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レイバーデー明けは要注意!今週、まったく新しいトレンド発生の可能性も

【第280回】 2013年9月2日公開(2025年6月3日更新)
広瀬 隆雄
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【今回のまとめ】
1.シリア情勢を嫌気し相場は下げた
2.経済指標は強いので債券買い入れプログラム縮小の可能性は残った
3.レイバーデー明けは経験則的に新しいトレンドが出やすい
4.カレンダー的には難しい問題が山積みになっている
5.市場参加者の楽観論は後退した

シリア情勢を嫌気して米国株は売られた

 先週の米国株式市場はシリア情勢を懸念してダウ工業株価平均指数が-1.3%、S&P500指数が-1.8%、ナスダック総合指数が-1.9%下落しました。

 一方、先週発表された一連の経済指標は9月に債券買い入れプログラムの縮小が発表される可能性が依然残っていることを示唆するものでした。

 具体的には米国の第2四半期のGDPが当初発表された+1.7%から+2.5%へ上方修正されました。

 さらに先週の新規失業保険申請件数は33.1万人に減りました。つまり雇用は底堅いのです。

レイバーデー明けは投資家心理の大変化に要注意

 9月2日(月曜日)はレイバーデーで米国市場は休場です。レイバーデーは夏のバカンス・シーズンの終了を象徴します。またアメリカでは学校の新年度が9月から始まる関係で、日本人が4月に感じる「今年は頑張るぞ」という心機一転の気持ちを、アメリカ人はレイバーデー明けの9月3日に抱くのです。

 これらの事から、レイバーデー明けの週、つまり今週は経験則的に相場の流れがガラッと変わることが多い週だとして知られています。

 例えば1930年代の大恐慌の前兆となった「暗黒の木曜日」の大暴落が起こった1929年のニューヨーク市場の足取りを振り返ってみると、相場に変調の兆しが見えたのはレイバーデー明けの立会日からでした。

 また最近の例ではリーマンショックが起こった2008年は、レイバーデー明けの9月2日から相場が何となくギクシャクしはじめました。

 私は「今年もレイバーデー明けの相場は安い」と断言したいのではありません。ただバカンスから帰って来たトレーダー達がフレッシュな眼でマーケットの置かれている状況を見直した場合、これまでの相場の流れと全然違う新しいトレンドが生まれる可能性があるということを指摘したいのです。だから相場がドカ下げするリスクもあるし、逆に、上に行く可能性も、当然あります。

重要材料が目白押し

 それを断った上で、今後の日程を見た場合、難しい材料が山積みだと思います。まず9月17・18日の両日には連邦公開市場委員会(FOMC)が開催され、ひょっとするとそこで債券買い入れプログラムの縮小が発表されるかも知れません。

 9月22日にはドイツで総選挙があります。さらに近日、オバマ大統領がバーナンキ連邦準備制度理事会(FRB)議長の後任を指名すると思います。現在有力と言われているのはローレンス・サマーズ前ハーバード大学学長です。FRB議長は大統領が指名し、それを上院が承認することになっています。サマーズ氏は上院に敵も多いので、この承認投票はかなりハラハラさせられる展開になると思います。

 これらの材料に加えて、9月に入ると議会は財政削減ならびに連邦債務上限引き上げ問題の審議を開始します。

市場参加者の楽観論は引っ込んだ

 幸い、8月に入ってからの軟調な地合いを反映して、米国の投資家のセンチメントはかなり楽観論が引っ込みました。下はブルベア指数です。


 ブルベア指数は毎週、全米のニュースレターの強気(ブル)、弱気(ベア)を集計したものです。

 この指数は典型的な「逆指標」であり、強気が多ければ多いほど、マーケットは下げやすいという風に解釈します。なぜなら投資家は自分の持ち株のポジションに応じて意見を形成すると考えられているからです。

 言い換えれば株をしこたま仕入れた投資家は強気の意見を持っているからこそ株を買っているわけです。ところがその強気の相場観とはウラハラに、その投資家が次に出来る事は、株式の売却という、自分の相場観とは正反対の行為なのです。つまり自分のキモチではなく、手持ちの駒の状況こそが、次のその投資家のアクションを決める要因だという考え方です。

 最新のブルベア指数の数値で、強気から弱気を引いた差は14.3に下がっています。

 これは去年の11月以来、最も低い水準です。つまり過熱感は、かなり払しょくされたということです。

 以上をまとめます。今週はレイバーデー明けなので、全く新しいトレンドが始まる可能性があります。それがドカ下げになるか、逆に上昇トレンドの起点になるかは、わかりません。市場参加者の楽観論はかなり後退したので、これは相場が上昇しやすい要因です。その半面、今後の懸案事項を見ると難しい材料が山積みとなっています。

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