など、銘柄分析に役立つさまざまな情報が無料で利用できる。24時間取引に対応しているので、日本時間の昼間にも売買が可能。1ドルから米国株を買うこともできる。取引アプリには対話型AIの「moomoo AI」を搭載。米国株の基礎知識から米国市場の動向、銘柄分析まであらゆる質問に答えてくれるので、米国株初心者には力強い味方となるだろう。 |
|
| 【関連記事】 ◆【moomoo証券のおすすめポイントを解説】米国株投資家には特におすすめの米国生まれのネット証券! プロレベルの高機能ツールやAIツールも魅力! |
|
| ※ 本記事の情報は定期的に見直しを行っていますが、更新の関係で最新の情報と異なる場合があります。最新の情報は各社の公式サイトでご確認ください。 |




































