【今回のまとめ】
1.米国の携帯電話市場は成熟している
2.ソフトバンクはまずスプリント・ネクステルの19.9%だけを取得する
3.残りは公開買い付けになるが、条件は流動的
4.どちらも負債の大きい会社なので、様子を見ながら話を進める必要アリ
5.ソフトバンクによるメトロPCS買収は今のところ可能性は低い
米国の携帯電話市場
米国の携帯電話加入者数はすでに米国の人口より多い約3.8億人に達しており、普及率は120%程度となっています。
米国で最も大きな携帯電話会社はベライゾン(ティッカー:VZ)で、加入者数は1.11億人、第2位はAT&T(ティッカー:T)で1.05億人です。今回、ソフトバンク(9984)が買収を検討しているスプリント・ネクステル(ティッカー:S)は第3位で5640万人です。

つまり米国の携帯電話市場は成熟市場だと言えます。
最初に株を取得するのは19.9%のみ
ソフトバンクはスプリント・ネクステルの過半数株式を取得することを検討しています。
しかし今の時点では同社株の100%を取得し、スプリント・ネクステルを非公開化することは考えていないようです。大方の報道によると、株式の70%程度を支配することを狙っているようです。
それでは具体的にどうやって過半数株式を取得するかですが、まず発行済み株式数の19.9%程度に相当する新株をスプリント・ネクステルが発行し、それをソフトバンクに割り当てるという方法が噂されています。その際の割り当て価格は、まだわかっていません。
なぜ19.9%かといえば、それを上回る株数をスプリント・ネクステルが出したい場合は、株主総会で承認される必要があるからです。
この19.9%の株式の発行によってソフトバンクがスプリント・ネクステルに渡す現金は、資金繰りに困っているスプリント・ネクステルの運転資金に投入されると予想されます。
ソフトバンクは残り(発行済み株式数の50%)をテンダー・オファー(公開買い付け)によって既存の株主から買い集めるのではないかと言われています。
その時の買い入れ価格が幾らになるのかも、現時点では不透明です。6.30ドルから6.50ドル程度のテンダー価格になるという観測を報道しているマスコミもあります。
しかし、その値段になる保証はありませんし、第一、その値段で株主達がスプリント・ネクステル株を手放す(=つまりテンダーに応じる)かどうかは、疑問が残ります。
いつでも逃げられる条件で買収が進む
このように今回の買収話は、
1.実際に第一段階でソフトバンクが取得を考えているのは19.9%株式のみ
2.テンダー・オファーの条件が流動的
3.上場ならびに30%程度の流通株を残したカタチになる
など、随所に中途半端さを残す条件となっています。
これは裏返せば、今回の買収話を日本のソフトバンク株主が嫌気するようなら、途中で取り止めにすることもできるわけです。
このようにいつでも逃げられる買収条件になっている理由は、そもそもソフトバンク、スプリント・ネクステルの両社ともすでにかなりの負債を抱えており、ムリができないことによります。
ちなみに、スプリント・ネクステルの純負債は145億ドル程度で、業績もよくありません。米国の携帯上位2社は利益を出しているのに比べて、スプリント・ネクステルは赤字が続いています。

さらに外国企業(つまりソフトバンク)による通信会社の買収には、米国議会から反対の声が上がることも考えられます。その理由としてソフトバンクは次世代のLTEネットワークに中国の華為(Huawei)社のネットワーク機器を使用しており、これにアメリカがアレルギー反応を示すリスクがあるわけです。
真の狙いは“買収の先の買収”か?
さて、このソフトバンクによるスプリント・ネクステル買収とは別に、かねてからスプリント・ネクステルはクリアワイヤ(ティッカー:CLWR)の過半数株式を支配しようと試みてきました。クリアワイヤは周波数帯域(スペクトラム)のライセンスを持つ会社です
スプリント・ネクステルはクリアワイヤを買収して、同社が持つ周波数帯を使ってLTEなどの高速通信サービスを強化したいと考えていますが、手元資金が限られていたので、買収は思うように進めることができませんでした。しかし今回、ソフトバンクがスプリント・ネクステルに出資すれば、そのお金の一部を使ってスプリント・ネクステルがクリアワイヤを買収しやすくなります。
クリアワイヤも、まだ若い会社ですので、先行投資負担が重く、利益は出ていません。

ソフトバンクが「メトロPCS」も買収?というのは、誤報
なお先週木曜日に初めてソフトバンクがスプリント・ネクステルに興味を持っているというニュースが流れたとき、スプリント・ネクステルの他に、ソフトバンクはメトロPCSも買収したいと考えているという報道が一部に流れました。現時点ではこれは誤報だったと考えられています。
遠い将来、ソフトバンクがスプリント・ネクステルを支配下に置いた後、さらに残された小さな携帯電話会社を再編してゆく過程で、メトロPCSならびにTモバイル(この両社は合併の過程にあります)に興味を持つ可能性は、まだ残されています。
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